【保健所健康危機管理事例H23】
結核の集団感染事例
〔作成者〕
東京都世田谷保健所
〔発生年月日〕
2011/9/16~2013/9/1予定(経過観察終了)
〔概要〕
長女(平成23年8月29日肺結核bⅢ2喀痰塗抹G4号で登録)の結核登録を受け、同居家族の接触者健診を実施。その結果、本人と長男(平成23年9月8日肺結核b2喀痰塗抹G10号で登録)の結核発病、妻の感染が判明。本人と接触があった親戚や勤務先関係、入院機関の職員、同室者等、接触者健診を広範囲に実施。結果、出張先の同僚1名が結核登録(肺結核lⅢ1喀痰塗抹1+)、そして9名が潜在性結核感染症で登録となった。本人、長女、長男、出張先の同僚の菌がRFLP法で一致したこと、また本人の排菌期間が長期間に及んだことより、本事例は本人からの感染拡大であると考えられた。
〔原因/端緒〕
55歳男性会社員が平成23年9月16日肺結核bⅡ2喀痰G2号で登録。平成21年2月に肺の病変を指摘されていたが、既往の精巣腫瘍の肺転移と判断されており、喀痰検査は実施されていなかった。
〔患者/死者/負傷者〕
発病者(肺結核)3名
感染者(潜在性結核感染症)9名
経過観察(胸部レントゲン経過観察)10名
〔症状/被害状況〕
結核診断の遅れにより排菌期間が長期間に及んだため、広範囲に接触者健診を実施。10以上の自治体に渡って、計65名の接触者健診を行った。