No.1340 複合社会福祉施設で発生した腸管出血性大腸菌O157による集団感染事例

[ 概要報告 ]
分野:細菌性感染症

衛研名:大分県衛生環境研究センター

時期年月:2005/06/01

地域:大分県

概要:
2005年6月、大分県内の同一敷地内3施設からなる複合社会福祉施設でEHEC O157:H7(VT2)による集団感染が発生した。施設の入所者等54名と職員5名の合計59名の感染が判明したが、このうち有症患者は12名(入院5名)で、2名がHUSと診断された。菌検出者中の有症率は学童主体の1施設が36%と最も高く、成人主体の2施設は各19%で、職員5名は無症状であった。分離菌株のPFGEパターンはいずれもよく一致しており、同一菌株由来と推察された。本事例は1週間以上にわたり毎日数名が発症するなど発生状況が単一暴露によるものではなく、保存検食や調理従事者検便でも原因菌が検出されなかったことなどから、食中毒の可能性は低く、感染源は不明であった。