No.1276 カイワレ大根を原因としたSalmonella Montevideoによる食中毒事例

[ 概要報告 ]
分野:細菌性食中毒

衛研名:宮城県保健環境センター

時期年月:2005/8/18 ~ 2005/8/19

地域:宮城県

概要:
介護老人保健施設Aで,施設入所者96名のうち12名が18日~19日に発症し,3名が入院した。症状は下痢(100%),発熱(83%),嘔吐(25%)であった。摂食調査から施設Aの食事を原因とする食中毒と推定し,疫学調査及び原因物質を調査した。検査を行った結果,入所者24名(発症者8名,非発症者16名),調理従事者2名,保存食品の16日夕食のグリーンサラダ及びサラダの材料のカイワレ大根からSalmonella Montevideoが分離された。一方,その他の職員やふきとりから菌は分離されず,その他の食中毒原因菌も検出されなかった。サラダの喫食状況を保健所で聞き取り調査したところ,菌分離者はサラダを喫食していた44名中23名で,喫食しなかった13名からは菌が分離されなかった。なお,菌分離の調理従事者2名は味見としてサラダを喫食していた。患者と食品からS. Montevideoが分離され,発症者の症状がサルモネラ属菌による症状と一致したことなどから,本事例は サラダの食材のカイワレ大根がS. Montevideoに汚染されたことによる食中毒であることが実証された貴重な事例となった。