参照元URL:https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/surveillance/syphilis.html
掲載日:2024年3月13日
梅毒が増加しています! ~梅毒の流行状況~
梅毒の報告数は2010年以降増加し、2022年は感染症法に基づく調査開始以降、最多となりました。2023年は、2022年に次ぐ報告数となっており、男女ともに2021年以降、大きく増加しています。
男女別の報告数について
男性では20歳代後半~50歳代前半の報告数、女性では20歳代の報告数が大きく増加しています。
20歳代前半の女性の報告数が急増しています。
2023年は、2021年及び2022年と異なり、20歳代前半の女性の報告数が男性を含めた年齢別でも最多となりました。
怖い病気です
適切な治療を受けなければ、健康に深刻な影響が起こる場合があります。
梅毒は適切な治療を受けなければ、心臓や血管、脳などの複数臓器に病変が生じるなどの深刻な健康上の影響が起こり、場合によっては死に至ります(晩期顕症梅毒)。
埼玉県では2014年~2023年に晩期顕症梅毒は男性34人、女性10人の報告がありました。男性では40歳代が最も多く、次いで30歳代及び50歳代が多い傾向がありました。
晩期顕症梅毒の性別・年齢別報告数(2014年~2023年)
性別 | 30歳未満 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳以上 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 0人 | 6人 | 14人 | 6人 | 3人 | 5人 | 34人 |
女性 | 0人 | 0人 | 3人 | 1人 | 2人 | 4人 | 10人 |
胎児に影響を及ぼします。
妊娠している人が梅毒に感染すると胎児にも感染し、死産、早産、新生児死亡、先天異常が起こることがあります(先天梅毒)。
埼玉県では2014年~2023年に先天梅毒は14例の報告がありました(出生時に生存している症例に限ります)。また、2019年~2023年に、妊婦の梅毒の報告は45例あり、2023年は過去5年で最多の15例の報告がありました。
梅毒の症状・予防・治療について
梅毒には以下のような症状があります。疑わしい症状がある場合は検査を受けましょう。また、感染のリスクがある性行為をした場合も検査を受けましょう。
梅毒の症状について
Ⅰ期
感染後、3週間~3か月程度の状態。感染部位(主に口の中、性器、肛門)にしこりや潰瘍(かいよう)が生じます。また、股の付け根のリンパ節が腫れることもあります。痛みを伴わないことが多く、症状は自然に軽くなりますが、ひそかに病気が進行します。また、女性では気付きにくい時期です。
Ⅱ期
感染後、3か月程度経過すると、バラ疹(バラしん)とよばれる発疹が、手足の裏や体幹、顔面に発生することがあります。Ⅰ期と同じく、治療しなくても消えますが、治ったわけではありません。
晩期顕症梅毒
感染後、数年程度経過すると、ゴムのような腫瘤(ゴム腫)が皮膚や筋肉、骨などに出現することがあります。また、大動脈瘤などが生じる心血管梅毒や、精神症状や認知機能の低下などを伴う進行麻痺、歩行障がいなどを伴う脊髄癆が見られることがあります。
現在では、このような症例をみることは稀ですが、Ⅰ期やⅡ期の後、症状が消えたからと治療をせずにいると、晩期顕症梅毒や死に至ることもあります。
その他
眼や耳の症状や神経症状は感染後、どの時期でも起こりえます。
先天梅毒
妊娠している人が梅毒にかかると、胎盤をとおして胎児にも感染し、死産、早産、新生児死亡、先天異常が起こる場合があります。また、早期先天梅毒では、生後数か月以内に皮膚症状や骨軟骨炎、鼻閉などがみられます。晩期先天梅毒では、生後2年以降にHutchinson 3兆候(角膜実質炎、内耳性難聴、Hutchinson歯)などがみられます。
梅毒の予防について
・コンドームを適切に使用すること(ただし、コンドームで覆われていない皮膚や粘膜等から感染する可能性はあります)。
・不特定多数の人との性行為は、感染のリスクを高めます。定期的な検査及び治療、コンドームの適切な使用、自分や相手に疑わしい症状がある場合は性行為(オーラルセックスやアナルセックスを含みます)やキスを控える等、感染しない・感染させない対策をしましょう。
・特に妊娠中の女性及びそのパートナーは感染しないよう注意が必要です。
梅毒の治療について
・薬物による治療が有効ですが、医師の指導の下、治療を完了させる必要があります。また、医師が安全と判断するまでは性行為を控えましょう。
・梅毒は再感染します。自分が治療をしても、パートナーが感染していれば再度感染する可能性があるため、両者の治療が必要です。
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