No.1259 脱法ドラッグによる薬物中毒

[ 詳細報告 ]
分野名:その他
登録日:2016/03/08
最終更新日:2016/05/27
衛研名:東京都健康安全研究センター
発生地域:東京都渋谷区
事例発生日:2005年6月13日
事例終息日:
発生規模:不明
患者被害報告数:1名
死亡者数:0名
原因物質:脱法ドラッグ(5-MeO-DIPT)
キーワード:脱法ドラッグ,5-MeO-DIPT,麻薬,尿,フラッシュバック

背景:
覚せい剤などの薬物と異なり,脱法ドラッグは都内繁華街で簡単に安価に入手できる状況にある。

概要:
覚せい剤の服用歴がある男性が,渋谷の路上で入手した脱法ドラッグを静脈注射し,意識を失い救急入院した。回復後退院するが,その4日後フラッシュバックにより精神運動興奮状態となり都立病院に再度救急入院した。

原因究明:
初回入院時及び精神興奮状態での患者尿について,トライエージによる再試験とともにGC-MS分析を実施した

診断:
初回入院時及び精神興奮状態での患者尿について,トライエージによる検査結果は陰性であった。初回入院時の患者尿から5-MeO-DIPT(H17.4麻薬指定)を検出したが,精神興奮状態での患者尿からは5-MeO-DIPTを検出せず,5-MeO-DIPTのフラッシュバックによるものと結論した。

地研の対応:
精神運動興奮状態で再度救急入院した時,医師の診断ではドラッグの服用が疑われたが,薬物乱用検査キット“トライエージ”による尿中の薬物検査結果は陰性であった.脱法ドラッグによるフラッシュバックを生じたとも予想された。行政を通して当所に原因究明を求められたことから,その対応を行った。

行政の対応:

地研間の連携:

国及び国研等との連携:

事例の教訓・反省:
薬物乱用検査キット“トライエージ”により脱法ドラッグ服用を判定することはできない。脱法ドラッグによるフラッシュバックの報告として初事例である。

現在の状況:

今後の課題:

問題点:

関連資料:
1)「都内医療機関から寄せられる生体試料中の脱法ドラッグの分布」:平成17年度東京都福祉保健医療学会誌,p.134-135
2)東京都健康安全研究センター研究年報,57,2006(2007年1月末発行予定)