【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.493(2023年8月4日)
渡航先や、渡航先での行動によって、感染する可能性のある感染症は異なりますが、
蚊や動物を介した感染症が世界的に報告されています。
病原体を媒介する蚊が生息する熱帯・亜熱帯地域では、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊に刺されないよう注意してください。
また、動物についてもどのような病原体を持っているか分からないことが多く、重篤な感染症の病原体を持っている可能性もありますので、むやみに動物に近づかない、動物に触れないことが大切です。
海外で感染症にかからないようにするために、感染症に対する正しい知識と予防方法を身に付けることが重要です。
医療従事者の皆さまにおかれましては、海外渡航者への感染症に関する注意喚起にご協力をお願いします。
■海外で注意すべき感染症
・デング熱
デング熱は、蚊に刺されることによって感染します。
アフリカ、南北アメリカ、東地中海、東南アジア、西太平洋地域の100カ国以上で流行しています。
アジアが全世界の感染者の約70%を占めていますが、2023年に入り、WHOアメリカ地域(※)で大規模な流行が報告されており、同地域における今シーズンの患者数が過去5 年間の平均患者数を上回ったことが報告されています。
WHOとは
<デング熱-WHOアメリカ地域>(2023年7月24日掲載)
・狂犬病
先進国を含む世界各地で発生している感染症です。海外ではむやみに動物に近づかないようにしてください。
・中東呼吸器症候群(MERS)
ヒトコブラクダが感染源の1 つとして考えられている感染症です。
2023年7月現在、WHOに報告された検査確定症例数は2,605例(うち死亡例は936例)となっており
2023年においてもオマーンやアラブ首長国連邦(UAE)などの国で患者の発生が報告されています。
中東地域では、ヒトコブラクダとの過度な接触や、非加熱肉・未殺菌の乳などの食品の摂取を避けてください。
<中東呼吸器症候群 – オマーン国>(2023年2 月12日掲載)
<中東呼吸器症候群 - アラブ首長国連邦>(2023年7月26日掲載)