『保健医療科学』2026 Vol.75 No.2 p.197-198
<研修報告>
令和 7 年度専門課程Ⅰ
保健福祉行政管理分野
都道府県別のフッ化物洗口実施割合とう蝕歯数の変化率との関連―
瀧澤伸枝
Association between school-based fluoride mouth-rinse utilization and the rate of change in dental caries across prefectures
TAKIZAWA Nobue
抄録
【背景と目的】フッ化物応用は科学的根拠のあるう蝕予防法で,なかでもフッ化物洗口はう蝕の予防効果が高いことが報告されている.しかしながら集団でのフッ化物洗口の実施率は都道府県間で大きな差が認められる.本研究の目的は,都道府県別にみた小学校におけるフッ化物洗口実施施設の割合とう蝕歯数の変化率との関連を明らかにすることである.
【方法】本研究では都道府県別の公的データを用いた.平成 20(2008)年における都道府県別の 12歳児平均う蝕歯数をもとに,都道府県を 3 群に分け,フッ化物洗口実施割合とう蝕変化率をフィッシャーの正確確率検定を用いて検討した.また,12 歳児の一人平均う蝕歯数を目的変数,フッ化物洗口の実施状況や地域の社会経済指標を説明変数とした重回帰分析を行い,関連を検討した.
【結果とまとめ】平成20(2008年)時点で平均う蝕歯数が高かった自治体においては,平成30(2018)年時点のフッ化物洗口実施施設割合が高い自治体において,経年的なう蝕歯数の変化率が有意に改善傾向にあった.また,学歴及びフッ化物洗口実施割合は,12 歳児の一人平均う蝕歯数と関連することが明らかになった.
キーワード: フッ化物洗口,う蝕予防,社会的決定要因,学校保健統計調査,生態学的研究
