【政府情報】 【緊急情報】新型インフルエンザ対策本部幹事会「確認事項」(平成21年5月16日)2009/05/16

新型インフルエンザ対策本部幹事会「確認事項」が掲載されました。

確認事項
平成21年5月16日

新型インフルエンザ対策本部幹事会

政府は、新型インフルエンザの発生は、国家の危機管理上重大な課題であるとの認識の下、新型インフルエンザへの対策に総力を挙げて取り組むこととし、メキシコでの発生が確認されて以来、情報の収集と提供、在外邦人の支援とウイルスの国内侵入の防止を目的とした水際対策等を実施してきた。

この間に確認された海外の症例等を見ると、今回の新型インフルエンザについては、通常の季節性インフルエンザと同様に感染性は強いが、多くの方が軽症のまま回復したことが確認されている。

しかし、基礎疾患のある者を中心に、重症化する傾向があり、死亡例も報告されている。

本日、新型インフルエンザの患者が国内で確認され、地域における感染が始まった可能性が高いことから、基本的対処方針(平成21年5月1日新型インフルエンザ対策本部決定)を踏まえ、自治体、医療機関、事業者や関係団体と連携・協力し、国民の協力を得て、当面、次の措置を講ずる。

一.広範な情報収集と国民に対する迅速かつ的確な情報提供を行う。

(一)ウイルスの感染力や病原性、検査方法、感染防止策、治療方法等に関する正確な情報提供を行う。

(二)国内サーベイランスを強化する。

(三)問い合わせに対し、発熱相談センターや自治体、厚生労働省や外務省等の相談窓口において適切に対応する。

二.国内での患者発生に対応した医療体制の整備等を早急に進める。

(一)発熱外来の整備を進める。整備の方法については、各自治体が地域の実情を踏まえ、適切かつ柔軟に判断する。

(二)抗インフルエンザウイルス薬等の円滑な流通を確保する。

(三)患者との濃厚接触者や、医療従事者、初動対処要員等のうち感染防止策が不十分なため、ウイルスに暴露した疑いのある者に対し、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を行う。

三.地域や職場における感染拡大を防止するため、患者や濃厚接触者が活動した地域等において、次の措置を講ずる。

(一)積極的疫学調査を徹底する。

(二)外出に当たっては、人混みをなるべく避けるとともに、手洗い、混み合った場所でのマスク着用、咳エチケットの徹底、うがい等を呼びかける。

(三)事業者や学校に対し、時差通勤・時差通学、自転車通勤・通学等を容認するなど従業員や児童・生徒等の感染機会を減らすための工夫を検討するよう要請する。

(四)集会、スポーツ大会等については、一律の自粛要請は行わないが、主催者に対し、感染の広がりを考慮し、当該集会等の開催の必要性を改めて検討するとともに、感染機会を減らすための工夫を検討するよう要請する。

(五)学校(大学を除く。以下同じ。)・保育施設等については、児童・生徒等を通じて感染源となりやすいことから、発生した患者が学校・保育施設等に通う児童・生徒等である場合、人口密度や生活圏域等を考慮しつつ、原則として、市区町村の一部又は全域、場合によっては都道府県全域の学校・保育施設等の臨時休業を要請する。また、発生した患者が児童・生徒等以外である場合であっても、二次感染が生じ、さらに感染拡大のおそれがあるときは、同様に、学校・保育施設等の臨時休業を要請する。なお、臨時休業は、基本的には、発生段階が回復期に至るまでは継続することになるが、疫学的情報を踏まえ、各都道府県において1週間ごとに検討を行う。大学に対しては、休業も含め、できる限り感染が拡大しないための運営方法を工夫するよう要請する。

なお、従業員の子ども等が通う保育施設等が臨時休業になった場合における当該従業員の勤務について、事業者に対し、配慮を行うよう要請する。

(六)事業者については、事業運営において感染機会を減らすための工夫を検討するよう要請する。

四.水際対策としての検疫・入国審査及び発生国における在外邦人に対する支援に引き続き取り組む。 

五.ウイルスの病原性等の解析及びパンデミックワクチンの開発に取り組む。

六.電気・ガス・水道、食料品・生活必需品等の事業者に対し、供給体制の確認や事業継続に向けた注意喚起を行う。

七.必要に応じ、次の措置を講ずる。

(一)食料品・生活必需品等の購入に当たっての消費者の適切な行動を呼びかける。

(二)社会混乱に乗じた各種犯罪の取締り等治安の維持に当たる。