[ 詳細報告 ]
分野名:細菌性感染症
登録日:2016/03/17
最終更新日:2016/05/26
衛研名:川崎市衛生研究所
発生地域:川崎市高津区(現、宮前区)鷺沼
事例発生日:1978年3月
事例終息日:1978年5月
発生規模:
患者被害報告数:0名
死亡者数:0名
原因物質:O1コレラ菌(コレラエンテロトキシン産生株)
キーワード:コレラ菌、コレラエンテロトキシン、人工透析、河川水、定点観測
背景:
我が国の海外旅行者が増加し、コレラ汚染地域への旅行者も増加してきた。その結果、現地でコレラ菌に感染し、帰国後に発症する事例が増加している。
概要:
横浜港検疫所の定期海水調査で、港湾海水よりコレラ菌を検出する。その流入河川の遡り調査で、川崎市高津区内の人工透析専門のIクリニックの透析廃液用の浄化槽が何らかの原因でコレラ菌に汚染(5.8×106/ml)されていた事実が判明した。その廃液が有馬川から川崎市と横浜市の境を流れる鶴見川を汚染し、横浜港まで到達していた。
原因究明:
河川の遡り調査により、本市高津区のI透析クリニックの透析液廃液層よりO1コレラ菌(CT産生株)を検出する。
診断:
地研の対応:
当所では行政当局より連絡を受け、コレラ菌の検査体制をとり、検体の処理にあたる。
河川の遡り調査で原因施設が判明後、河川の消毒(次亜塩素酸ソーダ)を担当する。
行政の対応:
コレラ菌が本市の河川より検出され始めてから、衛生局環境衛生課、当該保健所、衛生研究所を中心に対策委員会を設置し、市民に情報を提供した。
地研間の連携:
検出状況、検査方法等を近隣地研と情報交換をする。
国及び国研等との連携:
予研(現、感染研)や横浜検疫所検査課と検出方法や検出結果の情報交換をする。
事例の教訓・反省:
本事件後、全国各地の自治体で各地研を中心に河川水の定点観測が始まる。
現在の状況:
神奈川、千葉、埼玉など全国の中小河川でO1コレラ菌を検出報告がある。
今後の課題:
問題点:
関連資料: