参照元URL:https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/eiken/kikaku/sfts.html
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注意しましょう
重症熱性血小板減少症候群(SFTS:Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome)は、SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症で、感染症法では四類感染症に位置付けられています。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?
病原体
フェヌイウイルス科バンダウイルス属の重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV:Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome Virus)による感染症です。
感染経路
主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺されることにより感染します。地域により、SFTSウイルスを媒介するマダニの種類は異なりますが、国内ではフタトゲチマダニとキチマダニがヒトへの感染に関与しているとされています。
また、SFTSウイルスに感染した動物や患者の血液や体液との接触により感染することもあります。茨城県内では、2025年に伴侶動物(ペット)からSFTSウイルスが検出されています。
症状
潜伏期間は6~14日(通常7~10日)とされており、主な症状は、発熱や全身倦怠感、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)です。重症化すると、意識障害などの神経症状や出血症状が出現し、死に至ることもあります。
治療
特異的な治療方法はないため、対症療法が中心となります。
予防
マダニに刺されないために
- ・草むらなどマダニが多く生息する場所に立ち入る場合は、長袖・長ズボンを着用する等、肌の露出を少なくしましょう
- ・屋外活動の際は、マダニに対する忌避剤(虫よけ剤)を使用しましょう(現在は、ディート・イカリジンの2種類の有効成分を含む忌避剤が市販されています)
- ・屋外での活動後は、マダニに刺されていないか確認しましょう
マダニに刺された場合の対処法
- ・吸血中のマダニを見つけた場合は、自分で取ろうとせず、できるだけ医療機関で処置しましょう(無理に引き抜くことで、マダニの一部が皮膚内に残ってしまい化膿することがあります)
- ・マダニに刺された後に、発熱等の症状が出現した場合は医療機関を受診しましょう
「ダニ」にご注意ください(PDF:600KB)(厚生労働省:啓発ポスター)
マダニ対策、今できること(国立健康危機管理研究機構)(外部サイトへリンク)
動物からの感染を防ぐために
- ・ペットとの過剰なふれあいは避け、ペットに触れた後は必ず手洗いをしましょう
- ・安易に野生動物に触らないようにしましょう
- ・屋外からペットが帰宅したら、ダニがついていないか確認しましょう
- ・ダニがペットの皮膚に食い込んでいる場合は、動物病院を受診し、適切な処置を受けましょう
- ・ペット用のダニ駆除剤もありますので、使用にあたっては獣医師にご相談ください
マダニに注意ダニャン!!(PDF:1,128KB)(厚生労働省:啓発ポスター)
動物由来感染症(ズーノーシス)ハンドブック2025(外部サイトへリンク)(厚生労働省)
動物由来感染症について~知っておいてほしい動物から人に感染する病気~(茨城県保健医療部生活衛生課)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)発生状況は?
2013年に初めて国内でSFTS患者が確認されて以降、SFTS症例報告数は増加傾向にあり、近年では年間100例前後の報告となっています。これまでに茨城県内でのSFTS症例の報告はありません。
SFTS症例の届出は西日本(九州、四国、中国、近畿地方)が中心となっていますが、徐々に届出地域及び推定感染地域が拡大しています。
SFTS症例の届出地域(2025年4月30日現在)国立健康危機管理研究機構ホームページから引用(外部サイトへリンク)
参考情報
ダニ媒介感染症(厚生労働省)(外部サイトへリンク)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(厚生労働省)(外部サイトへリンク)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(国立健康危機管理研究機構)(外部サイトへリンク)
動物由来感染症(厚生労働省)(外部サイトへリンク)