参照元URL:https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/eiken/kikaku/tick-borne_disease.html
更新日:2024年12月4日
ダニ媒介感染症に注意しましょう
ダニ媒介感染症とは、病原体を保有するダニに刺されることによって起こる感染症のことで、中には死亡例が報告されているものもあります。人が野外作業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息場所に立ち入ると、ダニに刺されることがあります。ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、刺された人が感染症を発症することがあることから注意が必要です。
主なダニ媒介感染症
つつが虫病
・つつが虫病リケッチア(Orientia tsutsugamushi)による感染症です。
・病原体を保有しているツツガムシ(ダニの一種)に刺されることによって感染します。
・春~初夏、および秋~初冬の2つの発生ピークがあります。
・潜伏期間は5~14日です。
・主な症状は、発熱、発疹、刺し口の3つです。
39℃以上の高熱を伴って発症し、皮膚にはダニの刺し口がみられ、その後数日で体幹部を中心に発疹がみられるようになります。また、倦怠感、頭痛、リンパ節の腫脹がみられることも多いです。
日本紅斑熱
・日本紅斑熱リケッチア(Rickettsia japonica)による感染症です。
・病原体を保有しているマダニに刺されることによって感染します。
・例年5~10月にかけて、報告数が増加しています。
・潜伏期間は2~8日です。
・主な症状は、発熱、発疹、刺し口の3つです。
頭痛、発熱、倦怠感を伴って発症し、発疹は四肢から体幹に広がります。
報告年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
報告数(人) | 2 | 0 | 4 | 1 | 1 | 5 |
2024年12月2日時点
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
・ブニヤウイルス科フレボウイルス属の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスによる感染症です。
・病原体を保有しているダニに刺されることによって感染することがほとんどですが、ヒトからヒトへの感染も報告されています。
・潜伏期間は6~14日です。
・発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が主な症状です。頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状がみられることもあり、致命率は約30%とされています。
・これまでのところ、茨城県では報告がありません。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(国立感染症研究所HP)
マダニに気をつけましょう
茨城県内では、ヒトの刺症例が報告されているキチマダニ、ヤマアラシチマダニ、タカサゴキララマダニなどが広く生息していることがわかっています。生息場所は山林だけではなく、畑、公園、庭の草むらなど日常生活で出入りする身近な場所に生息している場合もあります。
キチマダニ成虫 | ヤマアラシチマダニ成虫 |
<撮影:茨城県衛生研究所> |
マダニに刺されないために
屋外での活動時には、長袖・長ズボン・帽子・手袋を着用、首にタオル巻くなどして、腕・足・首などの肌の露出を少なくしましょう。
出典:厚生労働省ホームページ:ダニ媒介感染症 |
帰宅時には服にマダニが付着していないか確認しましょう。明るい色の服をきていると、マダニを目視で確認しやすくなります。
シャワーや入浴でマダニにかまれていないかを確認しましょう。特にわきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)に注意してください。
出典:厚生労働省ホームページ:ダニ媒介感染症 |
また、マダニはヒト以外にもイノシシやシカなどの野生動物、ネコ、イヌなどのペットも吸血します。中でもSFTSウイルスは、感染したネコやイヌからヒトへの感染も報告されており、ペット用ダニ駆除剤の使用や散歩後にはペットも一緒にダニの付着をチェックすることも感染予防につながります。
ダニに刺された時の対処法
マダニに刺されても自覚症状がないことが多く、気が付かない場合が多いとされています。皮膚に吸着したマダニを無理に取ろうとすると、マダニの一部が皮膚内に残って化膿してしまうことがあります。マダニに刺されたら無理に取らず、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)を受けてください。
マダニを除去した後は、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱などの症状がある場合には医療機関で診察を受けてください。またその際は、屋外で活動した日時と場所などを医師に伝えるようにしましょう。
参考リンク・資料
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