【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.490(2023年6月23日)
2022年初夏に心筋炎で亡くなられた患者について、国立感染症研究所等における検査の結果、オズウイルス(Oz virus)による心筋炎と診断されたことが報告されました。
オズウイルスは、オルソミクソウイルス科トゴトウイルス属に属するウイルスで、2018年に国内のマダニから初めて分離・同定されたウイルスです。
これまでヒトを刺咬するマダニで検出されており、感染マダニの刺咬により感染する可能性が考えられますが、感染経路について現時点で確立された知見は得られていません。
なお、国内では、2013~2019年に得られたヒトの血清を用いた抗体検査の結果、抗オズウイルス抗体が陽性だったことが報告されているほか、
野生動物の血清抗体調査においても同ウイルスの感染歴があると考えられる野生動物が確認されています。
オズウイルスのヒトでの感染例における発症例、死亡例は今回の症例のみであり、臨床症状の特徴や感染経路等の解明のために、厚生労働省では本ウイルスに関する情報収集や調査研究を実施し、適切な対応を行ってまいります。
・「 オズウイルスによる心筋炎と診断された患者の報告について」(令和5年6月23日厚生労働省報道発表資料)
・病原微生物検出情報(IASR)速報:初めて診断されたオズウイルス感染症患者
・オズウイルス感染症とは
・オズウイルス感染症に関するQ&A
・ 「オズウイルスによる心筋炎と診断された患者の報告について(情報提供)」(令和5年6月23日付け厚生労働省結核感染症課事務連絡)
・「マダニ対策、今できること」(国立感染症研究所)
・ ダニ媒介感染症(厚生労働省)