各国別海外感染症情報
説明 情報源:WHO
地 域:全地域
国 :全世界
感染症:新型インフルエンザ
病原体:H1N1型新型インフルエンザウイルス
内 容:
5月23日現在、世界中214以上の国や地域から18,114例以上の死亡例を含む新型インフルエンザの確定症例が報告されています。最も流行している地域は、カリブ海地域と東南アジアで、低レベルの流行が起こっています。チリでの局所的な流行を除けば、南半球温帯地域での新型インフルエンザの流行はわずかとなっています。南アメリカにおいてRSウイルスが広く流行しており、呼吸器疾患が増加しているということに注意が必要です。RSウイルスは主に5歳未満の子供が罹患します。
カリブ海地域と中米では、キューバとコスタリカで新型インフルエンザの流行が続いています(後者は少数)。キューバでは、2010年2月下旬に始まった最近の新型インフルエンザの流行は、4月中旬に停滞期に達して以降は変化がないままです。コスタリカでは、2010年初頭以降、新型インフルエンザと他の呼吸器疾患ウイルスとが低レベルで共流行しています。南アメリカの熱帯地域では、新型インフルエンザと季節性インフルエンザの流行が続いていますが、流行は散発的で低いレベルです。ペルーでは、(5歳未満の子供での)最近の局地的な呼吸器疾患の増加は、主にRSウイルスの流行と関連しています。コロンビアとブラジルでは、新型インフルエンザと季節性H3N2型インフルエンザが、低レベルですが先月ずっと検出されていました。ボリビアでは、最近の季節性B型インフルエンザの流行は終息したようです。
アジアでは、南アジア・東南アジアの限られた地域(とくにシンガポール・マレーシア・バングラデシュ)を除いて、全体的な新型インフルエンザの流行レベルは低く散発的なままです。シンガポールでは、急性呼吸器感染症は2010年4月以降増加してきており、最新報告週では流行閾値に近い状態です。5月中旬には約39%のインフルエンザ様疾患患者の検体が新型インフルエンザ陽性でした。マレーシアでは、4月中旬の流行のピーク以降も新型インフルエンザの流行は続いているとのことで、少数の死亡例も報告されました。バングラデシュでは、4月中旬以降新型インフルエンザと季節性B型インフルエンザが共に主要な流行株となっていましたが、今回の報告週における呼吸器疾患の活動性は低いと報告されました。西インドでは、低いレベルで新型インフルエンザの流行が続いています。一方で東アジアにおいては季節性B型インフルエンザが少なく減少傾向にありますが報告され続けています。
(情報提供)
関西空港検疫所
FORTH(海外旅行者のための感染症情報)