[ 詳細報告 ]
分野名:その他
登録日:2016/03/11
最終更新日:2016/05/27
衛研名:福岡県保健環境研究所
発生地域:福岡県山田市
事例発生日:2001年5月18日
事例終息日:2001年5月20日
発生規模:
患者被害報告数:0名
死亡者数:0名
原因物質:廃棄物(安定5品目)
キーワード:産業廃棄物最終処分場,廃プラスチック,火災,揮発性有機化学物質
背景:
産業廃棄物安定型埋立処分場に起因する事故は、不適正処理や処分場の管理が不十分なことから、日本の各地で起こっている。
概要:
安定型最終処分場(許可品目:廃プラスチック類、金属くず、ゴムくず、がれき類)で、埋立地に一時保管していた埋立て予定の廃棄物(野積み保管)が燃焼する火災が発生した。約2,000平方メートルの範囲でプラスチックを含む廃棄物が52時間にわたって燃えた。
原因究明:
火災の原因は不明であるが、定性的には、埋立地で発生したメタンガスが保管廃棄物層内に溜まり、出火しやすい状況になっていた。また、埋立て廃棄物の多くがプラスチック類で火が燃え広がりやすい状況であった。
診断:
地研の対応:
山田市から保健所、県庁環境部を経由して保健環境研究所に火災の発生が通報された。火災現場近くの有毒気体濃度を把握するため、塩化水素、硫化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、シアンについて検知管による大気測定を行った。また、バッグに試料を捕集し、揮発性の有機化合物をGCで測定した。塩化水素、シアン等の有毒気体は検出されなかったが、火災発生時、敷地境界でベンゼンが環境基準を超えて検出された。
行政の対応:
環境部環境保全課、廃棄物対策課、監視指導課、嘉穂保健所、保健環境研究所を含む対策チームを編成、現地調査や情報の収集を行った。
地研間の連携:
なし
国及び国研等との連携:
なし
事例の教訓・反省:
埋立処分場における埋立て廃棄物の火災を想定していなかった。
現在の状況:
消火後、行政指導を実施する。
今後の課題:
GISによる埋立処分場の情報一元化および埋立処分場の管理・指導マニュアルの作成。埋立処分場は、土地利用の上に成り立っている。このため、埋立処分場の情報を地図情報として保有し、緊急時に調査地点を迅速に選定するとともに、住民への情報の提供を容易にするための資料とする。また、埋立処分場の管理マニュアルを作成し、地表温度やメタンガスの発生の確認を行う。
問題点:
関連資料: