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新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)
●更新箇所●
10-問11(1月26日)
令和4年1月26日時点版
1 風邪の症状がある方、感染が疑われる方、感染した方が職場復帰する場合への対応
問1 熱や咳がある方については、どうしたらよいのでしょうか。
問2 新型コロナウイルス感染症に感染した労働者が職場復帰する際にどのような点に留意すればよいでしょうか 。
2 感染防止に向けた柔軟な働き方(テレワーク、時差通勤、時差休憩)
問1 新型コロナウイルスの感染防止のため、自社の労働者にテレワークを導入したいと考えていますが、どこに相談したらよいのでしょうか。また、どのような点に留意が必要でしょうか。
問2 テレワークを導入する場合の費用負担はどのようにしたらよいでしょうか。
問3 新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、なるべく人混みを避けての通勤を考えています。時差通勤を導入するにはどうしたらよいのでしょうか。
問4 新型コロナウイルス感染防止の観点から、ランチタイムの混雑を避けるため、部署ごとに昼休みの時間をずらして、時間差で昼休みを取得させることを考えていますが、どのような手続が必要でしょうか。
3 雇用調整助成金の特例措置
問1 そもそも雇用調整助成金とはどのようなものでしょうか。
問2 今回の特例措置の趣旨・目的について教えてください。また、どのような特例があるのでしょうか。
問3 雇用調整助成金は、外国人の方を雇用する事業主も対象になりますか。
4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)
問1 新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
問2 労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合、休業手当はどのようにすべきですか。
問3 新型コロナウイルスへの感染が疑われる方について、休業手当の支払いは必要ですか。
問4 労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。
問5 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに心がければよいのでしょうか。
問6 新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合、どのようなことに注意すべきですか。
問7 新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合、労働基準法の休業手当の取扱はどうなるでしょうか。
問8 新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、休業手当の支払いが不要である場合について、労働者に対する賃金の支払いは不要でしょうか。
問9 新型コロナウイルスに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどのようになりますか。
問10 アルバイトやパートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者などの方についても、休業手当の支払いや年次有給休暇の付与等は必要でしょうか。
問11 新型コロナウイルスに関連して、労働者が安心して休めるよう、特別休暇制度を設けたいと考えています。制度を設けるに当たっての具体的な手続はどのようになりますか。
問12 タクシー事業者ですが、乗客が減少して苦境にあります。この状況を乗り切るため、雇用調整助成金をもらって運転者の雇用を維持するのではなく、運転者を一旦解雇して失業手当を受給してもらい、需要が見込めるようになったら再雇用することを考えています。
問13 新型コロナウイルス感染症で小学校、特別支援学校等の臨時休業に際して、企業にお勤めの方が子どもの世話をするために休暇を取得する場合、どのような支援があるのでしょうか。
問14 新型コロナウイルス感染症への対応として、企業にお勤めの方が対象家族の介護をするために休暇を取得した場合、どのような支援があるのでしょうか。
問15 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置により妊娠中の女性労働者が休業する場合、どのような支援があるのでしょうか。
問16 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、年次有給休暇など)は、外国人を雇用している場合でも適用されますか。
問17 問13の小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援は、外国人を雇用する事業主にも対象になりますか。
問18 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等から当該保育所への登園自粛の要請を受けたため、当面子どもを保育所に預けないこととなりました。
こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。
問19 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等からの登園自粛の要請は受けていないものの、感染防止のために自主的に子どもを保育所に預けないこととしました。
こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。
問20 自社に勤める労働者が新型コロナワクチンの接種を安心して受けられるよう、新型コロナワクチンの接種や接種後に発熱などの症状が出た場合のために、特別の休暇制度を設けたり、既存の病気休暇や失効年休積立制度を活用したりできるようにするほか、勤務時間中の中抜けを認め、その時間分終業時刻を後ろ倒しにすることや、ワクチン接種に要した時間も出勤したものとして取り扱うといった対応を考えています。どういった点に留意が必要でしょうか。
5 労働時間(変形労働時間制、36協定の特別条項など)
問1 新型コロナウイルス感染症の対策のため、イベントの中止や学校の休業、事業活動の閉鎖や縮小などの影響を受けて、労働時間が減少してしまうことや、休む従業員が増えたときに残りの従業員が多く働かないとならない事態が考えられます。その人達について、労働基準法の労働時間の上限を超えないようにするため、変形労働時間制を導入したり、変更したりするにはどうしたらよいでしょうか。
問2 36協定においては、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)には、限度時間(月 45 時間・年 360 時間)を超えることができるとされていますが、新型コロナウイルス感染症関連で、休む従業員が増えたときに残りの従業員が多く働くこととなった場合には、特別条項の対象となるのでしょうか。
問3 新型コロナウイルスの感染の防止や感染者の看護等のために労働者が働く場合、労働基準法第33条第1項の「災害その他避けることができない事由によって、臨時の必要がある場合」に該当するでしょうか。
新型コロナワクチンの接種の実施に関する業務についてはどうでしょうか。
6 安全衛生
問1 労働安全衛生法第68条に基づく病者の就業禁止の措置を講ずる必要はありますか。
問2 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、労働安全衛生法等に基づく健康診断の実施については、どのように対応すればよいでしょうか。
問3 健康診断実施機関の予約が取れない場合など、労働安全衛生法等に基づく健康診断ができない場合は、どのように対応すればよいでしょうか。
問4 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、労働安全衛生法に基づく安全委員会等の開催については、どのように対応すればよいでしょうか。
7 労災補償
問1 労働者が新型コロナウイルスに感染した場合、労災保険給付の対象となりますか。
問2 医師、看護師などの医療従事者や介護従事者が、新型コロナウイルスに感染した場合 の取扱いはどのようになりますか。
問3 医療従事者や介護従事者以外の労働者が、新型コロナウイルスに感染した場合の取扱 いはどのようになりますか。
問4 感染経路が判明しない場合、どのように判断するのですか。
問5 「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、具体的にどのようなケースを想定し ているのでしょうか。
問6 「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」として想定しているのは、どのような業務でしょうか。
問7 上記答4の(例1)、(例2)以外で示した業務以外の業務は、対象とならないのでしょうか。
問8PCR検査で陽性でしたが、医療機関への受診はなく、保健所の指示により、自宅(ホテル)において療養を行いました。当該療養期間について、医師からの証明がなくても休業補償給付の請求はできますか。
問9 労働者が新型コロナウイルスに感染したとして労災請求する場合、事業主として協力できることはありますか。
問10 労働者が新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合、労災保険給付の対象となりますか。
問11 「医療従事者等」や「高齢者施設等の従事者」とは、具体的にどのような方を想定しているのでしょうか。
問12 医療従事者が接種業務を行っている際、誤って注射の針を自分の手指等に刺してしまい(いわゆる針刺し事故)、それが原因で疾病を発症した場合、労災保険給付の対象となりますか。
8 軽症者等の宿泊療養を実施する宿泊施設等の運営者の方向け
問1 施設運営に携わる労働者の感染防止を図るため、施設の組織運営の観点から配慮すべき点を教えてください。
問2 施設運営に携わる労働者に対して、感染防止対策について指導を行う際に配慮すべき点を教えてください。
問3 施設運営に携わる労働者が風邪症状を呈した場合には、どのように対応したらよいでしょうか。
問4 施設運営に携わる労働者がPCR検査陽性となった場合に備えて、準備しておくことはありますか。
問5 施設運営に携わる労働者に対して、労働条件の面から配慮することはありますか。
9 労働者派遣
問1 (派遣先の方)新型コロナウイルス感染症の影響により事業が立ちゆかないので、労働者派遣契約を解除したいのですが、労働者派遣法上問題がありますか。
問2 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約を中途解除せざるをえない場合、派遣先は、労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる必要はありますか。
問3 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約の内容の変更等を行う場合に、派遣先は派遣会社から派遣料金や金銭補償を求められることになりますか。
問4 (派遣会社の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受けて事業を休止した派遣先から、労働者派遣契約の中途解除を申し込まれていますが、派遣会社としてどのような対応を行うべきでしょうか。
問5 (派遣先の方)労働者派遣契約を中途解除した場合に、派遣会社が休業手当支払いを行い、雇用調整助成金の支給を受ける場合でも、派遣先は労働者派遣法第29条の2に基づき、派遣会社に対して休業手当等の費用負担を行わなければならないですか。
問6 (派遣会社の方)労働者派遣契約の期間中に派遣先の事業所が休業したり、派遣契約を解除された場合には、派遣労働者を休業させ、休業手当を支払う予定です。派遣先が労働者派遣法第29条の2に基づき休業手当分の費用負担をした場合も、雇用調整助成金は利用できますか。
問7 (派遣会社の方)新型コロナウイルス感染症の感染防止等を踏まえ、派遣労働者についてもテレワークの実施を行うに当たり、労働者派遣法に関して留意すべきことはありますか。
10 その他(職場での嫌がらせ、採用内定取消し、解雇・雇止めなど)
問1 職場において、新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等が起きた場合には、どのように対応したらよいでしょうか。また、そのような事態を未然に防ぐために、どのようなことをすべきでしょうか。
問2 労働者の労働条件(労働契約の内容)を変更する場合はどのような対応が必要でしょうか。
問3 今春から就職が決まっている新卒内定者の内定を取り消したり、入社してすぐに休ませてもいいでしょうか。
問4 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、労働者の雇用調整を検討していますが、どのようなことに注意すべきですか。
問5 やむを得ず労働者への退職勧奨や解雇を検討していますが、どのような問題がありますか。
問6 やむを得ず有期契約労働者の雇止めを検討していますが、どのような問題がありますか。
問7 労働者を就業させる上で、労働者が新型コロナウイルス感染症に感染しているかどうか確認することはできますか。
問8 家族の介護をしている労働者がいるのですが、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
問9 職場で新型コロナウイルス感染症患者が発生した場合の保健所との連携に備え、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
問10 新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか。
問11 新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した労働者を、解雇、雇止めすることはできますか。
問12 新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を、人と接することのない業務に配置転換することはできますか。
問13 採用時に新型コロナウイルスワクチン接種を条件とすることはできますか。
1 風邪の症状がある方、感染が疑われる方、感染した方が職場復帰する場合への対応
<風邪の症状がある方等への対応>
問1 熱や咳がある方については、どうしたらよいのでしょうか。
発熱などの風邪の症状があるときは、会社を休んでいただくよう呼びかけております。休んでいただくことはご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。そのためには、企業、社会全体における理解が必要です。従業員の方々が休みやすい環境整備が大切ですので、ご協力いただきますようお願いします。
感染が疑われる方への対応は 「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)1.政府の方針問5「発熱や咳などの症状がある場合には、どうしたらよいですか。」」をご覧ください。
<感染者の職場復帰>
問2 新型コロナウイルス感染症に感染した労働者が職場復帰する際にどのような点に留意すればよいでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の回復経緯や心身の負担には個人差があることから、療養終了後に職場復帰する場合の対応に当たっては、業務によって症状を悪化させること等がないよう、主治医等の意見を踏まえた本人の申出に基づき、産業医や産業保健スタッフとも連携し、勤務時間の短縮やテレワークの活用など、労働者の負担軽減に配慮した無理のないものとすることが望ましいです。
長引く症状(いわゆる後遺症)については、令和3年6月16日に以下の様に3つの研究班から報告されており、詳細は参考からご確認頂けます。今後も引き続き研究を進め、新たに分かってきた情報については順次明らかにして参ります。
① 2020年9月~2021年5月にCOVID-19で入院した中等症以上の例において、退院3ヶ月後に肺CT画像上で何らかの画像所見があった者は353例中190例、肺機能検査の結果では肺拡散能(DLCO)が障害されやすい、自覚症状はとして筋力低下と息苦しさは明確に重症度に依存
② 2020年1月~2021年2月にCOVID-19PCR検査もしくは抗原検査陽性で入院した症例のうち、診断後6ヶ月経過した246例において症状が残っている人の割合は、疲労感・倦怠感21%、息苦しさ13%、睡眠障害・思考力や集中力低下11%、脱毛10%、筋力低下・頭痛・嗅覚味覚障害9%
③ 2021年2月~2021年5月に病院入院中、ホテル療養中の無症状・軽症・中等症のCOVID-19患者(20歳~59歳)の参加希望者において、1か月後までの改善率は嗅覚障害が60%、味覚障害が84%であり多くの味覚障害例は嗅覚障害に伴う風味障害の可能性が高い
(参考)厚生労働科学特別研究事業「 COVID-19後遺障害に関する実態調査(中間集計報告) 」等
2 感染防止に向けた柔軟な働き方(テレワーク、時差通勤、時差休憩)
<テレワーク>
問1 新型コロナウイルスの感染防止のため、自社の労働者にテレワークを導入したいと考えていますが、どこに相談したらよいのでしょうか。また、どのような点に留意が必要でしょうか。
厚生労働省では、テレワークに関連する情報を一元化した『テレワーク総合ポータルサイト』を設け、テレワークに関する相談窓口、企業の導入事例紹介などテレワークの導入・活用に向けた各種情報を掲載していますので、参考にしてください。
テレワーク総合ポータルサイト
テレワーク導入に当たってのご相談は、下記窓口で受け付けております。
(電話、来訪(事前予約)によるご相談については、いずれも9時~17時。土・日曜、国民の祝日を除く。)
<テレワーク相談センター(東京都所在以外企業等向け)>
TEL:0120-861009(自動音声に従い、2を押してください。)
Mail:sodan@japan-telework.or.jp
<東京テレワーク推進センター内テレワーク相談コーナー(東京都所在企業向け)>
TEL:0120-861009(自動音声に従い、1を押してください。)
Mail:suishin@japan-telework.or.jp
また、テレワーク時にも労働基準関係法令が適用されますが、労働者が通常の勤務と異なる環境で就業することになるため、労働時間管理などに留意いただく必要があります。厚生労働省で、留意点などについてまとめたガイドラインを作成していますのでご活用ください。
テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン
なお、令和3年度より、良質なテレワークを新規導入し、実施することにより、労働者の人材確保や雇用管理改善等の観点から効果をあげた中小企業事業主を支援する「人材確保等推進支援助成金(テレワークコース)」を創設し、4月1日より申請を受け付けています。テレワークの規則を加える等就業規則の作成・変更に係る費用につきましても、助成の対象となりますので、ぜひご利用ください。申請・お問い合わせ等につきましては、各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)にご連絡ください。
問2 テレワークを導入する場合の費用負担はどのようにしたらよいでしょうか。
テレワークに要する通信費、情報通信機器等の費用負担等、テレワークを行うことによって生じる費用については、労使のどちらが負担するか、あらかじめ労使で十分に話し合いましょう。トラブルを避けるためには、就業規則等において定めておくことが望まれます。
特に、労働者に情報通信機器、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合には、当該事項について就業規則に規定する必要があります(労働基準法第89条第5号)。
(参考)
テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン
<時差通勤>
問3 新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、なるべく人混みを避けての通勤を考えています。時差通勤を導入するにはどうしたらよいのでしょうか。
労働者及び使用者は、その合意により、始業、終業の時刻を変更することができますので、時差通勤の内容について、労使で十分な協議をしていただきたいと思います。
また、始業、終業の時刻を労働者の決定に委ねる制度として、フレックスタイム制があります。この制度は、1日の労働時間帯を、必ず勤務すべき時間帯(コアタイム)と、その時間帯の中であればいつ出社または退社してもよい時間帯(フレキシブルタイム)とに分けるものです。なお、コアタイムは必ず設けなければならないものではありませんので、全部をフレキシブルタイムとすることもできます。フレックスタイム制の詳細や導入の手続きに際しては、以下のURLをご覧ください。
フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き
<昼休みの時差取得>
問4 新型コロナウイルス感染防止の観点から、ランチタイムの混雑を避けるため、部署ごとに昼休みの時間をずらして、時間差で昼休みを取得させることを考えていますが、どのような手続が必要でしょうか。
新型コロナウイルスの感染リスクとして、職場においては、特に「居場所の切り替わり」(休憩室、更衣室、喫煙室など)に注意が必要とされています。こうした観点から、昼休みの時間を分散させることにより、ランチタイムにエレベーターや食堂に人が集中することなどを抑制することは、新型コロナウイルスの感染防止対策として有効と考えられます。 労働基準法では、休憩時間は労働者に一斉に与えなければならないこととされており、昼休みを時差取得とする場合には、労使協定を締結して、①対象者の範囲、②新たな昼休みの時間の2点を、取り決めていただくこととなります。また、その際は、労働者の意向などもよく確認いただきながら、職場の実情に応じて取り決めていただくことが重要です。
※ 労使協定は、過半数労働組合又は過半数代表者と書面で締結する必要があります。
※ 以下の業種については、一斉休憩の規定は適用されていません。 ①運輸交通業 ②商業 ③金融・広告業 ④映画・演劇業 ⑤通信業 ⑥保健衛生業 ⑦接客娯楽業 ⑧官公署(現業部門を除く)
※ 常時10人以上の労働者を使用する事業場の場合、就業規則の変更手続も必要です。
3 雇用調整助成金の特例措置
<雇用調整助成金について>
問1 そもそも雇用調整助成金とはどのようなものでしょうか。
景気の後退等、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向(以下、「休業等」といいます。)を行い、労働者の雇用を維持した場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。
詳細は、 こちらを参照してください。
<特例措置の趣旨・目的>
問2 今回の特例措置の趣旨・目的について教えてください。また、どのような特例があるのでしょうか。
今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、事業活動が急激に縮小する事業所が生じています。
また、新型コロナウイルス感染症による影響が広範囲にわたり、長期化することが懸念されます。このため、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主を対象に、雇用調整助成金の支給要件を緩和する特例措置を設けました。このことにより、通常よりも幅広く、労働者の雇用の維持を行った事業主が、この助成金を受給できるようにしています。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例は以下のとおり実施しています。
① 令和2年1月24日以降の休業等計画届の提出を可能とします。
② 生産指標の確認期間を3か月から1か月に短縮します。
③ 令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。
④ 最近3か月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象とします。
詳細は、 こちらを参照してください。
<外国人を雇用する事業主について>
問3 雇用調整助成金は、外国人の方を雇用する事業主も対象になりますか。
支給要件を満たす事業主であれば、雇用保険被保険者である従業員の国籍は問いません。
4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)
<休業させる場合の留意点>
問1 新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、休業期間中の賃金の取り扱いについては、労使で十分に話し合っていただき、労使が協力して、労働者が安心し休むことができる体制を整えていただくようお願いします。
休業期間中の賃金の支払いの必要性の有無などについては、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案するべきですが、労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
また、労働基準法においては、平均賃金の100分の60までを支払うことが義務付けられていますが、労働者がより安心して休むことができるよう、就業規則等により各企業において、100分の60を超えて(例えば100分の100)を支払うことを定めていただくことが望ましいものです。なお、休業手当を支払った場合、支給要件に合致すれば、雇用調整助成金の支給対象になります。
※不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。ここでいう不可抗力とは、①その原因が事業の外部より発生した事故であること、②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。例えば、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分検討するなど休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合があり、休業手当の支払が必要となることがあります。
<感染した方を休業させる場合>
問2 労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合、休業手当はどのようにすべきですか。
新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。
なお、被用者保険に加入されている方であれば、要件を満たせば、各保険者から傷病手当金が支給されます。
具体的には、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2について、傷病手当金により補償されます。
具体的な申請手続き等の詳細については、加入する保険者に確認ください。
<感染が疑われる方を休業させる場合>
問3 新型コロナウイルスへの感染が疑われる方について、休業手当の支払いは必要ですか。
感染が疑われる方への対応は「 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)1.政府の方針問5「発熱や咳などの症状がある場合には、どうしたらよいですか。」」をご覧ください。
これに基づき、「受診・相談センター」でのご相談の結果を踏まえても、職務の継続が可能である方について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
<発熱などがある方の自主休業>
問4 労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。
会社を休んでいただくよう呼びかけをさせていただいているところですが、新型コロナウイルスかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休まれる場合は、通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制度を活用することなどが考えられます。
一方、例えば発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいただく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
<事業の休止に伴う休業>
問5 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに心がければよいのでしょうか。
今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止などを余儀なくされた場合において、労働者を休業させるときには、労使がよく話し合って労働者の不利益を回避するように努力することが大切です。
また、労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。休業手当の支払いについて、不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の支払義務はありません。
具体的には、例えば、海外の取引先が新型コロナウイルス感染症を受け事業を休止したことに伴う事業の休止である場合には、当該取引先への依存の程度、他の代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、判断する必要があると考えられます。
<新型インフルエンザ等対策特別措置法適用下で、協力依頼や要請などを受けた営業の自粛に伴う休業>
問6 新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合、どのようなことに注意すべきですか。
新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合であっても、労使がよく話し合って、休業中の手当の水準、休業日や休業時間の設定等について、労働者の不利益を回避する努力をお願いします。
また、労働基準法上の休業手当の要否にかかわらず、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対しては、雇用調整助成金が、事業主が支払った休業手当の額に応じて支払われます。
問7 新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合、労働基準法の休業手当の取扱はどうなるでしょうか。
新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合であっても、労使がよく話し合って、休業中の手当の水準、休業日や休業時間の設定等について、労働者の不利益を回避する努力をお願いします。
また、労働基準法上の休業手当の要否にかかわらず、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対しては、雇用調整助成金が、事業主が支払った休業手当の額に応じて支払われます。
なお、新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合であっても、一律に労働基準法に基づく休業手当の支払義務がなくなるものではありません。
労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の支払義務はありませんが、不可抗力による休業と言えるためには、
①その原因が事業の外部より発生した事故であること
②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること
という要素をいずれも満たす必要があります。
①に該当するものとしては、例えば、今回の新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく対応が取られる中で、営業を自粛するよう協力依頼や要請などを受けた場合のように、事業の外部において発生した、事業運営を困難にする要因が挙げられます。
②に該当するには、使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くしていると言える必要があります。具体的な努力を尽くしたと言えるか否かは、例えば、
・自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分に検討しているか
・労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないか
といった事情から判断されます。
(疑問点等があれば、お近くの労働局及び労働基準監督署( https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/index.html)に御相談ください。)
<休業手当の支払いが不要な場合の賃金>
問8 新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、休業手当の支払いが不要である場合について、労働者に対する賃金の支払いは不要でしょうか。
そもそも、事業主は、その雇用する労働者のうち、特に配慮を必要とする方について、その事情を考慮して対策を行う等して労働条件の改善に努めなければならないものであり、これは新型コロナウイルス感染症に関連して労働者に休んでいただく場合も同様です。
そのため、新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、労働基準法の休業手当の支払いが不要である場合についても、労使の話し合いのうえ、就業規則等により休業させたことに対する手当を支払うことを定めていただくことが望ましいものです。
なお、このような労使の話し合いによって、事業場で有給の特別休暇制度を設ける場合の手続については、問11「特別休暇の導入の手続」をご覧ください。
また、一般的には、現状において、新型コロナウイルス感染症の拡大防止が強く求められる中で、事業主が自主的に休業し、労働者を休業させる場合については、経済上の理由により事業の縮小を余儀なくされたものとして、雇用調整助成金の助成対象となり得ます。
<年次有給休暇と病気休暇の取り扱い>
問9 新型コロナウイルスに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどのようになりますか。
年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇により対応する場合は、事業場の就業規則などの規定に照らし適切に取り扱ってください。
なお、使用者は、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないことにご留意ください。
<アルバイト・パートタイム労働者等への適用について>
問10 アルバイトやパートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者などの方についても、休業手当の支払いや年次有給休暇の付与等は必要でしょうか。
労働基準法上の労働者であれば、アルバイトやパートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者など、多様な働き方で働く方も含めて、休業手当の支払いや年次有給休暇付与が必要です。
労使で十分に話し合い、労働者が安心して休むことができる体制を整えていただくようお願いします。
なお、法定外の休暇制度や手当を設ける場合、非正規雇用であることのみを理由に、一律に対象から除外することは、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を目指して改正されたパートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の規定(※)に違反する可能性があります。
※大企業と派遣会社は令和2年4月、中小企業は令和3年4月からの施行となっています。
<特別休暇の導入の手続>
問11 新型コロナウイルスに関連して、労働者が安心して休めるよう、有給の特別休暇制度を設けたいと考えています。制度を設けるに当たっての具体的な手続はどのようになりますか。
労使の話し合いによって、事業場で有給の特別休暇制度を設けることができます。 その場合には、労働者が安心して休めるよう、就業規則に定めるなどにより、労働者に周知していただくことが重要です。
就業規則の定め方など、導入に当たっての具体的なご相談は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)の「働き方・休み方改善コンサルタント」が受け付けております。
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
問12 タクシー事業者ですが、乗客が減少して苦境にあります。この状況を乗り切るため、雇用調整助成金をもらって運転者の雇用を維持するのではなく、運転者を一旦解雇して失業手当を受給してもらい、需要が見込めるようになったら再雇用することを考えています。
タクシーは、日々の暮らしや経済活動に欠かすことができない公共交通機関であり、運転者の雇用を守ることは大変重要です。そのため、支援措置を活用し、タクシー事業の継続と運転者の雇用の維持に万全を尽くしていただくようお願いします。
<解雇について>
〇雇用の維持は社会的にも極めて重要であり、政府としては、需要の急減による経営不振等の場合であっても、事業主の雇用継続のための努力を全力で支える方針です。
〇司法でも、解雇が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇は無効になるとの考えで一貫しています。
〇やむを得ず解雇をする場合であっても、原則として、少なくとも30日前に解雇の予告をするか、解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払うことが必要です。
<雇用を維持した場合の事業者の負担>
〇雇用を維持して労働者を休業させた場合、事業者は運転者に対して休業手当(休業前3か月の平均賃金×60%以上)を支払う必要があります。
<事業者が受けられる支援>
〇こうした事業者の負担への支援として、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者が、休業させた運転者に支払った休業手当については、雇用調整助成金をご活用いただけます。
※ 雇用調整助成金の詳細については、 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.htmlをご覧ください。
なお、助成額は、前年度に雇用していた全ての雇用保険被保険者の賃金総額(歩合制賃金も含む)を基に算定するため、直近の賃金額の減少は助成額に影響しにくい仕組みです。また、助成にあたって、1勤務が2暦日にまたがる「隔日勤務」等の勤務形態における休業であっても、2日分の休業手当を支払っていれば、休業は2日分として取扱われるため、特殊な勤務形態を採るタクシー会社であっても不利に取り扱われることはありません。
〇加えて、事業者が売上げ減少の中で休業手当を支払うために手元資金を十分にするため、資金繰り対策として、中小・小規模事業者等であれば、金融機関から実質無利子・無担保、元本返済も最大5年据置きの融資(3000万円まで)が受けられます。また、政府は金融機関に既存債務の条件変更を働きかけています。
さらには、売上が大幅に減少(前年同月比50%以上減少)した中小・小規模事業者等に対して、事業の継続を下支えし、再起の糧としていただくため、最大200万円の持続化給付金が給付されます(5月8日から入金開始)(※)。
※ 持続化給付金の詳細については、https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.htmlをご覧ください。
<従業員が受けられる手当>
〇雇用を維持して休業の場合:休業手当(「休業前3か月の平均賃金」を基礎として算定)
解雇の場合:雇用保険の基本手当(「離職前6か月の平均賃金」を基礎として算定)
(例)平均月収30万円の60歳の運転者の直近2カ月の月収が漸減(25万円、20万円)したと仮定した場合
・休業手当:休業前3か月の平均賃金(25万円) × 60%以上
・雇用保険の基本手当:離職前6か月の平均賃金(27.5万円) × 約53%※
※給付率は、離職前平均賃金額、年齢に応じて50~80%で変化します。
詳細は、 雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和2 年3 月1 日から~をご覧ください。
〇このように、手当の額は、足下の業績悪化の賃金への影響の程度や個々の運転者の年齢や収入等によるため、どちらの手当の方が多くもらえるかは一概には言えません。
〇また、雇用保険の基本手当は、再就職活動を支援するための給付です。再雇用を前提としており従業員に再就職活動の意思がない場合には、支給されません。
<解雇された従業員に生じるデメリット>
〇社員でなくなることから、国民健康保険・国民年金加入に伴う届出等の手続上の負担、将来受給できるはずであった報酬比例部分の年金額の減少などが生じます。
〇その他、退職後にケガや病気にかかった場合等には、再就職に向けた求職活動などの際に支障となるリスクも懸念されます。
<小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援>
問13 新型コロナウイルス感染症で小学校、特別支援学校等の臨時休業に際して、企業にお勤めの方が子どもの世話をするために休暇を取得する場合、どのような支援があるのでしょうか。
臨時休業した小学校や特別支援学校、幼稚園、保育所、認定こども園などに通う子どもを世話するために、令和3年8月1日~令和3年12月31日の間に労働者(正規・非正規を問わず)に有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対し、休暇中に支払った賃金全額(1日13,500円(申請の対象期間中(※)に緊急事態宣言の対象区域又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域(原則都道府県単位)に事業所のある企業については15,000円)が上限)を助成します。
※事業主の方から申請いただいた休暇日の最初の日から最後の日までの間(申請対象の労働者が複数いる場合は、休暇の開始が最も早い労働者の開始日から、終了が最も遅い労働者の終了日までの間)
詳細はこちら→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html
<介護施設等の臨時休業等に伴う労働者の休暇取得支援>
問14 新型コロナウイルス感染症への対応として、企業にお勤めの方が対象家族の介護をするために休暇を取得した場合、どのような支援があるのでしょうか。
介護サービスを利用していた家族又は利用しようとしていた家族が新型コロナウイルス感染症の影響により介護サービスを利用できなくなったこと等への対応として、労働者が当該家族を介護するための有給休暇を設け、仕事と介護の両立支援制度の内容を含めて社内に周知し、当該休暇を合計5日(所定労働日ベース)以上労働者に取得させた中小企業事業主を助成します。
詳細はこちら→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html
<新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援>
問15 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置により妊娠中の女性労働者が休業する場合、どのような支援があるのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師等の指導により休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年次有給休暇を除き、年次有給休暇について支払われる賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る。)を整備し、当該有給休暇制度と新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容を労働者に周知した上で、当該女性労働者に対して、実際に当該休暇を取得させた事業主に対する助成制度があります。
詳細はこちら→ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11686.html
<外国人の労働者に対する労働基準法の適用>
問16 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、年次有給休暇など)は、外国人を雇用している場合でも適用されますか。
労働基準法の適用があるか否かに、外国人であるかは関係ありません。外国人の方であっても、労働基準法の労働者に当たる場合は、一定の要件を満たす場合には、労働基準法における休業手当の支払いを行っていただくとともに、労働者が年次有給休暇を請求した場合においては、原則として、労働者が請求する時季に与えなければならないものです。
なお、使用者においては、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないことにご留意ください。
<外国人労働者に対する適用>
問17 問13の小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援は、外国人を雇用する事業主にも対象になりますか。
事業主に雇用される労働者であれば外国人についても適用されます。
<保育所への登園自粛を要請された場合の育児休業の延長>
問18 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等から当該保育所への登園自粛の要請を受けたため、当面子どもを保育所に預けないこととなりました。こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。
<子どもが1歳までの場合>
現在育児休業中の労働者から申出があった場合、事由を問わず育児休業の終了予定日の繰下げ変更(最長1歳まで(※1))を認める必要があります(※2、3)。法令上は繰下げ変更は1回までとされていますが、2回以上の変更を認めることは差し支えありませんので、労働者の事情も考慮し労使でよく話し合っていただくことが望まれます。なお、繰下げ変更後の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。
また、育児休業から一度復帰している方から再度の休業の申出があった場合も、休業(最長1歳まで(※1))を認める必要があります。なお、再度の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。
(※1)両親がともに育児休業をする場合、一定の要件を満たせば最長1歳2か月まで(パパ・ママ育休プラス)
(※2)1歳から1歳6か月までの休業、1歳6か月から2歳までの休業それぞれについても同様に繰り下げ変更を認める必要。
(※3)繰下げ変更の申出は1か月前となっているが、申出が直前になった場合でも、繰下げ変更を認めることは可能。
<子どもが1歳又は1歳6か月になるときの場合>
子どもが1歳又は1歳6か月になるときに、引き続き育児休業をしたい旨労働者から申出があった場合、育児休業(1歳からの休業は最長1歳6か月まで又は1歳6か月からの休業は最長2歳まで)を認める必要があります。なお、引き続き休業した期間についても育児休業給付金は支払われます。
このほか、労使の話し合いにより、例えば子どもが2歳以上の場合などについても独自に休業を認めることは差し支えありません。なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。
労働者の雇用が継続されるよう、柔軟なご対応をお願い致します。
(参考)育児・介護休業法に基づく育児休業の要件
○育児休業をすることができるのは、原則として子が1歳に達する日までです。
○子が1歳に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳に達する日の翌日から1歳6か月に達する日までの期間について、育児休業をすることができます。
①子が1歳に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
②保育所に入所できない等、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合
○さらに、子が1歳6か月に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳6か月に達する日の翌日から子が2歳に達する日まで育児休業をすることができます。
①子が1歳6か月に達する日において、労働者又は配偶者が育児休業をしている場合
②保育所に入所できない等、1歳6か月を超えても休業が特に必要と認められる場合
<自主的に保育所への登園を自粛した場合の育児休業の延長>
問19 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等からの登園自粛の要請は受けていないものの、感染防止のために自主的に子どもを保育所に預けないこととしました。
こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。
<子どもが1歳までの場合>
現在育児休業中の労働者から申出があった場合、事由を問わず育児休業の終了予定日の繰下げ変更(最長1歳まで(※1))を認める必要があります(※2、3)。法令上は繰下げ変更は1回までとされていますが、2回以上の変更を認めることは差し支えありませんので、労働者の事情も考慮し労使でよく話し合っていただくことが望まれます。なお、繰下げ変更後の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。
また、育児休業から一度復帰している方から再度の休業の申出があった場合には、再度の休業を認める必要はありませんが、各企業において独自に再度の休業を認めることは差し支えありません。なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。
(※1)両親がともに育児休業をする場合、一定の要件を満たせば最長1歳2か月まで(パパ・ママ育休プラス)
(※2)1歳から1歳6か月までの休業、1歳6か月から2歳までの休業それぞれについても同様に繰り下げ変更を認める必要。
(※3)繰下げ変更の申出は1か月前となっているが、申出が直前になった場合でも、繰下げ変更を認めることは可能。
<子どもが1歳又は1歳6か月になるときの場合>
子どもが1歳又は1歳6か月になるときに、引き続き育児休業をしたい旨労働者から申出があった場合、申出を認める必要はありませんが、各企業において独自に休業を認めることは差し支えありません。なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。
このほか、労使の話し合いにより、例えば子どもが2歳以上の場合などについても独自に休業を認めることは差し支えありません。なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。
労働者の雇用が継続されるよう、柔軟なご対応をお願い致します。
(参考)育児・介護休業法に基づく育児休業の要件
○育児休業をすることができるのは、原則として子が1歳に達する日までです。
○子が1歳に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳に達する日の翌日から1歳6か月に達する日までの期間について、育児休業をすることができます。
①子が1歳に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
②保育所に入所できない等、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合
○さらに、子が1歳6か月に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳6か月に達する日の翌日から子が2歳に達する日まで育児休業をすることができます。
①子が1歳6か月に達する日において、労働者又は配偶者が育児休業をしている場合
②保育所に入所できない等、1歳6か月を超えても休業が特に必要と認められる場合
<ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱い>
問20 自社に勤める労働者が新型コロナワクチンの接種を安心して受けられるよう、新型コロナワクチンの接種や接種後に発熱などの症状が出た場合のために、特別の休暇制度を設けたり、既存の病気休暇や失効年休積立制度を活用したりできるようにするほか、勤務時間中の中抜けを認め、その時間分終業時刻を後ろ倒しにすることや、ワクチン接種に要した時間も出勤したものとして取り扱うといった対応を考えています。どういった点に留意が必要でしょうか。
職場における感染防止対策の観点からも、労働者の方が安心して新型コロナワクチンの接種を受けられるよう、ワクチンの接種や、接種後に労働者が体調を崩した場合などに活用できる休暇制度等を設けていただくなどの対応は望ましいものです。
また、①ワクチン接種や、接種後に副反応が発生した場合の療養などの場面に活用できる休暇制度を新設することや、既存の病気休暇や失効年休積立制度(失効した年次有給休暇を積み立てて、病気で療養する場合等に使えるようにする制度)等をこれらの場面にも活用できるよう見直すこと、②特段のペナルティなく労働者の中抜け(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認め、その分終業時刻の繰り下げを行うことなど)や出勤みなし(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認めた上で、その時間は通常どおり労働したものとして取り扱うこと)を認めることなどは、労働者が任意に利用できるものである限り、ワクチン接種を受けやすい環境の整備に適うものであり、一般的には、労働者にとって不利益なものではなく、合理的であると考えられることから、就業規則の変更を伴う場合であっても、変更後の就業規則を周知することで効力が発生するものと考えられます(※)。
こうした対応に当たっては、新型コロナワクチンの接種を希望する労働者にとって活用しやすいものになるよう、労働者の希望や意向も踏まえて御検討いただくことが重要です。
※ 常時10人以上の労働者を使用する事業場の場合、就業規則の変更手続も必要です。
5 労働時間(変形労働時間制、36協定の特別条項など)
<変形労働時間制の導入や変更>
問1 新型コロナウイルス感染症の対策のため、イベントの中止や学校の休業、事業活動の閉鎖や縮小などの影響を受けて、労働時間が減少してしまうことや、休む従業員が増えたときに残りの従業員が多く働かないとならない事態が考えられます。その人達について、労働基準法の労働時間の上限を超えないようにするため、変形労働時間制を導入したり、変更したりするにはどうしたらよいでしょうか。
労働基準法第32条の4においては、労使協定において、1年以内の変形期間を平均して1週間あたりの労働時間が40時間を超えない範囲内で、1週に1回の休日が確保される等の条件を満たした上で、労働日及び労働時間を具体的に特定した場合、特定の週及び日に1日8時間・1週40時間の法定労働時間を超えて労働させることができるとされています。
今般の新型コロナウイルス感染症に関連して、人手不足のために労働時間が長くなる場合や、事業活動を縮小したために労働時間が短くなる場合については、1年単位の変形労働時間制を導入することが考えられます。
また、今回の新型コロナウイルス感染症対策により、1年単位の変形労働時間制を既に採用している事業場において、当初の予定どおりに1年単位の変形労働時間制を実施することが困難となる場合も想定されます。
1年単位の変形労働時間制は、対象期間中の業務の繁閑に計画的に対応するために対象期間を単位として適用されるものであるので、労使の合意によって対象期間の途中でその適用を中止することはできないと解されています。
しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症への対策による影響にかんがみれば、当初の予定どおりに1年単位の変形労働時間制を実施することが企業の経営上著しく不適当と認められる場合には、特例的に労使でよく話し合った上で、1年単位の変形労働時間制の労使協定について、労使で合意解約をしたり、あるいは協定中の破棄条項に従って解約し、改めて協定し直すことも可能と考えられます。
ただし、この場合であっても、解約までの期間を平均し、1週40時間を超えて労働させた時間について割増賃金を支払うなど協定の解約が労働者にとって不利になることのないよう留意が必要です。
1年単位の変形労働時間制の詳細については、 こちらをご覧下さい。
<36協定の特別条項>
問2 36協定においては、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)には、限度時間(月 45 時間・年 360 時間)を超えることができるとされていますが、新型コロナウイルス感染症関連で、休む従業員が増えたときに残りの従業員が多く働くこととなった場合には、特別条項の対象となるのでしょうか。
告示においては、特別条項の運用について、「当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に定めなければならず、「業務の都合上必要な場合」、「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを定めることは認められないことに留意しなければならない。」としているところです。
一方で、今般のコロナウイルス感染症の状況については、36協定の締結当時には想定し得ないものであると考えられるため、例えば、36協定の「臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合」に、繁忙の理由がコロナウイルス感染症とするものであることが、明記されていなくとも、一般的には、特別条項の理由として認められるものです。
なお、現在、特別条項を締結していない事業場においても、法定の手続を踏まえて労使の合意を行うことにより、特別条項付きの36協定を締結することが可能です。
36協定の締結の方法等については、こちらをご覧下さい。
時間外労働の上限規制が大企業:2019年4⽉から 中⼩企業:2020年4⽉から導入されます。
また、36協定等作成支援ツールを使えば、労働基準監督署に届出が可能な書面を作成することができます。
https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/support.html
<労働基準法第33条の適用>
問3 新型コロナウイルスの感染の防止や感染者の看護等のために労働者が働く場合、労働基準法第33条第1項の「災害その他避けることができない事由によって、臨時の必要がある場合」に該当するでしょうか。
新型コロナワクチンの接種の実施に関する業務についてはどうでしょうか。
ご質問については、新型コロナウイルスに関連した感染症への対策状況、当該労働の緊急性・必要性などを勘案して個別具体的に判断することになりますが、今回の新型コロナウイルスが指定感染症に定められており、一般に急病への対応は、人命・公益の保護の観点から急務と考えられるので、労働基準法第33条第1項の要件に該当し得るものと考えられます。
また、例えば、新型コロナウイルスの感染・蔓延を防ぐために必要なマスクや消毒液、治療に必要な医薬品等を緊急に増産する業務についても、原則として同項の要件に該当するものと考えられます。
新型コロナワクチンの接種の実施に関する業務についても、ワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症の発症を予防し、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすために実施されるものであるところ、接種会場などが設けられ、迅速かつ大規模に接種が実施されるような状況下においては、原則として同項の要件に該当するものと考えられます。
ただし、労働基準法第33条第1項に基づく時間外・休日労働はあくまで必要な限度の範囲内に限り認められるものですので、 過重労働による健康障害を防止するため、実際の時間外労働時間を 月45時間以内にするなどしていただくことが重要です。また、やむを得ず月に80時間を超える時間外・休日労働を行わせたことにより 疲労の蓄積の認められる労働者に対しては、医師による面接指導などを実施し、適切な事後措置を講じる必要があります。
(参考)
●労働時間・休日の原則及び時間外・休日労働の上限規制
労働基準法第32条に定められた1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて労働させる場合や、労働基準法第35条により毎週少なくとも1日又は4週間を通じ4日以上与えることとされている休日(法定休日)に労働させる場合は、労使協定(いわゆる36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出ていただくことが必要です。
36協定を結んだ場合でも、時間外労働の上限は、原則として月45時間、年360時間です(法定休日労働は含みません。)。臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合には、この上限を超えることもできます(特別条項)が、その場合でも、
・時間外労働:年720時間以内
・時間外労働+法定休日労働:月100時間未満、2~6か月平均80時間以内
・時間外労働が45時間を超える月:年6か月が限度
とする必要があります。
※医業に従事する医師については、現在、上記の上限規制は適用除外とされていますが、36協定の締結に当たっ ては、労使当事者は、限度時間(月45時間、年360時間)を勘案することが望ましいものです。
●労働基準法第33条について
災害その他避けることができない事由によって、臨時の必要がある場合には、36協定を締結することなく、法定労働時間を延長して、又は法定の休日に働かせることができます(労働基準法第33条)。この時間については、上記の時間外、休日労働の上限規制の対象となりません。
労基法第33条に基づき時間外や休日に労働者に労働させる場合、労働基準監督署長の許可が必要ですが、事態急迫のため許可を受ける暇がない場合は、事後に遅滞なく届け出なければなりません。
なお、労基法第33条第1項は、災害、緊急、不可抗力その他客観的に避けることのできない場合の規定ですので、厳格に運用すべきものです。
また時間外労働・休日労働や深夜労働についての割増賃金の支払は必要です。 労基法33条の許可申請や届出の手続等をはじめ、ご不明な点がある場合は、最寄りの労働基準監督署にお問い合わせください。
6 安全衛生
<就業禁止の措置>
問1 労働安全衛生法第68条に基づく病者の就業禁止の措置を講ずる必要はありますか。
2月1日付けで、新型コロナウイルス感染症が指定感染症として定められたことにより、労働者が新型コロナウイルスに感染していることが確認された場合は、感染症法に基づき、都道府県知事が該当する労働者に対して就業制限や入院の勧告等を行うことができることとなります。
使用者におかれましても、感染症法に基づき都道府県知事より入院の勧告を受けた労働者については、入院により就業できないことをご理解いただくとともに、都道府県知事により就業制限がかけられた労働者については、会社に就業させないようにしてください。
また、発熱等の風邪症状がみられる労働者については休みやすい環境の整備にご協力をお願いします。
なお、感染症法により就業制限を行う場合は、感染症法によることとして、労働安全衛生法第68条に基づく病者の就業禁止の措置の対象とはしません。
<健康診断の実施>
問2 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、労働安全衛生法等に基づく健康診断の実施については、どのように対応すればよいでしょうか。
労働安全衛生法等に基づく健康診断については、いわゆる“三つの密”を避け、十分な感染防止対策を講じた健康診断実施機関において、実施してください。
なお、健康診断実施に当たり、労働者が新型コロナウイルス感染症を気にして受診を控えようとしている場合は、健康診断の会場では換気や消毒を行うなど感染防止対策に努めていることを説明するとともに、受診を促してください。
(参考) 「 健康診断実施時における新型コロナウイルス感染症対策について」(公益社団法人全国労働衛生団体連合会等)
※ 内閣官房HP(https://corona.go.jp/)の業種ごとの感染拡大予防ガイドライン一覧にも掲載されております。
(参考) 定期的に健診・検診を受けましょう(厚生労働省)
( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu/index.html)
(参考) 新型コロナウイルス対策を踏まえた適切な医療機関の受診(上手な医療のかかり方)について(厚生労働省)( https://kakarikata.mhlw.go.jp/corona/index.html)
<健康診断の実施>
問3 健康診断実施機関の予約が取れない場合など、労働安全衛生法等に基づく健康診断ができない場合は、どのように対応すればよいでしょうか。
事業者は、労働者が業務によって健康障害を発症したり、疾病を増悪させることを防ぐために、健康診断によって労働者の健康状態を的確に把握し、その結果等を踏まえて、労働者の健康管理を適切に行う必要があります。労働安全衛生法等では、1年以内ごとに1回(一般定期健康診断の場合。健康診断の種別に応じて、それぞれ実施周期が定められています。)、これら健康診断等を行うことを事業者に義務付けていて、実施義務が免除されるものではありません。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響等によって健康診断実施機関等の予約が取れない場合など、やむを得ず法定の期日までに健康診断を実施することが困難な場合も考えられるところです。そのような場合には、健康診断実施機関と協議の上、できるだけ早期に健康診断を実施できるよう実施計画を立て、計画に基づいて実施する必要があります。
なお、実施計画を立てるに当たっては、昨年度以降の健康診断実施状況を確認の上、確実に実施できる計画を立てるとともに、上記問2にあるような感染拡大防止対策にも配慮してください。
<安全委員会等の開催>
問4 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、労働安全衛生法に基づく安全委員会等の開催については、どのように対応すればよいでしょうか。
安全委員会等については、法令に基づき毎月1回以上開催する必要がありますので、いわゆる“三つの密”を避け、十分な感染防止対策を講じた上で開催してください。安全委員会等を開催するに際しては、事業場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた対応等についても議題に含めるなど、積極的な調査審議に努めていただきますようお願いいたします。
7 労災補償
問1 労働者が新型コロナウイルスに感染した場合、労災保険給付の対象となりますか。
業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
また、新型コロナウイルス感染症による症状が持続し(罹患後症状があり)、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。
請求の手続等については、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。
(職場で新型コロナウイルスに感染した方へ(リーフレット))
(外国語リーフレット)
英語、 韓国語、 中国語、 スペイン語、 ポルトガル語、 タイ語、 ミャンマー語、
タガログ語、 インドネシア語、 ペルシャ語、 ベトナム語、 ネパール語、 カンボジア語
(参考1) 新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等
(参考2) 新型コロナウイルス感染症に関する労災請求・決定件数(月別)
(参考3) 新型コロナウイルス感染症に係る労災認定事例
(参考4) 新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて(通達)
問2 医師、看護師などの医療従事者や介護従事者が、新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか。
患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となります。
問3 医療従事者や介護従事者以外の労働者が、新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか。
新型コロナウイルス感染症についても、他の疾病と同様、個別の事案ごとに業務の実情を調査の上、業務との関連性(業務起因性)が認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
感染経路が判明し、感染が業務によるものである場合については、労災保険給付の対象となります。
感染経路が判明しない場合であっても、労働基準監督署において、個別の事案ごとに調査し、労災保険給付の対象となるか否かを判断することとなります。
問4 感染経路が判明しない場合、どのように判断するのですか。
感染経路が判明しない場合であっても、感染リスクが高いと考えられる次のような業務に従事していた場合は、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。
(例1)複数の感染者が確認された労働環境下での業務
(例2)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務
問5 「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、具体的にどのようなケースを想定しているのでしょうか。
請求人を含め、2人以上の感染が確認された場合をいい、請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか、例えば、施設利用者が感染している場合等を想定しています。
なお、同一事業場内で、複数の労働者の感染があっても、お互いに近接や接触の機会がなく、業務での関係もないような場合は、これに当たらないと考えられます。
問6 「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」として想定しているのは、どのような業務でしょうか。
小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等を想定しています。
問7 上記答4の(例1)、(例2)以外で示した業務以外の業務は、対象とならないのでしょうか。
他の業務でも、感染リスクが高いと考えられる労働環境下の業務に従事していた場合には、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。
問8 PCR検査で陽性でしたが、医療機関への受診はなく、保健所の指示により、自宅(ホテル)において療養を行いました。当該療養期間について、医師からの証明がなくても休業補償給付の請求はできますか。
当該療養期間について、発症から一度も医療期間を受診していない場合やPCR検査を実施したのみで診察を受けていないとの理由により、医師からの証明が得られない場合には、保健所から発行される「宿泊・自宅療養証明書」、「就業制限通知書」、「就業制限解除通知書」を休業補償給付請求書に添付した上、請求してください。
問9 労働者が新型コロナウイルスに感染したとして労災請求する場合、事業主として協力できることはありますか。
労災請求手続は、請求人に行っていただくものですが、請求人が保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合、請求人の症状を確認しつつ、適宜、請求書の作成等への助力をお願いします。
なお、事業主による助力については、労働者災害補償保険法施行規則第23条で規定されています。
※ 労働者災害補償保険法施行規則第23条(抄)
1 保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。
(略)
問10 労働者が新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合、労災保険給付の対象となりますか。
ワクチン接種については、通常、労働者の自由意思に基づくものであることから、業務として行われるものとは認められず、これを受けることによって健康被害が生じたとしても、労災保険給付の対象とはなりません。
一方、医療従事者等に係るワクチン接種については、業務の特性として、新型コロナウイルスへのばく露の機会が極めて多く、医療従事者等の感染、発症及び重症化リスクの軽減は、医療提供体制の確保のために必要です。
したがって、医療従事者等に係るワクチン接種は、労働者の自由意思に基づくものではあるものの、医療機関等の事業主の事業目的の達成に資するものであり、労災保険における取扱いとしては、労働者の業務遂行のために必要な行為として、業務行為に該当するものと認められることから、労災保険給付の対象となります。
なお、高齢者施設等の従事者に係るワクチン接種についても、同様の取扱いとなります。
問11 「医療従事者等」や「高齢者施設等の従事者」とは、具体的にどのような方を想定しているのでしょうか。
医療従事者等については、病院、診療所において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある医師その他の職員等を指します。
高齢者施設等の従事者については、介護保険施設等、高齢者及び基礎疾患を有する者が集団で居住する施設で従事する者等を指します。
具体的な範囲については、下記を参照してください。
問12 医療従事者が接種業務を行っている際、誤って注射の針を自分の手指等に刺してしまい(いわゆる針刺し事故)、それが原因で疾病を発症した場合、労災保険給付の対象となりますか
医療従事者が業務中の針刺し事故により疾病を発症した場合は、労災保険給付の対象となります。
なお、医療従事者が体育館等院外の会場に出張した上、接種業務を行った場合であっても、同様に対象となります。
8 軽症者等の宿泊療養を実施する宿泊施設等の運営者の方向け
問1 施設運営に携わる労働者の感染防止を図るため、施設の組織運営の観点から配慮すべき点を教えてください。
施設運営に携わる労働者の感染症を防止するために実施すべき具体的事項は、「新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル」(令和2年4月2日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡。以下「療養マニュアル」という。)に示されておりますので、ご参照願います。
その上で、これらの事項を効果的かつ効率的に実施し、労働者の感染等の労働災害を防止していただくためには、宿泊療養を実施する組織に、全体統括責任者(療養マニュアルの2(3)①の「全体統括責任者」のことを指す。以下同じ。)を配置し、あわせて、全体統括責任者が、業務のまとまりごとに感染防止に必要な措置を行う担当者と、担当者を管理する責任者を定めていただくことが望まれます。その際、担当者は感染防止対策に関する業務を確実に実施すること、責任者は施設運営に携わる全労働者の感染防止対策を実施させる責務を担うこととするなど、責任と権限の範囲を明確に定め、必要な業務が抜け落ちることなく遂行されることで、労働者への感染防止を図ることができるものと考えます。
なお、労働安全衛生法により、安全衛生委員会、衛生委員会、産業医、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者等が設置・選任されている場合には、こうした衛生管理の知見を持つ構成員からなる組織を有効活用していただくとともに、労働衛生の担当者に対策の検討や実施への関与を求めていただくことが効果的と考えられます。
また、施設運営にあたって、① 保健医療の提供、②食事の手配、③生活支援(日用品・消耗品、リネン類の管理等)、④物品等配布回収(居室への荷物等の配布、ゴミ等の回収)、⑤ 警備などの業務については、複数の請負契約によって外部委託する場合が想定されます。こうした場合には、共通のスペースで複数の請負業者が同時に作業を行う結果、請負業者相互間で作業に関する連絡調整が不十分であれば、請負業者の労働者等が新型コロナウイルスに感染するリスクがあります(例:消毒が必要なリネン類について、消毒を行う請負業者とは別の請負業者の労働者が知らずに触ってしまう等)。
このようなリスクを低減するために、全体統括責任者は、①請負業者との連絡調整を行う責任者の選任、②請負業者との協議を行う会議の設置・運営、③ 請負業者の具体的な作業内容や留意点を記載した作業指示書の作成、④請負業者が自社の労働者に実施する感染防止対策に関する教育への指導・援助などを行っていただくことが望まれます。
問2 施設運営に携わる労働者に対して、感染防止対策について指導を行う際に配慮すべき点を教えてください。
軽症者等の宿泊療養を実施する宿泊施設等では、平常時と同様の業務を実施する場合であっても、以下の例のとおり、感染防止のための装備や、消毒の実施、換気の徹底等、作業環境や作業方法が異なります。施設運営に携わる労働者に対して感染防止対策の指導を行うことは、作業内容を変更した際に労働安全衛生法に基づく安全衛生教育を行うことと同様に、事故・感染防止に重要と考えられます。
(例)
・ 清掃の際には、手袋、サージカルマスク、目の防護具、長袖ガウンを使用し、0.1%次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸水、又はアルコールによりドアの取手やノブ、ベッド柵等を拭く必要があること。また、室内の家具・備品の消毒及び十分な換気を行う必要があること。
・ 体液で汚れたリネンを取り扱う際は、手袋、長袖ガウン、サージカルマスクを付け、80℃以上の熱湯に10分以上つける、0.1%次亜塩素酸ナトリウム又は亜塩素酸水で消毒を行う必要があること。
このため、労働者が従事する作業内容に応じた感染防止対策について、保健所又は感染管理に知見を有する医師等から各業者の責任者等に対して指導を行っていただき、事前に防止対策の要点を労働者に周知徹底する必要があります。
また、新規採用者や今般の対応に伴う配置転換に伴い初めて当該業務に就く者、外国人労働者等を含め、すべての労働者が内容を十分に理解できるよう丁寧に説明していただき、教育の実施状況を確認していただく必要があります。
(参考)
消毒・殺菌を使う際の注意事項などについては、下記にお示しする各種ホームページで確認してください。また、具体的な用途や使用上の注意については、製品に記載された情報を確認の上、正しくお使いください。
○ 厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
○ 新型コロナウイルス対策ポスター「 身のまわりを清潔にしましょう。」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-2.pdf
○ 新型コロナウイルス対策ポスター「 次亜塩素酸水を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf
問3 施設運営に携わる労働者が風邪症状を呈した場合には、どのように対応したらよいでしょうか。
新型コロナウイルスに感染した場合、数日から14日程度の潜伏期間を経て発症するため、発症初期の症状は、発熱、咳など普通の風邪と見分けがつきません。このため、発熱、咳などの風邪症状がみられる労働者については、新型コロナウイルスに感染している可能性を考慮した労務管理を行っていただく必要があります。
具体的には、次のような対応が考えられます。なお、①高齢者、②基礎疾患がある者、③免疫抑制状態にある者、④妊娠している者は、重症化のおそれが高いと考えられるため、施設運営に携わることのないようにすることが望ましいですが、もし施設運営に携わらざるを得ない状況である場合には、特に配慮をお願いいたします。
・ 発熱、咳などの風邪症状がみられる労働者への出勤免除を実施するとともに、その間の外出自粛を勧奨すること。
・ 労働者を休業させる場合、欠勤中の賃金の取扱いについては、労使で十分に話し合い、労使が協力して、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えること。
・ 風邪の症状が出現した労働者が医療機関を受診するため等やむを得ず外出する場合でも、マスク着用の上、公共交通機関の利用は極力控えるよう注意喚起すること。
・ 「新型コロナウイルス感染症についての相談の目安」を労働者に周知・徹底し、これに該当する場合には、帰国者・接触者相談センターに電話で相談し、同センターから帰国者・接触者外来の受診を指示された場合には、その指示に従うよう促すこと。
問4 施設運営に携わる労働者がPCR検査陽性となった場合に備えて、準備しておくことはありますか。
万が一、新型コロナウイルスの陽性者や濃厚接触者(以下「陽性者等」という。)が発生した場合に備え、以下の項目を盛り込んだ対応ルールを作成し、労働者(全体統括責任者にあっては「労働者及び請負業者」)に周知してください。
・ 労働者が陽性者等であると判明した場合の事業者や全体統括責任者への報告に関すること(報告先の部署・担当者、報告のあった情報を取り扱う担当者の範囲等)。
・ 職場の消毒等が必要になった場合の対応に関すること。
・ 労働者が陽性者等になったことをもって、解雇その他の不利益な取扱いや差別等を受けることはないこと。
・ その他(保健所との連携や、必要に応じ、休業や賃金の取扱いなどに関すること等)。
問5 施設運営に携わる労働者に対して、労働条件の面から配慮することはありますか。
軽症者等の宿泊療養を実施する宿泊施設等においては、労働者に対して、問1~4でお示ししたようなマニュアルや、各施設等で作成される対応マニュアル、万が一、労働者が新型コロナウイルスの陽性者やその濃厚接触者となった場合の措置等について、あらかじめ十分に共有するようにしてください。
また、労働基準法その他の労働関係法令について遵守をお願いするとともに、特に軽症者等の宿泊療養等を実施する際の対応として、
① 緊急対応時を含め、具体的に各労働者が実施すべき業務の内容、程度や、それに対応する賃金の額などの労働条件を明確にしておくこと
② 労働者が新型コロナウイルスの陽性者やその濃厚接触者となった場合の休業制度や、休業に伴う手当等についても、あらかじめ労使で話し合い、十分に共有しておくこと
③ 労働者の長時間労働による健康障害を予防するため、医師による面接指導が確実に実施できる体制を整備すること
などにも配慮をお願いします。
9 労働者派遣
<労働者派遣契約の中途解除等について>
問1 (派遣先の方)新型コロナウイルス感染症の影響により事業が立ちゆかないので、労働者派遣契約を解除したいのですが、労働者派遣法上問題がありますか。
※ 緊急事態宣言中に、都道府県知事の要請・指示等を受けて事業を休止する場合については問2をご確認ください。
労働者派遣法第29条の2により、派遣先は、自らの都合により労働者派遣契約を解除する場合には、新たな就業機会の確保や休業手当等の支払に要する費用の負担等の措置(※)を講じなければなりません。
新型コロナウイルス感染症の影響により事業を縮小したこと等に伴う派遣契約の解除であっても、派遣先からの申出により契約の解除を行う場合には、原則として、この措置を講ずる義務があります。
また、労働者派遣契約の中途解除が派遣先の都合によらないものであっても、派遣先は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の(3)に基づき、関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要です。
今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止等を余儀なくされた場合においても、安易な労働者派遣契約の解除はお控えいただくようお願いします。
※ この措置の内容は、労働者派遣契約に定めることとなっていますが、契約に定めがない場合であっても、労働者派遣法に基づく措置は行う必要があります。
問2 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約を中途解除せざるをえない場合、派遣先は、労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる必要はありますか。
労働者派遣法第29条の2により、派遣先は、自らの都合により労働者派遣契約を解除する場合には、新たな就業の機会の確保や休業手当等の支払に要する費用の負担等の措置を講じなければなりません。
派遣先の都合によるかどうかについては、個別の事例ごとに判断されるものであり、改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事から施設の使用制限や停止等の要請・指示等を受けて派遣先において事業を休止したことに伴い、労働者派遣契約を中途解除する場合であっても、一律に労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる義務がなくなるものではありません。
なお、労働者派遣契約の中途解除が派遣先の都合によらないものであっても、派遣先は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の(3)に基づき、関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要です。
今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止等を余儀なくされた場合においても、安易な労働者派遣契約の解除はお控えいただくようお願いします。
問3 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約の内容の変更等を行う場合に、派遣先は派遣会社から派遣料金や金銭補償を求められることになりますか。
労働者派遣契約の履行を一時的に停止する場合や、労働時間や日数など労働者派遣契約の内容の一部を変更する場合には、それに伴う派遣料金等の取扱いについては、民事上の契約関係の話ですので、労働者派遣契約上の規定に基づき、派遣会社と派遣先でよく話し合い、対応してください。
問4 (派遣会社の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受けて事業を休止した派遣先から、労働者派遣契約の中途解除を申し込まれていますが、派遣会社としてどのような対応を行うべきでしょうか。
「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(3)及び(4)により、派遣会社は、ある派遣先との間で労働者派遣契約が中途解除された場合であっても、労働者派遣の終了のみを理由として派遣労働者を解雇してはなりません。
派遣先とも協力しながら派遣労働者の新たな就業機会の確保を図り、それができない場合はまずは休業等を行い雇用の維持を図るとともに、休業手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすことが必要です。
また、労働者派遣法第30条に基づき、派遣先の同一の組織単位での派遣就業見込みが一定期間以上である派遣労働者については、派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供などの雇用安定措置の義務(※)が生じます。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀無くされた派遣会社が、派遣労働者の雇用の維持のために休業等を実施し、休業手当を支払う場合、雇用調整助成金が利用できる場合がありますので、これを活用すること等により、派遣労働者の雇用の維持を図っていただくようお願いします。
※ 派遣就業見込みが3年以上の場合は義務、1年以上3年未満の場合は努力義務となります。
問5 (派遣先の方)労働者派遣契約を中途解除した場合に、派遣会社が休業手当支払いを行い、雇用調整助成金の支給を受けるときも、派遣先は労働者派遣法第29条の2に基づき、派遣会社に対して休業手当等の費用負担を行わなければならないですか。
派遣会社が雇用調整助成金の支給を受けた場合でも、派遣先において労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる必要がなくなるものではありません。そのような場合の派遣先としての休業手当分の費用負担額については、労働者派遣契約等に基づき、派遣会社との派遣先との間でよく話し合ってください。
今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止等を余儀なくされた場合においても、安易な労働者派遣契約の解除はお控えいただくようお願いします。
問6 (派遣会社の方)労働者派遣契約の期間中に派遣先の事業所が休業したり、派遣契約を解除された場合には、派遣労働者を休業させ、休業手当を支払う予定です。派遣先が労働者派遣法第29条の2に基づき休業手当分の費用負担をした場合も、雇用調整助成金は利用できますか。
労働者派遣契約の期間中に派遣先の事業所が休業したこと等に伴い、派遣会社が派遣労働者を休業させ、休業手当を支払った場合には、雇用調整助成金を利用することが可能です。
また、労働者派遣契約の中途解除を行い、労働者派遣法第29条の2に基づく義務として、派遣先から派遣会社に対して休業手当相当額の費用支払いを行った場合であっても、派遣会社は、雇用調整助成金を利用することが可能ですが、そのような場合の費用負担については、労働者派遣契約等に基づき、派遣会社と派遣先との間でよく話し合ってください。
<派遣労働者のテレワークについて>
問7 (派遣会社の方)新型コロナウイルス感染症の感染防止等を踏まえ、派遣労働者についてもテレワークの実施を行うに当たり、労働者派遣法に関して留意すべきことはありますか。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するためには、テレワークが有効な対策の1つであり、派遣労働者についても、派遣先が自ら雇用する労働者と同様に、積極的なテレワークの活用をお願いいたします。
留意すべき事については、「 派遣労働者に係るテレワークに関するQ&A」をご確認ください。
10 その他(職場での嫌がらせ、採用内定取消し、解雇・雇止めなど)
<職場におけるいじめ・嫌がらせ等について>
問1 職場において、新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等が起きた場合には、どのように対応したらよいでしょうか。また、そのような事態を未然に防ぐために、どのようなことをすべきでしょうか。
新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等は、あってはならないものです。
例えば、過去に新型コロナウイルスに感染したことを理由として、人格を否定するような言動を行うこと、一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし職場で孤立させること等は、 職場におけるパワーハラスメントに該当する場合があります。職場におけるパワーハラスメントに関しては、改正労働施策総合推進法により、その防止のために事業主において雇用管理上の措置を講じることが求められています。
具体的には、相談窓口をあらかじめ定め労働者に周知することや事実関係を迅速かつ正確に把握し、適正な措置を行うこと等が必要です(令和2年6月1日施行。中小事業主は令和4年3月31日までは努力義務。)。また、事業主に相談したこと等を理由とする不利益取扱いも禁止されていますので、ご留意ください(相談したこと等を理由とする不利益取扱いの禁止は、規模にかかわらず、全ての事業主が対象となります)。これらの措置義務に違反した場合には、都道府県労働局において行政指導(助言・指導・勧告等)を行うこととなります。
なお、事業主自らも、パワーハラスメント問題に対する関心と理解を深め、労働者(他の事業主が雇用する労働者及び求職者を含む。)に対する言動に必要な注意を払うよう努める必要があります。
新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等が行われることのないよう、労働者への周知・啓発を徹底し、適切な相談対応等を行っていただくことなどにより、職場環境の改善を行っていただきますようお願いします。
<リーフレット「2020年6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました!」>
<労働条件の変更について>
問2 労働者の労働条件(労働契約の内容)を変更する場合はどのような対応が必要でしょうか。
労働契約の内容である労働条件を変更するには、原則として労働者との合意が必要です(労働契約法第3条及び第8条)。
また、就業規則の見直しにより労働条件を変更する場合にも、労働者の合意を得ない限り、一方的に就業規則を変更して、労働者の不利益に労働条件を変更することはできません(労働契約法第9条)。
ただし、次の要件を満たせば、就業規則の変更によって労働条件(労働契約において、就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分を除く)を変更することができます(労働契約法第10条)。
①その変更が、以下の事情などに照らして合理的であること。
・労働者の受ける不利益の程度
・労働条件の変更の必要性
・変更後の就業規則の内容の相当性
・労働組合等との交渉の状況
②労働者に変更後の就業規則を周知させること。
加えて、就業規則の作成や変更に当たっては、事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません(労働基準法第90条)。
なお、労働基準法や労働契約法など、労働関係法令にかかる御質問や御相談については、最寄りの労働局・労働基準監督署のほか、「新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口(※)」や、「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」などもご利用いただけます。
(※)新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口一覧>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/index_00004.html
<新卒の内定者について>
問3 今春から就職が決まっている新卒内定者の内定を取り消したり、入社してすぐに休ませてもいいでしょうか。
新卒の採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定の取消は無効となります。事業主は、このことについて十分に留意し採用内定の取り消しを防止するため、最大限の経営努力を行う等あらゆる手段を講ずるようにするとともに、まずはハローワークにご連絡ください。
また、新入社員を自宅待機等休業させる場合には、当該休業が使用者の責めに帰すべき事由によるものであれば、使用者は、労働基準法第26条により、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
<労働者の解雇、雇止めについて>
問4 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、労働者の雇用調整を検討していますが、どのようなことに注意すべきですか。
雇用の維持は労使双方にとって、また社会的にも極めて重要であり、政府としては、需要の急減による経営不振等の場合であっても、事業主の雇用継続のための努力を全力で支える方針です。まずは休業などによる雇用の維持について検討をお願いします。
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合、事業者が労働者に支払う休業手当については、雇用調整助成金が利用できます(本Q&Aの「3 雇用調整助成金の特例措置」をご参照ください。)。
なお、助成額は、前年度に雇用していた全ての雇用保険被保険者の賃金総額(歩合制賃金も含む)を基に算定するため、直近の賃金額の減少は助成額に影響しにくい仕組みです。
加えて、事業者が売上げ減少の中で休業手当を支払うために手元資金を十分にするため、資金繰り対策として、政府は金融機関に実質無利子・無担保の融資や既存債務の条件変更を働きかけています。また、補正予算の成立を前提に、中小・小規模事業者等に対する新たな給付金も検討していきます。
雇用を維持していただくに当たっての留意事項については、本Q&Aの「4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)」の問12もご参照ください。
問5 やむを得ず労働者への退職勧奨や解雇を検討していますが、どのような問題がありますか。
今回の新型コロナウイルス感染症による影響への対応に当たっては、雇用調整助成金(本Q&Aの「3 雇用調整助成金の特例措置」をご参照ください。)など、政府の支援策を活用いただき、できる限り労働者の雇用の維持に努めていただくようお願いします。雇用を維持していただくに当たっての留意事項については、本Q&Aの「4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)」の問12もご参照ください。
なお、やむを得ず労働者への退職勧奨を検討する場合、退職勧奨に応ずるかどうかはあくまでも労働者の自由であり、労働者の自由な意思決定を妨げる退職勧奨は違法な権利侵害にあたる可能性があることに留意が必要です。
また、労働者の同意を前提としない使用者による一方的な労働契約の解約は解雇に該当するものですが、やむを得ず労働者の解雇を検討する場合でも、以下の点に留意が必要です。
① 業務上の傷病による休業期間及びその後30日間や、産前産後の女性の労働基準法第65条の規定による休業期間及びその後30日間は、解雇が禁止されていること(労働基準法第19条)。
② 上記①に該当しない場合でも、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とされること(労働契約法第16条)。 また、整理解雇(経営上の理由から余剰人員削減のためになされる解雇)については、裁判例において、解雇の有効性の判断に当たり、
(1)人員整理を行う必要性
(2)できる限り解雇を回避するための措置が尽くされているか
(3)解雇対象者の選定基準が客観的・合理的であるか
(4)労働組合との協議や労働者への説明が行われているか
という4つの事項が考慮されること。
③ 有期労働契約の場合、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間中に解雇をすることはできないこと。期間の定めのない労働契約を結んでいる場合の解雇よりも、解雇の有効性は厳しく判断されること(労働契約法第17条第1項)。
④ 使用者は労働者を解雇する場合には、30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないこと(労働基準法第20条)。
⑤ 事業主には、離職する労働者の再就職支援を援助するなど、労働者の職業の安定を図るよう努める必要があり、一定規模以上の労働者の離職を余儀なくされることが見込まれる場合には、最初の離職が発生する1か月前までに「再就職援助計画」をハローワークに提出し、認定を受ける必要があること(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第24条第1項及び第3項)。また、最後の離職が発生する1か月前までに、「大量雇用変動の届出」を提出する必要があること(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第27条第1項)。
なお、労働基準法や労働契約法など、労働関係法令にかかる御質問や御相談については、最寄りの労働局・労働基準監督署のほか、「新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口(※)」や、「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」などもご利用いただけます。
(※)新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/index_00004.html
問6 やむを得ず有期契約労働者の雇止めを検討していますが、どのような問題がありますか。
今回の新型コロナウイルス感染症による影響への対応に当たっては、雇用調整助成金(本Q&Aの「3 雇用調整助成金の特例措置」をご参照ください。)など、政府の支援策を活用いただき、できる限り労働者の雇用の維持に努めていただくようお願いします。雇用を維持していただくに当たっての留意事項については、本Q&Aの「4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)」の問12もご参照ください。
なお、やむを得ず有期契約労働者の雇止めを検討する場合でも、以下の点に留意が必要です。
① 有期契約労働者から、労働契約の更新の申込みがあった場合、その方の雇止めについては、以下のいずれかに当たると認められる場合には、使用者が雇止めをすることが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、これまでと同一の労働条件で、その申込みを承諾したものとみなされること(労働契約法第19条)。
a. 過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
b. 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの
② 有期労働契約(有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者に限ります。なお、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除きます。)を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならないこと(有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準第2条)
(※)有期契約労働者の解雇について、使用者は、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間は、労働者を解雇することができないこととされています。(労働契約法第17条第1項)。 なお、労働基準法や労働契約法など、労働関係法令にかかるご質問やご相談については、最寄りの労働局・労働基準監督署のほか「新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口(※)」や、「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」などもご利用いただけます。
(※)新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/index_00004.html
<検査結果の証明について>
問7 労働者を就業させる上で、労働者が新型コロナウイルス感染症に感染しているかどうか確認することはできますか。
現在、PCR検査は、医師が診療のために必要と判断した場合、又は、公衆衛生上の観点から自治体が必要と判断した場合に実施しています。そのため、医師や自治体にPCR検査が必要と判断されていない労働者について、事業者等からの依頼により、各種証明がされることはありません。
また、新型コロナウイルス感染症患者については、医療保健関係者による健康状態の確認を経て、入院・宿泊療養・自宅療養を終えるものであるため、療養終了後に勤務等を再開するに当たって、職場等に、陰性証明を提出する必要はありません。
PCR検査を実施した医療機関や保健所において、各種証明がされるかどうかは、医療機関や保健所によって取扱いが異なりますが、国内での感染者数が増える中で、医療機関や保健所への各種証明の請求についてはお控えいただくよう、お願いします。
なお、PCR検査では、検体採取の際の手技が適切でない場合や、検体を採取する時期により、対象者のウイルス量が検出限界以下となり、最初の検査で陰性になった者が、その後陽性になる可能性もあり得ます。
(参考)
・ 令和2年3月19日事務連絡「 新型コロナウイルス感染症に対応した医療体制に関する補足資料の送付について(その7)」(厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部)「新型コロナウイルス感染症に対応した医療体制についてのQ&A」2.帰国者・接触者外来について(20)
・ 令和2年4月24日事務連絡「 新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」に関するQ&Aについて(その3)」(厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部【主に一般の方等向け】問15
問8 家族の介護をしている労働者がいるのですが、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
労働者のおかれている状況をご理解いただき、個々の労働者の事情に応じて、仕事と介護を両立しやすい職場環境の整備にご協力をお願いします。具体的には、介護に直面している従業員の把握や、社内制度の周知などが考えられます。両立支援にどのように取り組めばよいかわからない場合は、 仕事と介護の両立支援対応モデル などのツールもご活用ください。
中小企業事業主については、 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース) が利用できます。この4月から支給要件を緩和していますので、是非ご活用ください。
なお、介護をしている労働者を含め、様々な事情を抱える労働者が安心して働き続けることができるよう、テレワークの活用など職場における感染防止にご協力をお願いします。
(参考)育児・介護休業法に基づく仕事と介護の両立支援制度
○ 介護休業:対象家族(※)1人につき通算93日の範囲内で合計3回まで取得可。左記の期間、回数内の休業は介護休業給付金が支給される。法令上は希望どおりの日から介護休業をするためには2週間前までに申し出ることとなっているが、労使の話し合いにより、2週間を切ってからの申出に対しても労働者の希望どおりの日から介護休業を認めるなど、法を上回る対応をすることは差し支えない。
○ 介護休暇:年5労働日(対象家族(※)が2人以上の場合は年10労働日)取得可。
○ 短時間勤務の措置等:3年の間で2回以上利用できる次のいずれかの措置を事業主に義務付け。
① 短時間勤務制度、② フレックスタイム制、③ 始業・就業時刻の繰上げ・繰下げ、④ 介護費用の援助措置
○ 上記のほか、所定外労働、時間外労働、深夜業を制限する制度がある。
(※)対象家族の範囲:配偶者(事実婚含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母
<保健所との連携>
問9 職場で新型コロナウイルス感染症患者が発生した場合の保健所との連携に備え、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
新型コロナウイルス感染症患者が発生した事業場において、感染拡大を早期に防止するためには、濃厚接触者等の特定及び濃厚接触者等への幅広い行政検査等を効率的に行う必要があり、そのためには、健康観察アプリや抗原簡易キットの活用(※1)等の取組みに加え、当該事業場の従業員を確実に把握することが重要となります。
このため、日々雇用の者や外国人労働者を含む全ての従業員について、電話番号等を含めた連絡先を、あらかじめ名簿等の形で把握し、感染症法第15条の規定に基づき保健所から求められた場合には情報提供にご協力をお願いします(※2)。なお、保健所が事業場に名簿の提供を求めること及び事業場がこれに応じ、労働者の同意なく連絡先等の情報を提供することは、個人情報保護法等の観点からも問題はありません。
また、保健所より検査対象者として受検指示があった場合には検査を受ける必要があることを労働者に周知するとともに、受検に関する勤務時間の調整等必要な配慮をお願いします。
(※2)従業員が派遣労働者の場合は、当該従業員の電話番号等の連絡先については、新型コロナウイルス感染症患者が発生した事業場(派遣先)ではなく、派遣元事業主が把握しているものです。このため、派遣先は、感染症法第15条の規定に基づき保健所から協力を求められた場合には、対象となる派遣労働者に係る派遣元事業主の連絡先の情報提供にご協力をお願いします。
参考:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(抄)
(感染症の発生の状況、動向及び原因の調査)
第十五条 都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又は感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするため必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者若しくは無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
問10 新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか。
「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)1.政府の方針問9 「新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか?」をご覧ください。
新型コロナワクチンについて、その他詳しい情報はこちらをご覧ください。
( 新型コロナワクチンQ&A)
問11 新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した労働者を、解雇、雇止めすることはできますか。
新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否したことのみを理由として解雇、雇止めを行うことは許されるものではありません。
(参考)労働契約法(平成19年法律第128号)
(解雇)
第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
(契約期間中の解雇等)
第17条 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
2 (略)
(有期労働契約の更新等)
第19条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。
一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。
問12 新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を、人と接することのない業務に配置転換することはできますか。
一般に、個別契約または就業規則等において業務上の都合により労働者に転勤や配置転換を命ずることのできる旨の定めがある場合には、企業は労働者の同意なく配置転換を命じることができますが、その場合でも配置転換は無制限に認められるわけではなく、不当な動機・目的がある場合や、配置転換の業務上の必要性とその命令がもたらす労働者の不利益とを比較衡量した結果として、配置転換命令が権利濫用に当たると判断される場合もあります。
新型コロナウイルスの感染防止のために配置転換を実施するにあたっては、その目的、業務上の必要性、労働者への不利益の程度に加え、配置転換以外の感染防止対策で代替可能か否かについて慎重な検討を行うとともに、配置転換について労働者の理解を深めることに努めてください。
なお、労働者の勤務地や職種を限定する合意がある場合に、その限定の範囲を超えて配置転換を行うにあたっては、労働者の自由な意思に基づく同意が必要であることにも留意してください。
また、優越的な関係を背景として配置転換の同意を強要等した場合、職場におけるパワーハラスメントに該当する可能性があります。事業主は、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が義務付けられていますので、労働者から配置転換の同意を得る際は、パワーハラスメントが生じないよう留意する必要があります。
問13 採用時に新型コロナウイルスワクチン接種を条件とすることはできますか。
「新型コロナウイルスワクチンの接種を受けていること」を採用条件とすることそのものを禁じる法令はありませんが、新型コロナウイルスワクチンの接種を採用条件とすることについては、その理由が合理的であるかどうかについて、求人者において十分に判断するとともに、その理由を応募者にあらかじめ示して募集を行うことが望ましいと考えます。