【海外情報】 アフリカ(ベナン、ブルキナファソ、チャド、コートジボワール、ガーナ)アフリカ髄膜炎(平成24年3月25日)2012/04/02

各国別海外感染症情報

説明 情報源:WHO

地 域:アフリカ

 国 :ベナン、ブルキナファソ、チャド、コートジボワール、ガーナ

感染症:アフリカ髄膜炎

病原体:髄膜炎菌

内 容:

2012年3月23日-2012年1月1日から3月11日までの10週間に、ベナン、ブルキナファソ、チャド、コートジボワール、ガーナの15の地区で髄膜炎菌性疾患の集団発生が報告されました。(表1参照)

これらの集団発生は、14カ国(注2)で行われたアフリカ髄膜炎ベルトの監視強化の結果、発見されましたが、それにより639例の死亡例を含む合計6,685例の髄膜炎疑い症例が報告されています。

今回の髄膜炎の発生は、主にW135型の髄膜炎菌が原因となっています。チャドでは、1つの地区では髄膜炎菌W135が集団発生の原因となっていましたが、この地域で優勢である病原体は髄膜炎菌Aです。髄膜炎菌Aは常にサハラ以南のアフリカでの髄膜炎流行の主な要因となっていましたが、2002年以降、同地域で髄膜炎菌W135による髄膜炎の流行が発生しています。

同症発生国では、サーベイランスの強化や、患者の治療強化、ワクチンの集団接種キャンペーンの実施によって対応しています。流行性髄膜炎を抑えるためのワクチン提供を行う国際調整グループ(ICG)は、117,500回分の多糖体ACWワクチンの提供をコートジボワールに、195,540回分の多糖体ACYWワクチンの提供をガーナに、さらに359,000回分の結合型髄膜炎菌Aワクチンの提供をチャドに、それぞれ認可し、必要に応じて注射器具と抗生物質も提供することとしています。ICGは、国連児童基金(UNICEF)、国境なき医師団(MSF)、赤十字?赤新月社連盟(IFRC)、及びWHOから構成されています。

髄膜炎菌W135の発生に対応できる適切なワクチンの供給量は現在限られています。ワクチンの在庫を維持し、発生の拡大への対応を確実にするため、WHOとUNICEFはワクチン製造者と密接に協力しています。WHOは旅行者に対し、髄膜炎ワクチン接種を更新し続けることは重要であり、渡航上の注意に従うよう、注意喚起しています。WHOはまた、アフリカの髄膜炎ベルトの国々への渡航予定者に対し、流行の原因となっている髄膜炎菌の4つの血清タイプに有効なワクチン(ACYW135の4価ワクチン)を接種するよう、強く呼びかけています。

     (表1)

国名(注1) 髄膜炎疑い症例 死者 死亡率(%) 優勢病原体 流行地域数ベナン 381 38 10 NmW135 3ブルキナファソ 1966 212 10.8 NmW135 2チャド 1043 67 6.4 NmA 6コートジボワール 281 39 13.9 NmW135 1ガーナ 369 37 10 NmW135 3

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(注1) ガーナを除き、10週目までのデータである。(注2) 監視強化を行ったアフリカ髄膜炎ベルトの14カ国とは、ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コートジボワール、コンゴ共和国、エチオピア、ガーナ、マリ、ニジェール、ナイジェリア、スーダン、トーゴである。

(情報提供)

関西空港検疫所FORTH(海外旅行者のための感染症情報)

公開日:2012年04月02日

カテゴリー: 感染症