【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.478(2022年12月16日)
◆ウガンダでのエボラ出血熱の発生について(続報)
2022年9月20日、ウガンダ保健当局は、ウガンダ中央部ムベンデ県の患者の検査陽性をもって、エボラ出血熱の発生を宣言しました。
患者は多様な症状を伴う24歳の男性でした。今回のエボラ出血熱の病原体は、スーダンエボラウイルス(SUDV)であり、隣国コンゴ民主共和国(DRC)北キヴ州で発生したザイールエボラウイルス(EBOV)とは種が異なります。
SUDVによるエボラ出血熱の流行はこれまで、ウガンダで4回、スーダンで3回、計7回であり、ウガンダでの最後の発生は2012年です。ウガンダのエボラ出血熱の発生は、2019年DRCで流行したEBOVによるエボラ出血熱の輸入例が最後でした。
厚生労働省は、9月27日に、自治体、日本医師会、各検疫所、国土交通省に対し、事務連絡を発出し注意喚起の協力を依頼しました。
また、厚生労働省検疫所は、海外から日本へ帰国・入国される方に対し、ポスターやリーフレット等で注意喚起を行っています。
WHOは、10月13日、加盟国ブリーフィングにおいて、ウガンダ及び周辺国に対し、感染拡大への対応を強化するよう求めています。
現在、SUDVに対する複数のワクチンについて研究が行われています。
【 新しい情報 】
11月27日を最後に新たな確定例はなく、12月13日時点で、首都のカンパラを含む9県で、確定例142例、確定例の死亡55例(※)が報告されています。
SUDVに対するワクチン1種類、1,200回分がウガンダに到着済みであり、まもなく同国内で臨床試験が行われる予定です(※1例は「死亡」から「回復」に分類が変更されたため、前回の報告より死亡例が1例減少しています。)。
より詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。厚生労働省では本事案について引き続き情報収集を実施し、必要に応じて情報提供を行ってまいります。
・令和4年9月27日付け事務連絡「エボラ出血熱に係る注意喚起について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html
・厚生労働省検疫所 【重要なお知らせ】ウガンダ共和国でエボラ出血熱が発生していますのでご注意ください!
( https://www.forth.go.jp/content/000067691.pdf)
・世界保健機関(WHO). Ebola virus disease, Key facts, etc. 23 February 2021
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/ebola-virus-disease
・世界保健機関(WHO)Uganda, Featured News
https://www.afro.who.int/countries/uganda
・世界保健機関(WHO) SUDAN VIRUS DISEASE (SVD) OUTBREAK, UGANDA, Member State Briefing .13 October 2022
( https://apps.who.int/gb/COVID-19/pdf_files/2022/13_10/Item1.pdf)
・世界保健機関(WHO) Ebola disease caused by Sudan ebolavirus - Uganda, 8 December 2022
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON428
・FORTH エボラウイルス病(スーダン型) ? ウガンダ共和国(更新3)(12月13日)
https://www.forth.go.jp/topics/20221213_00001.html
・Ministry of Health Uganda, WHO Uganda, EBOLA VIRUS DISEASE, Republic of Uganda, Situation Report 69, 5 December 2022
EBOLA VIRUS DISEASE, Republic of Uganda, Situation Report 69, 5 December 2022
( https://www.afro.who.int/sites/default/files/2022-12/Ug_EVD_SitRep%2369.pdf)
・国立感染症研究所 エボラ出血熱とは(2019年3月27日改訂)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html