【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.512 (2024年5月17日)
【手足口病】
手足口病の定点当たり報告数は第13週以降増加が続いており、全国での定点あたりの報告数は0.61(第18週)と、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
手足口病は、口の中や、手足などに水疱性の発しんが出る、ウイルス感染によって起こる感染症です。
子どもを中心に、主に飛沫や接触を介して感染します。多くが数日間のうちに改善しますが、稀に髄膜脳炎、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺などの重篤な合併症を伴うことがあります。
通常、夏に流行することが多いですが、新型コロナ流行後は初夏から患者の増加が見られています。
【RSウイルス感染症】
RSウイルス感染症の定点当たり報告数は第2週以降第16週まで増加が続き、全国での定点あたりの報告数は1.26(第18週)となっており、 昨年と同様の傾向で推移しています。
昨年は7月に流行のピークを迎えており、今年も夏にかけて流行する可能性があるので注意が必要です。
ウイルス感染症は、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児が1度は感染するとされています。
症状は軽い風邪のような症状から重い肺炎まで様々で、乳児が感染した場合や重症化リスクの高い基礎疾患をもつ小児では細気管支炎、肺炎など重症化することがあり、特に注意が必要です。
出典:
・ 厚生労働省 手足口病に関するQ&Aについて
・国立感染症研究所 「手足口病とは」(2014年10月17日改訂)
・感染症発生動向調査 感染症週報(IDWR)2021年第43号<注目すべき感染症> 手足口病・ヘルパンギーナ
・ 厚生労働省 RSウイルス感染症Q&A
・感染症発生動向調査 感染症週報(IDWR)2024年第15号<注目すべき感染症>RSウイルス感染症
・ 2024年第17週(4月22日〜4月28日)、2024年第18週(4月29日~5月5日):通巻第26巻第17・18号併号