参照元URL:https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=U7LC0b2iTGw4H7rBY
急性呼吸器感染症(ARI)
急性呼吸器感染症(ARI)とは
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)とは、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)又は下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群の総称です。インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルス、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナなどが含まれます。
Q&A
厚生科学審議会感染症部会での審議を経て感染症法施行規則の改正により、令和7年4月7日から急性呼吸器感染症が感染症法上の5類感染症に位置付けられ、定点サーベイランスの対象となります。
一般の皆様やご協力いただく医療機関の皆様にご理解いただきたいポイントをQ&A形式にまとめています。
Q1 急性呼吸器感染症とは何でしょうか。インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症とは違うのですか。
A1 急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)とは、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)又は下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群の総称です。インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルス、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナなどが含まれます。
Q2 なぜ急性呼吸器感染症を5類感染症に位置付けるのでしょうか。
A2 急性呼吸器感染症(ARI)は、飛沫感染等により周囲の方にうつしやすいことが特徴です。新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、[1]こうした流行しやすい急性呼吸器感染症の流行の動向を把握すること、また、[2]仮に未知の呼吸器感染症が発生し増加し始めた場合に迅速に探知することが可能となるよう、平時からサーベイランスの対象とするために、感染症法の5類感染症に位置付けることとしました。これにより、公衆衛生対策の向上につながると考えています。
Q3 今回の急性呼吸器感染症サーベイランスのような症候群サーベイランスは海外でも行われているのでしょうか。
A3 急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスやインフルエンザ様疾患サーベイランス(ILI)などの症候群サーベイランスは、各国の医療体制にあわせて調査項目は少しずつ異なりますが、米国、英国、フランス、ドイツ、スウェーデン等でも実施されている、国際的にもスタンダードな手法です。
(参考)
- ・ WHO:「症候群ベースの定点サーベイランス」として、インフルエンザ様疾患(Influenza Like Illness: ILI)・急性呼吸器感染症(ARI)・重症急性呼吸器感染症(Severe Acute Respiratory Infections: SARI)サーベイランスの実施を推奨。
- ・ 米国CDC:ILIの発生動向を把握するとともに、全米20カ所以上の救急部門を受診したARI患者において呼吸器ウイルスの陽性割合を監視。全米約600のラボから報告される呼吸器ウイルスの陽性割合を監視。
Q4 急性呼吸器感染症サーベイランスとはどのようなものでしょうか。急性呼吸器感染症定点医療機関及び急性呼吸器感染症病原体定点医療機関は何を行うことが求められるでしょうか。
A4 急性呼吸器感染症(ARI)定点医療機関には、多くの5類感染症の定点把握と同様に、1週間当たりの患者数を報告いただくようお願いします。発生届のように患者ごとに届出を作成・報告いただく必要はありません。また、急性呼吸器感染症(ARI)病原体定点医療機関には、これまでどおり、検体の提出をいただくようお願いいたします。
急性呼吸器感染症(ARI)定点医療機関及び急性呼吸器感染症(ARI)病原体定点医療機関の指定は、都道府県が実施いたします(なお、定点医療機関の数は、現在の数から減らすことを検討しています)。
このほか、急性呼吸器感染症(ARI)定点医療機関及び急性呼吸器感染症(ARI)病原体定点医療機関以外の医療機関に対し、新たに報告をお願いすることはありません。
Q5 急性呼吸器感染症定点医療機関は、どのような患者を報告しますか。また、急性呼吸器感染症病原体定点医療機関は、どのくらい検体を提出するのですか。
A5 「咳嗽(がいそう)、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁(びじゅう)、鼻閉(びへい)のどれか1つの症状を呈し、発症から10日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例」を、急性呼吸器感染症(ARI)定点医療機関からの報告対象とします。また、急性呼吸器感染症(ARI)病原体定点医療機関から提出いただく検体は、全ての患者から採取するのではなく、一部の患者からのみ採取します。検体の数等については、決まり次第、本ページに掲載いたします。
Q6 急性呼吸器感染症が5類感染症に位置付けられ、またサーベイランスの対象となることで、患者にはどのような影響があるのでしょうか。風邪のために病院に行く際の負担などが変わるのでしょうか。
A6 急性呼吸器感染症(ARI)を5類感染症に位置付けることによる、患者の皆様への影響はありません。診療上の扱いも何も変わりません。
5類への位置付けは、感染症の発生動向を把握できる体制を整え、国民や医療関係者の皆様へ情報提供するためのものです。
Q7 急性呼吸器感染症が5類感染症に位置付けられることで、風邪も就業制限や登校制限の対象となるのでしょうか。
A7 急性呼吸器感染症(ARI)が5類感染症に位置付けられることで、就業制限や登校制限の対象とはなりません。インフルエンザ等の個別の感染症について定められている運用についても変更はありません。
Q8 急性呼吸器感染症が5類感染症に位置付けられることで、特別な感染症対策は必要がありますか。
A8 基本的な感染症対策として、換気や手洗い・手指(しゅし)消毒(しょうどく)、マスクの着用を含めた咳エチケット などの実施について、国民に対し周知してきたところです。急性呼吸器感染症(ARI)が5類感染症に位置付けられることで、これら基本的な感染症対策の扱いを変更するものではありません。
Q9 急性呼吸器感染症に含まれる疾患について紹介したページを教えてください。
A9 インフルエンザ、COVID-19、マイコプラズマ肺炎、その他感染症(RSウイルス、咽頭結膜熱、等)に関するページのリンクを参照ください。