参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=I9is541_Wl--p5yxY
【照会先】
医薬・生活衛生局 国際薬事規制室
室長 安田 尚之(内線4223)
専門官 田辺 江業(内線4232)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)2431
医薬品規制調和国際会議(ICH)総会が開催されました
~5ガイドラインが新たな段階に進みました~
令和3年11月9日及び11月15日から18日まで、医薬品規制調和国際会議(ICH)管理委員会・総会が開催されました(メンバー・オブザーバーは参考1参照)。当初、カナダ・バンクーバーでの対面会合を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症への対応を考慮し、バーチャルでの開催となりました。本会合では、主に以下の成果がありました。
次回ICH総会は令和4年5月24・25日に開催されます。次回の開催形式は対面会合の可能性も含め検討中です。
1.既存の作業部会の成果
既存の作業部会における、本会合までのガイドライン作成の主な進捗(注1)として、次のとおりICH総会で報告されました。
(注1)ICHのガイドライン作成が開始され、ICH規制当局側メンバーの各国・地域で実装されるまでの手続きはステップ1からステップ5の各段階を経て行われます。
(1)ステップ4到達(注2)
・E8(R1):「臨床試験の一般指針」の改正
・M8 eCTD v4.0 Question and Answer (Q&A) Document v.1.6:「「電子化コモン・テクニカル・ドキュメント(eCTD)による承認申請について」に関する質疑応答集(Q&A)について」の改正、及び eCTD v3.2.2 Question and Answer (Q&A) Document v.1.32:「「コモン・テクニカル・ドキュメントの電子化仕様について」に関するQ&A について」の改正
(注2)ステップ4:ICH総会における規制当局メンバーでガイドラインとして採択されたもの。今後、ICH規制当局側メンバーの各国・地域で必要な国内手続きを経て、薬事規制の中に取り込まれる予定。
(2)ステップ2到達(注3)
・M7(R2):「潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価 及び管理ガイドライン」の改正及び補遺
・Q13:原薬及び製剤の連続生産
・Q9(R1):「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」の改正
(注3)ステップ2:ICH総会における規制当局メンバーでガイドライン案の合意に達したもの。今後、ICHホームページを通じて、ICH規制当局メンバーの各国/地域で、パブリックコメントが実施される予定。
2. ICH総会・管理委員会議長等選挙
ICH総会議長・副議長は2年ごと、管理委員会議長・副議長1年ごと(ただし今回から2年ごとに変更)に改選が行われることになっています。今般、これらの改選のための選挙が行われ、次のとおり選定されました。
総会議長:Lenita Lindström-Gommers(EC)・副議長:Gabriela Zenhaeusern (Swissmedic)
管理委員会議長:Theresa Mullin (FDA)・副議長:中島宣雅(MHLW/PMDA)
3.新規メンバー及びオブザーバー
今回、新たに、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)がICH規制当局メンバーに承認されました。また、インドネシア共和国食品医薬品庁(BPOM)、ウクライナ保健省専門家センター(SEC MOH)、エジプト医薬品庁(EDA)がオブザーバーに承認されました。
これで、ICHはメンバー19団体、オブザーバー35団体となりました(参考1参照)。
4.2022年予算及び2026年までの予算見込み採択
今回、ICH協会の2022年予算の他、各メンバーの年会費・MedDRA購読費が確定されました。また、2026年までの5か年予算見込みも承認されました。今後はこの資金計画に基づいて、各活動がされていく予定です。
5.国際薬事規制当局プログラム(IPRP)について
ICH総会に併せ、11月19日及び22日にIPRP会合(参考2参照)がバーチャルで開催されました。その中では、リライアンスの推進・e-labeling活動・作業部会の活動・各国の規制状況等について報告・紹介・意見交換が行われました。
(参考1)ICH参加団体一覧(令和3年11月18日時点)
※:管理委員会メンバー 下線:今般会合で追加
【メンバー(19団体)】
○創設規制当局メンバー(3):厚生労働省/医薬品医療機器総合機構(MHLW/PMDA)(※)、米国食品医薬品局(FDA)(※)、欧州委員会/欧州医薬品庁(EC/EMA)(※)
○創設産業界メンバー(3):日本製薬工業協会(JPMA)(※)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)(※)、欧州製薬団体 連合会(EFPIA)(※)
○常任規制当局メンバー(2):ヘルスカナダ(※)、スイスメディック(※)
○規制当局メンバー(8):ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)(※)、中国国家医薬品監督管理局(NMPA)(※)、シンガポール保健科学庁(HSA)、韓国食品医薬品安全処(MFDS)(※)、台湾食品薬物管理署(TFDA)、トルコ医薬品医療 機器庁(TITCK)、サウジ食品医薬品庁(SFDA)、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)
○産業界メンバー(3):バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)(※)、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会(IGBA)(※)、世界セルフケア連盟(GSCF)
【オブザーバー(35団体)】
○常任オブザーバー(2):世界保健機関(WHO)、国際製薬団体連合会(IFPMA)
○規制当局オブザーバー(20):アルゼンチン医薬品食品医療技術管理局(ANMAT)、インド中央医薬品基準管理機構(CDSCO)、キューバ国家医薬品医療機器管理機関(CECMED)、イスラエル保健省医薬品・監督センター(CPED)、コロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA)、ヨルダン食品医薬品局(JFDA)、モルドバ医薬品医療機器庁(MMDA)、イラン国家規制当局(NRA)、マレーシア国家医薬品規制庁(NPRA)、南アフリカ医療製品規制当局(SAHPRA)、カザフスタン国家医薬品医療機器専門機関、ロシア連邦保健・社会発展監督局(Roszdravnadzor)、アルメニア医薬品医療技術専門科学センター(SCDMTE)、オーストラリア医療製品管理局(TGA)、レバノン公衆保健省(MOPH)、アゼルバイジャン保健省分析センター(AEC)、英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)、インドネシア共和国食品医薬品庁(BPOM)、ウクライナ保健省専門家センター(SEC MOH)、エジプト医薬品庁(EDA)
○地域調和イニシアティブ(6):東南アジア諸国連合(ASEAN)、アジア太平洋経済協力(APEC)、東アフリカ共同体
(EAC)、湾岸協力理事会(GCC)、汎アメリカ医薬品規制調和ネットワーク(PANDRH)、南部アフリカ開発共同体(SADC)
○業界団体オブザーバー(1):医薬品原薬委員会(APIC)
○医薬品関連国際団体(6):ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)、国際医学団体協議会(CIOMS)、欧州医薬品医療品質部門(EDQM)、国際医薬品添加物機関(IPEC)、医薬品査察協同スキーム(PIC/S)、米国薬局方(USP)
(参考2)IPRP
IPRP(International Pharmaceutical Regulators Programme、国際薬事規制当局プログラム)は、日本、米国、EU、 カナダ、スイス等、約30か国・地域の規制当局のみが参加した国際会議。規制当局間の協力や、規制情報に関する交換等を実施しています。年2回、ICHに併せて会合が開催されます。