【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.517 (2024年7月22日)
オロプーシェ熱は節足動物(ヌカカや蚊)により媒介されるウイルス感染症です。
近年、中南米地域を中心に患者が報告されてきた本疾患について、発生地域の拡大やヨーロッパにおける輸入症例が報告されています。
症状はデング熱に似ており、通常は発熱、頭痛、関節のこわばり、痛み、悪寒を伴い、時には吐き気や嘔吐が5~7日間続くこともあります。オロプーシェ熱に対する特異的な抗ウイルス治療法やワクチンはないことから、予防のためには、媒介節足動物に吸血されることを避けることが重要です。
医療従事者の皆様におかれましては、デング熱様症状を呈した患者について、デング熱、チクングニア熱及びジカウイルス感染症の検査結果が陰性の場合には、オロプーシェ熱の可能性を考慮いただくとともに、渡航歴や臨床症状等からオロプーシェ熱の可能性が考えられる患者を診察した場合には、最寄りの保健所に情報提供いただきますようお願いいたします。