平成20年10月15日
厚生労働省発表
中国産冷凍いんげんからの農薬の検出について
1.今般、八王子市保健所より、中国産冷凍いんげんについて、異味、異臭(石油臭)がし、舌のしびれとむかつきがあったとの苦情があり、保健所においても異臭を確認したため、八王子警察署に通報するとともに、東京都健康安全研究センターにおいて苦情品の残品について残留農薬の分析を実施した結果、農薬ジクロルボスが6,900ppm検出された旨の報告がありました(ただし、未開封の同一ロット品については検出限界(0.1ppm)以下)。
※別紙1(PDF:410KB)のとおり東京都、別紙2(PDF:40KB)のとおり八王子市において公表。
2.本件に関しては、輸入者からの報告によると、他に同様な苦情はなく、現時点では、関係機関が捜査中ですが、念のため、本日、下記の製品について、次の対応をとったところです。
(1)国民に対し、家庭に保管されている当該製品を摂食しないよう、注意を喚起すること。
(2)関係地方自治体を通じて輸入者及び販売者に対し、原因が判明するまでの間、当該製品の販売を見合わせるよう、指示すること。
(3)各地方自治体に対し、同様の事案が発生した場合には、直ちに報告するよう、要請すること。
(4)検疫所に対し、当該製品の製造者(Yantai Beihai Foodstuff Co.,Ltd.)からのすべての食品の輸入手続を保留すること。
特に、(1)については、国民に対する周知に報道機関各位の御協力をよろしくお願いします。
<製品概要>
製 品:冷凍食品「いんげん」(250g)
輸 入 者:株式会社ニチレイフーズ 東京都中央区築地6-19-20
原 産 国:中華人民共和国
賞味期限:2010.1.7
そ の 他:当該製品は株式会社イトーヨーカ堂及びその系列店舗においてのみ販売されていますが、既にその販売は中止されているとの情報を得ています。
<輸入実績>
製造者(Yantai Beihai Foodstuff Co.,Ltd.)からの冷凍いんげんの輸入量
36 件、265,160.8 Kg(平成19年10月15日~平成20年10月14日)
【参考】
ジクロルボス(別名:DDVP)
有機リン系化合物であり、国内では、農薬(殺虫剤)、動物用医薬品、家庭用殺虫剤、自治体や防除業者による防疫用殺虫剤として使用されています。
リスク評価の状況としては、一日摂取許容量(ADI)※1が平成8年に厚生労働省の食品衛生調査会において評価され、0.0033mg/kg体重/日が設定されています。また、米国環境保護庁(EPA)においては、急性参照量(ARfD)※2として0.008mg/kg体重/日が設定されています(わが国では未設定)。
※1:一日摂取許容量(ADI)
ヒトが毎日一生食べ続けても健康に悪影響が生じないと推定される量。
※2:急性参照量(ARfD)
ヒトの24時間又はそれより短時間の経口摂取により健康に悪影響を示さないと推定される量。
本件のジクロルボスが6,900ppm検出された冷凍いんげんを、体重60kgの人が約0.07g摂食すると、急性参照量に達する。
(食品安全委員会ホームページを参考に作成)
(担当)
医薬食品局食品安全部監視安全課
輸入食品安全対策室
室長道野(2495)
担当西村、近藤(2497、2474)
小島、高橋(2478、2491)
電話03-5253-1111
夜間直通03-3595-2337