[ 詳細報告 ]
分野名:その他
登録日:2016/03/11
最終更新日:2016/05/27
衛研名:長野県衛生公害研究所
発生地域:岡谷市鮎沢地区
事例発生日:1995年
事例終息日:19997年
発生規模:苦情者 19世帯宅
患者被害報告数:
死亡者数:
原因物質:低周波空気振動
キーワード:低周波空気振動、建具のがたつき、発生源調査
背景:
低周波空気振動による公害苦情は、特にその発生が断続的である場合には原因となっている施設が特定できないことが多い。長野県では、定常的に発生している低周波空気振動の実態を調査したり、その影響範囲を推定したりしていたが、これまでに断続的に発生する低周波空気振動の原因を追求する事態がなく、かつ当研究所から離れている場所であったため、所轄保健所や市役所等と協力して原因調査に当たった。
概要:
平成7年10月中旬から、岡谷市鮎沢地区において、家屋内建具のガタツキなど原因不明の振動被害が頻発した。付近に振動等を発生する施設がないため、公害振動の他に低周波空気振動が原因していることも疑われた。このため、周辺の低周波空気振動、騒音、公害振動などについての測定調査を行った。
この現象は断続して発生し、当研究所から2回の調査に出向いたがいずれもこの現象が発生しなかった。そこで発生時に速やかに対応できるよう、当面の現状を把握し発生時に現状と異なった状況を示す施設を特定しやすいよう、発生しないときの現況調査を行った。
調査場所は、低周波空気振動が発生すると予測される、中央東線川岸駅周辺の、中央自動車道西宮線鮎沢高架橋、県道下諏訪辰野線川岸跨線道路橋及び天竜川西天竜堰を中心とした地域である。
このご平成9年に同じ現象が発生し、やはり当研究所から調査に出向いたときには現象が発生せず、測定器を所轄保健所と市役所に配置してこの現象が発生したときに速やかに対応できるようにした。このことにより原因が特定され、その後の発生を押さえることができた。
原因究明:
問題となった中央東線川岸駅周辺で、低周波空気振動が発生すると予測される場所は、中央自動車道西宮線鮎沢高架橋、県道下諏訪辰野線川岸跨線道路橋、天竜川西天竜堰および川岸地域の工場等である。発生は断続的で、長野県衛生公害研究所が調査にきたときは発生しなかった。そこで発生時に速やかに対応できるよう、低周波空気振動の現状を把握し、がたつき発生時に現状と異なった状況を示す施設を特定しやすいよう、現況調査を行った。
このご平成9年に同じ現象が発生し、やはり当研究所から調査に出向いたときには現象が発生せず、測定器を所轄保健所と市役所に配置してこの現象が発生したときに速やかに対応できるようにした。この調査によりがたつきの発生時には天竜堰からの低周波空気振動が大きく変わることが判明し原因が特定された。
診断:
地研の対応:
岡谷市の鮎沢地区において、建具等ががたつくという苦情が保健所を通じて持ち込まれたが、この現象は断続して発生し、当研究所から2回の調査に出向いたがいずれもこの現象が発生しなかった。そこで発生時に速やかに対応できるよう、当面の現状を把握し発生時に現状と異なった状況を示す施設を特定しやすいよう、発生しないときの現況調査を行った。
さらに、この現象が起こったときに速やかに対応がとれるように測定技術の研修を行い。測定機器の貸し出しを行った。最初の年は技術研修をした後にはこの現象は現れず、問題は解決したものと思われたが、このご平成9年に同じ現象が発生し、やはり当研究所から調査に出向いたときには現象が発生せず、再度技術研修と測定器の貸出を所轄保健所と市役所行い、この現象が発生したときに速やかに対応できるようにした。このことにより原因が特定され、その後の発生を押さえることができた。
行政の対応:
岡谷市の鮎沢地区において、建具等ががたつくという苦情が持ち込まれたが、この現象は断続して発生し原因は不明であった。そこで衛生公害研究所と検討し、付近の工場の操業時間と発生時刻の関係、天竜堰の水量変動と発生時刻の関係等を調査したが関係が明らかとなるものは見られなかった。そこで研究所に調査を依頼したが、調査時にはこの現象が発生しなかった。そこで発生時に速やかに対応できるよう、当面の現状を把握し発生時に現状と異なった状況を示す施設を特定しやすいよう、長野県衛生公害研究所と協力し発生しないときの現況調査を行った。また、発生したときにどこをチェックしたらよいか技術研修し、機器をかり出して継続的な調査を行い、発生源を確定することができた。
地研間の連携:
国及び国研等との連携:
事例の教訓・反省:
低周波空気振動のように、現況では長野県衛生公害研究所でしか調査できない事件も、今回のように断続的に発生し、発生現場に研究員が立ち会える機会が少ない場合には、この事例のように所轄保健所や市町村との連携が必要となる。このようなために、基本的な技術の修得と必要に応じた調査研修ができる体制が必要である。
現在の状況:
原因が特定できたことと、その管理が地元の人に委託されていたために、この調査後には低周波空気振動の苦情が再発することはなかった。
今後の課題:
この事例に対応できるように、所轄保健所や市町村との連携、とくに基本的な技術の修得と必要に応じた調査研修ができる体制作りが必要。
問題点:
関連資料: