参照元URL:https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=kXcrG-OBuV8LxsgDY
健康・医療
オミクロン株対応2価ワクチンの追加接種後の健康状況調査
- 「12歳以上用オミクロン対応ワクチンの令和5年春開始接種後の健康状況に係る調査の概要」[1.5MB]
第94回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)資料より抜粋(令和5年7月28日開催)
ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン
初回接種を完了した方を対象に、ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(2価:従来株/BA.1又は従来株/BA.4-5)による追加接種前後の抗体価の推移や、一定期間に起こった症状・疾病を調査しています。中間的に集計したものですので、今後、数値が変わることがあります。
■中間報告の抜粋
令和5年春開始接種としてファイザー社オミクロン株対応2価ワクチンを追加接種し抗体価を測定した328人の抗スパイクタンパク質抗体(抗S抗体)価を測定し、接種前12,287U/mL、接種1か月後23,492U/mL、接種3か月後18,227U/mL、接種6か月後14,633U/mLでした。接種前の抗ヌクレオカプシドタンパク質抗体(抗N抗体) が陰性であった被接種者の抗S抗体価は、接種前、接種1か月後、接種3か月後、接種6か月後それぞれ 8,678U/mL、18,791U/mL、15,194U/mL、12,320U/mL、抗N抗体陽性者はそれぞれ24,026U/mL、36,562U/mL、26,188U/mL、20,870U/mLであり、抗N抗体の陰性、陽性によって違いがみられました。
令和5年春開始接種として接種後1週間(Day8)の日誌が回収できた448人では、37.5℃以上の発熱が15.2%(38.0℃以上は5.6%)にみられ、局所反応は疼痛が84.8%にみられました。
モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン
初回接種を完了した方を対象に、モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(2価:従来株/BA.1又は従来株/BA.4-5)による追加接種前後の抗体価の推移や、一定期間に起こった症状・疾病を調査しています。中間的に集計したものですので、今後、数値が変わることがあります。
■中間報告の抜粋
令和5年春開始接種としてモデルナ社オミクロン株対応2価ワクチンを追加接種した86人の合計410人の抗スパイクタンパク質抗体(抗S抗体)価を測定し、接種前11,563U/mL、接種1か月後29,769U/mL、接種3か月後20,426U/mL、接種6か月後18,131U/mLでした。接種前に抗N抗体が陰性であった被接種者の抗S抗体価は、接種前、接種1か月後、接種3か月後、接種6か月後それぞれ7,893U/mL、23,716U/mL、17,836U/mL、16,058U/mLでしたが、抗N抗体陽性者はそれぞれ16,647U/mL、36,982U/mL、23,2484U/mL、20,513U/mLであり、抗N抗体の陰性、陽性によって違いがみられました。
令和5年春開始接種として2価ワクチン接種後1週間(Day8)の日誌が回収できた96人では、37.5℃以上の発熱が32.3%(38.0℃以上は13.5%)にみられ、局所反応は疼痛が87.5%にみられました。
ファイザー社の5~11歳用オミクロン株対応2価ワクチン
初回接種を完了した方を対象に、ファイザー社の5~11歳用オミクロン株対応2価ワクチン(2価:従来株/BA.4-5)による追加接種前後の抗体価の推移や、一定期間に起こった症状・疾病を調査しています。中間的に集計したものですので、今後、数値が変わることがあります。
■中間報告の抜粋
ファイザー社5~11歳用ワクチン(1価:起源株)を3回目接種し、抗体価を測定した46人の接種前の抗スパイクタンパク質幾何平均抗体価(抗S抗体)は2,977U/mL、6か月後7,285U/mLでした。
ファイザー社5~11歳用オミクロン株対応2価ワクチン(起源株/オミクロン株BA.4-5)追加接種をした19人のうち、抗体価を測定した13人の接種前の抗S抗体は、接種前6,347U/mLは1か月後27,064U/mLに増加し、3か月後13,166U/mLとなりました。
ファイザー社5~11歳用ワクチン(1価:起源株)3回目接種後1週間(Day8)までの日誌が回収できた116人では、37.5℃以上の発熱が16.4%(38.0℃以上は6.9%)にみられ、局所反応は疼痛が67.2%にみられました。
ファイザー社5~11歳用オミクロン株対応2価ワクチン(起源株/オミクロン株BA.4-5)追加接種後1週間(Day8)までの日誌が回収できた19人では、37.5℃以上の発熱が10.5%(38.0℃以上は5.3%)にみられ、局所反応は疼痛が94.7%にみられました。安全性情報は、ファイザー社5~11歳用ワクチン(1価:起源株)3回目追加接種と同様の傾向でしたが、被接種者数は少ないので、有害事象の発生率などの解釈には留意が必要と考えられます。