【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.468(2022年7月22日)
2022年7月17日、WHOアフリカ地域事務所は、ガーナ共和国政府が同国初となるマールブルグ病患者の確定例を報告したと発表しました。
7月7日の時点で、2例の疑い例を確認したことが発表されていました。2例の疑い例は、ともに同国アシャンティ州南部で発生し、ともに下痢、発熱、嘔気・嘔吐を含む症状を呈し死亡しており、疫学的な関連性は確認されていません。
2例の検体は、同国の野口記念医学研究所でマールブルグウイルス陽性と判断され、確認検査のためWHO連携センターであるセネガルのパスツール研究所に送付され、診断が確定しました。
同国政府が状況調査を行ったところ、医療従事者や地域住民を含む90人以上の接触者が確認され、健康観察の対象となっています。
より詳しい情報は下記WHOガーナ事務局のプレスリリースをご覧ください。
厚生労働省は本事案について引き続き情報収集を実施し、必要に応じて情報提供を行ってまいります。
【マールブルグ病とは?】
マールブルグ病は感染性の高いウイルス性出血熱で、エボラ出血熱(EVD)と同じフィロウイルス科のマールブルグウイルスによって引き起こされます。
マールブルグウイルスはコウモリ(フルーツバット)からヒトに感染し、感染者の体液や汚染された物の表面への直接接触等によりヒトの間で拡大します。
高熱、強い頭痛、倦怠感で突然発症し、多くの患者は7日以内に重症の出血兆候を呈します。致死率は、ウイルス株や臨床管理の状況にもよりますが、過去の流行では24%から88%と幅があります。
【発生状況】
1967年にウガンダから輸入された実験用のアフリカミドリザルにより、ドイツのマールブルグとフランクフルト、セルビアのベオグラードで多数の患者が発生し、この疾患が知られるようになりました。
以降、アンゴラ、コンゴ民主共和国、ウガンダ、ギニア等で散発。直近では2021年にギニアで1名の患者が発生し、死亡しています。
WHOガーナ事務所プレスリリース
https://www.afro.who.int/countries/ghana/news/ghana-declares-first-ever-outbreak-marburg-virus-disease-0