【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.472(2022年9月16日)
欧州や北米を中心に感染が確認されているヒトのサル痘については、令和4年9月7日の世界保健機関(WHO)の発表時点で、世界102の国・地域で、52,000以上の確定例が報告されています。
7月23日、WHO事務局長がサル痘の感染拡大について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当すると宣言しました。
宣言の発出から1ヶ月以上が経過し、WHOは、8月29日から9月4日の間の症例数が、前週と比較して、世界的にも減少したことを報告しています。
今回の流行における症状としては、「性器及び肛門周辺の皮膚病変、鼠径リンパ節腫脹、発熱が多くみられたこと」、「発疹が全身症状に先行して出現し、初期の小水疱から痂皮化したものまで様々なステージのものが非同期的にみられたこと」、
「サル痘を疑う症状のない者の直腸肛門検体からサル痘ウイルスが検出され、無症候性病原体保有者の存在が示唆されること」など、過去の報告との違いが指摘されています。
国内では、令和4年8月31日時点で、4例のサル痘患者の発生が確認されています。厚生労働省では、令和4年8月10日付けでサル痘の届出基準を、8月19日付けでサル痘発生届出様式をそれぞれ改正しました。
また、令和4年9月15日に感染症部会を開催し、サル痘への対応について報告等をしました。
引き続き、各国政府やWHO、専門家等とも連携しつつ、情報収集に努めてまいります。
・厚生労働省 事務連絡「 サル痘に関する情報提供及び協力依頼について」(令和4年5月20日付:令和4年8月10日最終改正)
( https://www.mhlw.go.jp/content/000975378.pdf)
・サル痘届出基準
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-13.html
・国立感染症研究所ファクトシート:サル痘
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox -intro.html
・国立感染症研究所「複数国で報告されているサル痘について(第3報)」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/monkeypox-m/2596-cepr/11403-monkeypox-ra-913.html
・国立国際医療研究センター国際感染症センター(DCC)ファクトシート:サル痘
http://dcc-irs.ncgm.go.jp/material/factsheet/
・国立感染症研究所・国立国際医療研究センター国際感染症センター:サル痘患者とサル痘疑い例への感染予防策
https://www.niid.go.jp/niid/ja/monkeypox-m/2596-cepr/11196-monkeypox-01.html
・検疫所(FORTH)海外感染症情報
http://www.forth.go.jp/topics/fragment5.html
・厚生科学審議会感染症部会資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127717.html
・国立国際医療研究センター国際感染症センター:サル痘診療指針
https://dcc-irs.ncgm.go.jp/material/manual/monkeypox.html
・WHO Monkeypox outbreak 2022
https://www.who.int/emergencies/situations/monkeypox-oubreak-2022
・CDC Monkeypox
https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/index.ht