【保健所健康危機管理事例H23】
広域的に発生した焼肉チェーン店による食中毒事件
〔作成者〕
富山県砺波厚生センター
〔発生年月日〕
2011/04/27~不明
〔概要〕
○営業者への対応
・27日の立ち入り調査の結果、全店舗で同一仕入れ先の食肉を提供していたことが判明。砺波店の営業停止とあわせて県内6店舗で生肉の販売自粛となる。
・29日に県内初の死亡例をうけ、県内外全20店舗の営業を自粛する。
・30日高岡駅南店が3日間の営業停止となる。
・5月4・5日に患者が相次いで死亡し、6日「砺波店」「高岡駅南店」が営業禁止となる。また、富山山室店が3日間の営業停止となる。
○健康危機事例への対応
・砺波店の患者は22日と23日の喫食でピーク形成。
・患者は症状出現後数日のうちに、重症化の兆候を呈し、管内の中核医療機関は重症患者の受け入れが難しくなり、独自で患者の受け入れ病院を振り分けていた。30日からは県がHUSに対応できる医療機関の調整支援を開始。
・県内外の受け入れ病院からは「これまでのHUSとちがう」ことから、他の主治医との情報交換を求める声がきかれ、5月2日より県が事務局となりMLの運用開始し、患者の重症化予防につながった。
○感染源の調査
・喫食調査からユッケが推定
・横浜市内店舗の生食用食肉1検体と砺波店利用患者8名、高岡駅南店利用患者2名、高岡駅南店従事者2名、横浜市内店舗従事者1名のO111VT(-)14検体の遺伝子パターンが一致
〔原因/端緒〕
4月27日午前、管内の医療機関から同一家族でEHEC患者2名の届出があった。調査したところ、他のグループで同様患者3名が治療中(内1名はHUS発症)であり、全員が管内の同一焼肉店を利用していたことが判明。入院を要する方を含め患者が増加しており、早急な対応が必要と判断し、同日中に営業者を処分し、公表した。
〔患者/死者/負傷者〕
富山県患者総数:患者175(うち死亡3名)
砺波店(再掲):100名(うち死亡者3名含む)
高岡駅南店(再掲):51名
富山山室店(再掲):24名
〔症状/被害状況〕
下痢・腹痛 約80%
血便 51%
嘔吐 27%
発熱 25%
(上記調査途中のため未確定値)