【保健所健康危機管理事例H21】
高等学校における結核集団発生事例からの教訓
~広範囲に及んだ感染の要因分析~
〔作成者〕
奈良県郡山保健所
〔発生年月日〕
2009/4/17~2011/10/31
〔概要〕
宗教団体に所属する高等学校で結核患者が発生した。感染リスクが高い環境に気づかず接触者健診の設定見直しが必要となった。患者家族からの聞き取りや宗教団体に対する結核の正しい知識の理解及び接触者健診の判断基準の相違等が感染拡大の要因となった。
〔原因/端緒〕
平成21年4月17日結核患者発生届を受理する。集団感染の背景の一因として、宗教団体に所属する高等学校で学校行事や宗教活動による感染暴露環境であった。
接触者健診の判断基準が保健所によりばらつきがあり、標準化が必要であった。
〔患者/死者/負傷者〕
結核患者:9人
潜在性結核感染症:36人
接触者健診対象者数:249人
全国21保健所へ接触者健診依頼
〔症状/被害状況〕
初発患者の病型は、bⅡ2、ネブライザー吸入刺激によるG(3+)、喀痰G(1+)である。
中学校の接触者健診実施が接触後1年6ヶ月後になり同級生4人が発病し潜在性結核感染症が16人となった。