いわゆる経口中絶薬「メフィーゴパック」の適正使用等について(令和5年4月28日)

参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/infertility_treatment_00001.html

いわゆる経口中絶薬「メフィーゴパック」の適正使用等について

 いわゆる経口中絶薬「メフィーゴパック」については、母体保護法指定医師のみが使用することとされていることや、厳格な管理が求められていること等から、本剤が適正に使用されるよう留意事項等を本ページでお示しします。

メフィーゴパックの概要

販売名 メフィーゴパック
一般名 ミフェプリストン/ミソプロストール
承認取得者 ラインファーマ株式会社
効能又は効果 子宮内妊娠が確認された妊娠63日(妊娠9週0日)以下の者に対する人工妊娠中絶
用法及び用量 ミフェプリストン錠1錠(ミフェプリストンとして200mg)を経口投与し、その36~48時間後の状態に応じて、ミソプロストールバッカル錠4錠(ミソプロストールとして計800μg)を左右の臼歯の歯茎と頬の間に2錠ずつ30分間静置する。30分間静置した後、口腔内にミソプロストールの錠剤が残った場合には飲み込む。

人工妊娠中絶は、母体保護法指定医師が所属する医療機関のみで実施可能です。
薬局やインターネットで購入することはできません。

有効性・安全性について

1. 有効性について
 国内第Ⅲ相試験において、主要評価項目とされたミソプロストール投与後24時間までに人工妊娠中絶が成功した被験者の割合は93.3%(112/120例)であった。

2. 安全性について
 国内第Ⅲ相試験における有害事象の発現割合は57.5%(69/120例)であり、主な有害事象は下腹部痛(30.0%)や嘔吐(20.8%)であった。重大な副作用としては、重度の子宮出血(0.8%)や感染症(頻度不明)等が報告されている。

メフィーゴパックの使用にあたっての留意事項について

 「 ミフェプリストン及びミソプロストール製剤の使用にあたっての留意事項について」(令和5年4月28日付け薬生薬審発0428第5号 ・子母発第54号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長・こども家庭庁成育局母子保健課長連名通知) において、メフィーゴパックの使用上の留意事項を示しています。

主な内容として、具体的には、以下を示しています。

1. 母体保護法指定医師の確認の下で投与を行うこと。

2. 本剤の適切な使用体制のあり方が確立されるまでの当分の間、入院可能な有床施設(病院又は有床診療所)において使用すること。また、ミソプロストール投与後は、胎嚢が排出されるまで入院または院内待機を必須とすること。この「適切な使用体制のあり方が確立されるまでの当分の間」については、承認後に十分な調査研究を実施し、その中で適切な医療連携体制のあり方について評価を行い、その結果に基づき検討・判断することとする。

3. 各都道府県医師会は、医薬品製造販売業者及び医療機関から、毎月それぞれ販売数量及び使用数量その他必要な報告を受け、それらの整合性を適宜確認すること等により、母体保護法指定医師に対する必要な監督・指導を行うこと。

メフィーゴパックの投与を希望する方へ

 本剤の投与にあたっては、添付文書などに基づき事前に医師が本剤の危険性及び有効性、並びに必要な対応等について十分に説明を行い、同意を得た場合に投与が可能となります。

主な留意事項は以下になります。

メフィーゴパックはオンライン診療で処方されません。医療機関に来院する必要があります。

本剤により下腹部痛があらわれます。異常な痛みが継続する場合には、正所異所同時妊娠の可能性もあること等から、速やかに本剤の処方医療機関に連絡してください。

本剤投与後、まれに重度の子宮出血があらわれることがあります。目安として夜用生理用ナプキンを 1 時間に 2回以上交換するような出血が 2 時間以上続く場合には、速やかに本剤の処方医療機関に連絡してください。

失神を伴う子宮出血が発現する可能性があることから、自動車の運転等危険を伴う機械の操作を行う場合は十分に注意してください。

本剤投与後一定期間経過した後でも、子宮内膜炎等の感染症があらわれることがあり、敗血症等の致死的な感染症も報告されているので、発熱、悪寒、倦怠感、腟からの異常な分泌物等の感染症が疑われる症状が認められた場合には、速やかに本剤の処方医療機関に連絡してください。

メフィーゴパックを用いた人工妊娠中絶が達成されなかった場合は、外科的処置が考慮されます。

メフィーゴパックによる人工妊娠中絶では、胎嚢が排出されても子宮内容物が遺残することがあります。その場合でも、必ず子宮内容物を除去する手術が行われるものではありません。

子宮内避妊用具(IUD)又はレボノルゲストレル放出子宮内システム(IUS)を装着している場合は、本剤の効果が得られないおそれや子宮損傷のおそれがあるため、本剤投与前にIUD又はIUSを除去する必要があります。


相談窓口

処方医療機関のほか、以下の窓口でも相談を受け付けています。

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患者・一般の方からの相談窓口 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (pmda.go.jp)

医薬品副作用被害救済制度

病院・診療所で出されたお薬、薬局等で買ったお薬を正しく使ったのに重い副作用が生じ、入院したりその後に障害が残ったりした場合に、医療費や年金などが給付される公的制度です。制度の詳細はPMDAにご相談ください。

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