【保健所健康危機管理事例H23】
鯵の塩焼きを原因食品とするヒスタミンによる食中毒
〔作成者〕
熊本市保健所
〔発生年月日〕
2011/5/24~2011/5/24
〔概要〕
患者の共通食は原因施設での食事のみであり、検食の鯵の塩焼きから食中毒を起こすのに十分な濃度のヒスタミン(4,000ppm)が検出されたこと及び発症状況がヒスタミン食中毒の特徴に合致していることから、原因施設で提供された鯵の塩焼きを原因食品とするヒスタミンによる食中毒と断定した。発生原因としては、原材料の鯵が調理前日に7箱納入されており、納入時の発泡スチロール箱のままプレハブ冷蔵庫に7箱とも同方向に重ねられ密閉された状態で保管されていたため、発泡スチロールの持つ保温性により箱内部が十分に冷却されず、納品から加熱調理までの約19時間の間にヒスタミン生成菌によりヒスタミンが生成された可能性が高いと推察された。
〔原因/端緒〕
原因食品:鯵の塩焼き
病因物質:ヒスタミン
探知:事業所からの届出
〔患者/死者/負傷者〕
患者157名(摂食者301名)
死者数0名
〔症状/被害状況〕
潜伏時間:0~6時間(平均潜伏時間:1.4時間)
主な症状:下痢(発顕率 54%)、頭痛(発顕率 47%)、顔・体のほてり(発顕率 40%)