[ 詳細報告 ]
分野名:自然毒等による食中毒
衛研名:岡山県環境保健センター
報告者:保健科学部衛生化学科 難波順子
事例終息:事例終息
事例発生日:2023/11/07
事例終息日:2023/11/17
発生地域:岡山県美作市
発生規模:小規模
患者被害報告数:1名
死亡者数:0名
原因物質:イルジンS
キーワード:植物性自然毒、ツキヨタケ、イルジンS
概要:
山で採取したキノコを持ち帰り、みそ汁にして喫食し、嘔吐・下痢の症状がある患者を診察した医師から保健所に食中毒発生届が提出された。担当課職員が聞き取り調査を行ったところ、患者家族からキノコの残品(5検体)が提供されたため、検査依頼があった。キノコ毒成分の検査を行ったところ、提供された全ての検体(5検体)から、65~660㎍/gのイルジンSが検出された。
背景:
全国では、毎年有毒な野生キノコによる食中毒が発生しており、ツキヨタケによる食中毒は、最多となっている。
地研の対応:
LC-MS/MSによるキノコ中の毒成分の同定及び定量を行った。
行政の対応:
毒キノコによる食中毒の発生について、11月10日にプレス発表をし、啓発を行った。
原因究明:
提供されたキノコの残品から、イルジンSが含まれていることをLC-MS/MS測定により確認した。
診断:
提供された全ての検体(5検体)から、65~660㎍/gのイルジンSが検出された。
地研間の連携:
なし
国及び国研等との連携:
なし
事例の教訓・反省:
なし
現在の状況:
2023年度にLC-MS/MSを更新したため、新機種で測定できる体制を整える。
今後の課題:
なし
問題点:
なし
関連資料:
笠原義正、伊藤健:LC/MS/MSによるツキヨタケおよび食中毒原因食品中のilludin Sの分析