いわゆる経口中絶薬「メフィーゴパック」の適正使用等について (令和6年12月16日)

参照元URL:https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=0zJOchxUyBJjCFxBY

いわゆる経口中絶薬「メフィーゴパック」の適正使用等について

 いわゆる経口中絶薬「メフィーゴパック」については、母体保護法指定医師のみが使用することとされていることや、厳格な管理が求められていること等から、本剤が適正に使用されるよう留意事項等を本ページでお示しします。

メフィーゴパックの概要

販売名 メフィーゴパック
一般名 ミフェプリストン/ミソプロストール
承認取得者 ラインファーマ株式会社
効能又は効果 子宮内妊娠が確認された妊娠63日(妊娠9週0日)以下の者に対する人工妊娠中絶
用法及び用量 ミフェプリストン錠1錠(ミフェプリストンとして200mg)を経口投与し、その36~48時間後の状態に応じて、ミソプロストールバッカル錠4錠(ミソプロストールとして計800μg)を左右の臼歯の歯茎と頬の間に2錠ずつ30分間静置する。30分間静置した後、口腔内にミソプロストールの錠剤が残った場合には飲み込む。

人工妊娠中絶は、母体保護法指定医師が所属する医療機関のみで実施可能です。
本剤は医薬品製造販売業者⇒卸売販売業者⇒登録された医療機関のルートのみを通じて販売されることから、薬局やインターネットで購入することはできません。

 

有効性・安全性について

1 有効性について
 国内第Ⅲ相試験において、主要評価項目とされたミソプロストール投与後24時間までに人工妊娠中絶が成功した被験者の割合は93.3%(112/120例)であった。 

2 安全性について
 国内第Ⅲ相試験における有害事象の発現割合は57.5%(69/120例)であり、主な有害事象は下腹部痛(30.0%)や嘔吐(20.8%)であった。重大な副作用としては、重度の子宮出血(0.8%)や感染症(頻度不明)等が報告されている。
 

メフィーゴパックの使用にあたっての留意事項について

  「ミフェプリストン及びミソプロストール製剤の使用にあたっての留意事項について」(令和5年4月28日付け薬生薬審発0428第5号 ・子母発第54号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長・こども家庭庁成育局母子保健課長連名通知(令和6年11月29日改正))[290KB]において、メフィーゴパックの使用上の留意事項を以下のとおり示しています。

母体保護法指定医師の確認の下で、本剤の投与(ミフェプリストンの経口投与及びミソプロストールの口腔内への静置)を行うこと。

本剤の添付文書において、母体保護法指定医師は、緊急時に適切な対応が取れる体制(異常が認められた場合に本剤の投与を受けた者からの連絡を常に受ける体制や他の医療機関との連携も含めた緊急時の体制)の下で本剤を投与することとされていること。

関係団体による講習等の実施を始めとする適正使用を確実に進めるための体制整備が完了するまでの当分の間、本剤は入院可能な有床施設(病院又は有床診療所)において使用すること。

緊急時に適切な対応がとれる体制を鑑み、本剤の投与を受ける者の居住地が本剤を投与する医療機関の近隣ではない場合、ミソプロストール投与後は、胎嚢が排出されるまで入院または院内待機を必須とする。ミソプロストールを投与された者の帰宅の許可は、本剤の投与を受ける者が自宅での経過観察を希望し、当該者の居住地が以下の(1)及び(2)の全ての要件を満たす場合に限る。医療機関においては、本剤の投与を希望する者の居住地及び緊急時の来院方法等の確認を確実に実施すること。

(1)当該医療機関に容易に通院可能(当該医療機関を起点として半径16 キロメートルの区域内)。

(2)当該医療機関が所在する二次医療圏又は周産期医療圏内。

帰宅を許可した場合においては、自宅での胎嚢排出の有無にかかわらず、遅くともミソプロストール投与後1週間を目途に再来院させ、胎嚢排出の有無の確認を徹底すること。なお、胎嚢排出に至った可能性のある子宮出血が認められた場合は、1週間を待たずして必ず来院させること。万が一、再来院がない場合は、本剤による人工妊娠中絶の成否の確認及び人工妊娠中絶の安全性を担保する観点から、本剤の投与を受けた者に対して医療機関から直接連絡を行い、再来院を指示すること。

本剤の承認に際し「本剤が母体保護法指定医師のみにより使用されるよう、関連団体等と連携して流通等の管理を実施することも含め、必要な措置を講じること」が承認条件として付されており、流通管理手順書等において、各都道府県医師会は、医薬品製造販売業者及び医療機関から、毎月それぞれ販売数量及び使用数量その他必要な報告を受けることとされている。各都道府県医師会は、それらの整合性を適宜確認すること等により、母体保護法指定医師に対する必要な監督・指導を行うこと。その際、各地域の実情に合わせた運用を行うことは差し支えない。

自宅等で子宮内容物が排出された場合であっても、医学的な評価に用いる可能性も考慮し医療機関に持参することを推奨する。妊娠4か月未満の死胎は墓地、埋葬等に関する法律(昭和23 年法律第48 号)の対象ではないが、人工妊娠中絶を経験した女性等の心情に配慮しながら、各医療機関において、適切に取り扱われるようお願いする。ただし、排出された子宮内容物を医療機関に持参することについては、当事者の心情等を踏まえ、医療機関において十分な情報提供を行い、各地域における取り扱いを確認の上で最も適切な対応が行われるようお願いしたい。

母体保護法指定医師が、医学上適切な方法において本剤を使用する場合には、本剤による一連の人工妊娠中絶は、母体保護法第2条2項の「人工妊娠中絶」の定義に該当するものであり、仮に、ミソプロストール投与前に胎嚢の排出が認められ、母体保護法指定医師がミソプロストールを投与しないと判断する場合も母体保護法に基づく人工妊娠中絶が行われていると解することができること。

メフィーゴパックの投与を希望する方へ

 本剤の投与にあたっては、添付文書などに基づき事前に医師が本剤の危険性及び有効性、並びに必要な対応等について十分に説明を行い、同意を得た場合に投与が可能となります。

 主な留意事項は以下になります。

メフィーゴパックはオンライン診療で処方されません。医療機関に来院する必要があります。

本剤により下腹部痛があらわれます。異常な痛みが継続する場合には、正所異所同時妊娠の可能性もあること等から、速やかに本剤の処方医療機関に連絡してください。

本剤投与後、まれに重度の子宮出血があらわれることがあります。目安として夜用生理用ナプキンを 1 時間に 2回以上交換するような出血が 2 時間以上続く場合には、速やかに本剤の処方医療機関に連絡してください。

失神を伴う子宮出血が発現する可能性があることから、自動車の運転等危険を伴う機械の操作を行う場合は十分に注意してください。

本剤投与後一定期間経過した後でも、子宮内膜炎等の感染症があらわれることがあり、敗血症等の致死的な感染症も報告されているので、発熱、悪寒、倦怠感、腟からの異常な分泌物等の感染症が疑われる症状が認められた場合には、速やかに本剤の処方医療機関に連絡してください。

メフィーゴパックを用いた人工妊娠中絶が達成されなかった場合は、外科的処置が考慮されます。

メフィーゴパックによる人工妊娠中絶では、胎嚢が排出されても子宮内容物が遺残することがあります。その場合でも、必ず子宮内容物を除去する手術が行われるものではありません。

子宮内避妊用具(IUD)又はレボノルゲストレル放出子宮内システム(IUS)を装着している場合は、本剤の効果が得られないおそれや子宮損傷のおそれがあるため、本剤投与前にIUD又はIUSを除去する必要があります。



 なお、ラインファーマ株式会社のホームページにおいても、医療関係者向け及び一般の方向けに情報提供がされていますのでご参照ください。

ラインファーマ株式会社ホームページ
▶ 医療関係者のみなさま 
▶ 一般・メフィーゴパックを服用される方

いわゆる経口中絶薬の個人輸入について

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