【海外情報】 【海外感染症情報】全地域(世界中)デング熱 (平成22年6月2日)2010/07/02

各国別海外感染症情報

説明 情報源:CDC

地 域:全地域

 国 :世界中

感染症:デング熱

病原体:デングウイルス

内 容:
 デング熱は通常、南太平洋諸国・アジア・カリブ海地域・アメリカ大陸・アフリカの熱帯に属するほとんどの国々から報告されています。4種類の類似したウイルス(デングウイルス1~4型)によって引き起こされ、このウイルスを保有している蚊に吸血されることで感染します。デング熱は多くの場合、田舎と都会の両方で見られますが、ほとんどが都会から報告されています。2009年初頭以降、いくつかの地域・国々でデング熱症例が報告されています。

アフリカ
 カーボベルデ:2009年に21000例以上の疑い例と6例の死亡例(2009年12月6日時点)が報告されました。約60例がセネガル付近で報告されました。アフリカの沿岸から離れたインド洋の島々からもまたデング熱の流行が報告されています。マヨット島では2010年3月19日時点で30例の確定症例、レユニオンからも2症例の報告がありました。
 南太平洋諸国この地域全体にデング熱の流行が続いています。今年はマレーシア・フィリピン・
シンガポール・スリランカ・ベトナムからデング熱流行の報告があります。局所的なデング熱の流行はオーストラリアのクイーンズランド北部でも報告されました。

中南米・カリブ海地域
アルゼンチン・ブラジル・コロンビア・コスタリカ・ドミニカ共和国・エルサルバドル・フランス領ギアナ・グアドループ島・ホンジュラス・ペルー・プエルトリコなどでデング熱の流行が報告されています。

中東
この地域では、最近数カ月、デング熱の流行が報告されています。旅行者に人気のあるサウジアラビアのジッダも含まれています。

*旅行者への注意点
防蚊対策をすることでデング熱に罹患するリスクを減らすことが出来ます。通常、デング熱を媒介する蚊は夕方や夜明けに吸血しますが、日中でも吸血します。とくに屋内や薄暗い場所、曇りの日などは注意が必要です。
可能であれば、きちんと仕切られ(網など)、エアコンの効いたホテルやリゾートに滞在して下さい。蚊の数を減らす対策となります。ホテルがあまり充分に仕切られていなければ、蚊帳を吊して寝て下さい。
屋外やきちんとした仕切りがない建物の中では、肌の露出した部位には虫除けを使用して下さい。日焼け止めが必要な場合は、虫除けをつける前に塗って下さい。

屋外ではゆるい長袖のシャツや長ズボンを着用して下さい。
症状と治療
症状:発熱・頭痛・眼痛(眼の奥)・関節痛・筋肉痛・皮疹・嘔気嘔吐・出血異常。
通常、デング熱は軽症で済む場合が多いですが、重症例もあり致死的なデング出血熱を起こすこともあります。
デング熱に対する予防接種はなく、特別な治療法もありません。アセトアミノフェンなどの解熱剤を使用し、水分補給に努めます(経口・点滴)。重症例では血圧維持などの管理が必要です。アスピリンやアスピリンを含む薬剤、非ステロイド系消炎鎮痛剤は出血の可能性があるため避けて下さい。重症例では早期診断・治療によって死亡率を減ずることができます。帰国後に発熱が見られれば、医療機関を受診して下さい。その際、医師に渡航歴を伝えて下さい。

(情報提供)
関西空港検疫所FORTH(海外旅行者のための感染症情報)

公開日:2010年07月02日

カテゴリー: 感染症