◆ジンバブエで麻疹(はしか)が流行しています

【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.472(2022年9月16日)

  ジンバブエ保健省によると、毎週の疾病監視システムのデータでは、2022年4月10日、にマニカランド州ムタサ地区で麻疹が最初に報告されてから、国内全土で指数関数的に増加し、これまでに合計6034例の疑い例、685例の死亡例が報告されています。
  登録された症例の50%以上がワクチンを打っていませんでした。ジンバブエでは、現在、UNICEFとWHOの連携により、生後6か月から15歳までの600万人以上の子供たちにワクチン接種キャンペーンが実施されています。
  麻疹(はしか)は、日本では感染症法上5類感染症に指定される感染症で、診断した医師は最寄りの保健所へ届け出を直ちに行う必要があります。
  我が国で麻しんは過去の推移を見ると、平成19・20年に10~20代を中心に大きな流行がみられましたが、平成20年より5年間、2回目の麻しんワクチン接種を受ける機会を設けたことなどで、平成21年以降、10~20代の患者数は激減しています。
  麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。
  免疫のない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続するとされます。手洗い、マスクのみでは予防はできず、予防接種が最も有効な予防法です。
  2022年現在日本では、予防接種法で、1歳児(第1期)と小学校入学前一年間の幼児(第2期)を対象として麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)による2回接種法が定期接種に導入されています。
  疾患に罹患した場合の重症度、感染力の強さから考え、第1期の接種年齢に達した後なるべく速やかに、少なくとも生後12~15カ月に接種することが望ましいです。
  日本の麻疹風疹予防接種実施率(令和02年)は、第1期麻疹風疹ワクチン接種が98.5%、第2期接種が94.7%となっています。
  麻疹は、一部の国で流行が見られますが、先進国で発生する可能性もある疾患です。
  大切なお子様を麻疹から守るために、予防接種を受けましょう。

  ・世界保健機関(WHO).UNICEF and WHO warn of perfect storm of conditions for measles outbreaks, affecting children,27 April 2022,
   https://www.cdc.gov/polio/what-is-polio/polio-us.html (2022/09/12)

  ・国際連合児童基金 (UNICEF). UNICEF is concerned about the impact of measles outbreak,05 September 2022
   https://www.unicef.org/zimbabwe/press-releases/unicef-concerned-about-impact-measles-outbreak (2022/09/12)

  ・国連人道問題調整事務所 (OCHA Services, relief web) Zimbabwe - Measles outbreak (DG ECHO, Zimbabwe Ministry of Health and Child Care , UNICEF, WHO) (ECHO Daily Flash of 05 September 2022),
   https://reliefweb.int/report/zimbabwe/zimbabwe-measles-outbreak-dg-echo-zimbabwe-ministry-health-and-child-care-unicef-who-echo-daily-flash-05-september-2022 (2022/09/12)

  ・国立感染症研究所 麻疹とは
   https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.html (2022/09/12)

  ・厚生労働省 麻しんについて
   サイト内リンク https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html/a> (2022/09/12)

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公開日:2022年10月05日

カテゴリー: 感染症