【政府情報】 オセルタミビル(商品名:タミフル)耐性のインフルエンザウイルスについて(中間報告)(平成21年1月16日)2009/01/19

オセルタミビル(商品名:タミフル)耐性のインフルエンザウイルスについて
(中間報告)

1. 2008/09シーズンのインフルエンザにおけるオセルタミビル(タミフル)耐性ウイルスについて、2009年1月8日時点の感染症発生動向調査における薬剤耐性株に関する中間報告を情報提供します。(別添1)

2. 現時点では、全国で検査されたインフルエンザウイルス株の数は限られておりますが、現段階における調査結果について、中間報告として情報提供するものです。今後、引き続きサーベイランスを行い、発生動向を注視することとしています。

3. また、厚生労働省においては、従来よりホームページにおいてインフルエンザQ&Aを公表するなど、インフルエンザに関する情報について周知しておりましたが、上記の調査結果等を踏まえQ&Aを別添のとおり改定し、改めて周知を図っています。(別添2)

厚生労働省 インフルエンザQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/07qa.html

4. なお、今後実施する厚生労働科学研究費補助金特別研究事業において、わが国におけるオセルタミビル耐性ウイルスによるインフルエンザ患者の症状等の把握や、国際的な抗インフルエンザウイルス薬使用状況の調査を行うこととしています。

(別添1)
感染症発生動向調査における薬剤耐性インフルエンザウイルスについて 
(中間報告)

○ 今シーズンにおけるインフルエンザウイルスの薬剤耐性状況について

・ わが国では下記の(参考)のとおり、都道府県においてインフルエンザウイルスの分離・検出を行っているが、そのうち、国立感染症研究所において今シーズンのインフルエンザウイルス(A/H1N1)について35株を検査し、34株からオセルタミビル(商品名:タミフル)耐性ウイルスが検出された。(2009年1月8日現在)

・ 確認されたオセルタミビル耐性ウイルス(A/H1N1)については、昨シーズンからヨーロッパを中心に出現しているオセルタミビル耐性ウイルスと同じ北欧系統となっている。

○ インフルエンザウイルス(A/H1N1)とワクチンについて

・ 検査されたインフルエンザウイルス(A/H1N1)については、今シーズンのワクチン株A/ブリスベン/59/2007の類似株であったことから、これらの耐性株に対して今シーズンのワクチンは有効であることが推測される。

○ インフルエンザウイルス(A/H1N1)とオセルタミビル以外の抗インフルエンザウイルス薬について

・ 今シーズンに検査されたオセルタミビル耐性ウイルス(A/H1N1)について、現在のところ、ザナミビル(商品名:リレンザ)に対する耐性は確認されていない。

○ インフルエンザウイルス(A/H1N1)以外のインフルエンザウイルスにおける薬剤耐性について

・ 今シーズンに分離されたインフルエンザウイルスのうち、A/H3N2ウイルス、B型ウイルスについては、現在のところ、オセルタミビル耐性は確認されていない。

○ オセルタミビル耐性のインフルエンザウイルスにおける病原性について

・ WHOによると、病原性や臨床経過において、オセルタミビル耐性ウイルス(A/H1N1)が通常のインフルエンザウイルスに比較して重篤な症状を引き起こす等の違いは確認されていない。

(参考)全国のインフルエンザウイルス分離・検出状況(平成21年1月15日時点)

A型 H1N1 243件
   H3N2 303件
B型 125件

※ 病原体の分離等の検査情報を収集するため、都道府県は、インフルエンザ患者の定点報告を行う指定届出機関の中から、概ね10%を病原体定点として選定し、患者から検体を採取している。

詳細については、下記のページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/01/h0116-10.html

(照会先)
厚生労働省健康局結核感染症課