【保健所健康危機管理事例H23】
富山県高岡市内の焼肉店における食中毒事件について
〔作成者〕
富山県高岡厚生センター
〔発生年月日〕
2011/4/19~2011/5/5
〔概要〕
複数の系列焼肉店における食中毒事件の1事例であり、患者数は51名、原因食品はユッケと推定され、病因物質は病原大腸菌O111及びO157であった。HUSや脳症等重篤な症状を示す患者の割合が高かった。発端となった患者の便からは菌が検出されず、HUSを呈していた2名の患者の血清抗体価を測定することにより腸管出血性大腸菌感染症の診断を得た。当初、3日間の営業停止処分を行ったが、改善が図られる見込みがなく、後に営業禁止処分が行なわれた。また、原因食品のユッケは「生食用食肉の衛生基準」に基づく処理が行われておらず、同年10月に生食用食肉の規格基準が設定されることとなった。
〔原因/端緒〕
平成23年4月28日に焼肉店利用者の保護者より「子供が腹痛、血便等の食中毒症状を呈し、病院に入院している。」旨の通報がある。前日、砺波厚生センター管内の同一系列店で食中毒事件が発生し、営業停止処分が行われていたことから、調査を開始した。
〔患者/死者/負傷者〕
患者51名、死者なし
〔症状/被害状況〕
下痢、腹痛、発熱、嘔気・嘔吐、HUS、脳症