【管内情報】 川薩保健所管内における風しん流行に伴う対応について

はじめに

2013年全国的に風しんの流行がみられ,鹿児島県では386例の報告があった。その87%にあたる337例が川薩保健所管内に集積していたが,全国の傾向と同様に20~40歳代の男性が多く,風しんワクチン未接種の世代を中心とした流行であった。管内 における男女別報告数は,男性269例,女性68例であり20~40歳代の男性の報告数 は212例であった。今回,職場及び妊婦等に対して当保健所で行った職場での感染拡大防止,先天性風しん症候群(CRS)発生予防のため実施した対応について報告する。

保健所の対応

(1)情報提供

    • 管内市町,教育委員会,医師会等に風しん流行の情報提供・注意喚起を行った。
      ホームページや県政広報テレビ等の広報媒体を活用してCRS発生予防等の情報提供を行った。
    • 職場向けの健康教育情報誌での情報提供や鹿児島県労働基準協会主催の会,学校関係者の会で注意喚起を行った。
    • 管内産婦人科医療機関を訪問し,妊婦の同居家族への情報提供,産褥早期の女性で必要な者に対し予防接種勧奨を依頼した。

(2)予防接種

    • 管内市町と予防接種助成事業について協議を行い,妊娠を希望している女性,妊婦の夫,妊婦の同居家族等を対象として実施するとともに,予防接種の受診勧奨を市町とともに行った。

(3)情報収集・調査

    • 国立感染症研究所とともに感染経路等やCRS発生リスクが高い妊婦の把握のため職場等に対する調査や管内市町の協力を得て妊娠届出者を対象としたアンケート調査を168名に実施した。結果,妊婦で風しんHI抗体価32倍未満の妊婦が約3割であり,フォローアップが必要であると推定され,フォローアップ体制構築のため,市町,医療機関等と検討会を実施し,妊産婦への支援体制を整えた。
    • 職場等での流行状況や患者周囲に妊婦がいないか等の把握を行うとともに,感染拡大防止を図るため発生届と併せて保健所独自の調査票の提出を市郡医師会へ依頼した。

 

公開日:2014年08月27日

カテゴリー: 感染症