腸管出血性大腸菌感染症に注意しましょう(令和5年6月22日)ー福岡県

参照元URL:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/ehec20170915.html

腸管出血性大腸菌感染症に注意しましょう

更新日:2023年6月22日更新

腸管出血性大腸菌感染症について

2022年(令和4年)は、過去5年間で腸管出血性大腸菌感染症の報告数が最も多い年となりました。
腸管出血性大腸菌は、食べ物から感染する場合もあれば、人から人へ感染する場合もあります。
自分の身や、身近な人の健康を守るため、腸管出血性大腸菌感染症の予防を行いましょう。

 

県内における発生状況

2022年(令和4年)は、過去5年間で腸管出血性大腸菌感染症の報告数が最も多くなっています。

腸管出血性大腸菌感染症報告数
2019 2020 2021 2022 (※1) 2023 (※2)
報告数(件) 198 181 182 254 45

※1 数値は速報値であり、今後変更となる可能性があります。

※2 第24週(6月12日~6月18日)までの累計値。

福岡県内における腸管出血性大腸菌感染症の報告数のグラフです。

腸管出血性大腸菌とは

 大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。病原大腸菌の中には、毒素(ベロトキシン:VT)を産生する腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあり、感染すると、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすことがあります。

 腸管出血性大腸菌は、菌の成分によりいくつかの種類があります。代表的なものは「O157」で、その他に「O26」や「O111」などが知られています。

症状について

 一般的な症状は腹痛、水様性下痢及び血便です。嘔吐や38℃台の高熱を伴うことがあります。さらに毒素の作用により、溶血性貧血や急性腎不全をきたし、溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こすことがあります。小児や高齢者では、けいれん、昏睡、脳症などによって致命症となることがあります。

 気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

感染経路

 腸管出血性大腸菌は、少量の菌数(10から100個程度)でも感染が成立し、人から人へ、または人から食材、食品への経路で感染が拡大しやすいとされています。
 腸管出血性大腸菌感染症が多発する夏季は、食中毒の予防をより徹底することが重要です。
 保育施設や高齢者施設における集団感染も報告されています。
 また、動物と接触することにより感染した事例も報告されています。

予防のポイント

1. 感染症予防の基本は手洗いです。調理時、食事前、トイレやおむつの取り替えの後は、石けんと流水で十分に手を洗いましょう。

2. 75℃1分以上の加熱で菌は死滅するとされていますので、調理にあたっては、中心部まで十分に加熱(75℃1分以上)し、調理した食品は速やかに食べましょう。

3. 調理済みの食品に菌がつかないよう、調理器具はよく洗いましょう。

4. 焼肉などでは、生肉専用の箸やトングを使い、食べる箸と使い分けましょう。

5. 乳幼児や高齢者など抵抗力が弱い方は、重症化することがありますので、生肉や加熱不十分な肉料理を食べないようにしましょう。

6. 患者のいる家庭では、糞便に汚染された下着等の取扱いに注意しましょう。

医療機関等関係者向け情報

 腸管出血性大腸菌感染症患者を診断した場合は、直ちに最寄りの保健所に届け出てください。

 溶血性尿毒症症候群(HUS)の診断、治療については、下記を参考にしてください。

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