No.504 スーパーの寿司による腸炎ビブリオ食中毒

[ 詳細報告 ]
分野名:細菌性食中毒
登録日:2016/03/17
最終更新日:2016/05/26
衛研名:山形県衛生研究所
発生地域:山形市、米沢市他21市町村
事例発生日:1999年8月
事例終息日:
発生規模:
患者被害報告数:674名
死亡者数:0名
原因物質:腸炎ビブリオO3:K6
キーワード:腸炎ビブリオO3:K6、生寿司、PCR、TDH

背景:

概要:
1999年8月、山形県内広くに店舗をもつスーパーで購入した生寿司を食べた674名が、下痢、腹痛、嘔吐等の食中毒症状を呈し、患者便48検体中34検体から腸炎ビブリオ(O3:K6)が分離された。原因食品の生寿司は、8月11日~14日に製造されたもので、この時期はお盆のため寿司の需要が多く、原因施設の製造所では通常の数倍の量が製造された(13日には7,568パック)。原材料および製品を長い時間室温放置したこと、寿司ネタのスライスに長時間要しているが、この間器具の洗浄消毒や交換は全く行っていなかった等の要因により、汚染が広がったものと考えられた。

原因究明:
検査材料として、患者便48検体、残品62検体、ふき取り17検体、原材料17検体、従事者便73検体を用いて細菌検査を実施した。その結果、患者便34検体から腸炎ビブリオO3:K6が分離された。残品2検体からも腸炎ビブリオが分離されたが患者便とは異なる血清型であった(O11:K50、O3:K5)。その他の検体から腸炎ビブリオは分離されなかった。患者便から分離された腸炎ビブリオ(O3:K6)34株は全てPCR法によりTDH陽性であった。残品から分離された2株はTDH陰性であった。

診断:

地研の対応:
保健所及び医療機関からの依頼に基づき分離菌の血清型、毒素保有状況について検査を実施した。

行政の対応:
1) 原因施設に5日間の営業停止命令
2) 施設及び食品取扱いの衛生管理について、改善通知および改善状況の確認
3) 調理従事者(パート、アルバイトを含む)を対象に衛生講習会の実施

地研間の連携:

国及び国研等との連携:

事例の教訓・反省:

現在の状況:

今後の課題:

問題点:

関連資料: