No.367 仕出し弁当によるウェルシュ菌食中毒事例

[ 詳細報告 ]
分野名:細菌性食中毒
登録日:2016/03/17
最終更新日:2016/05/26
衛研名:群馬県衛生環境研究所
発生地域:前橋市
事例発生日:2001年7月
事例終息日:
発生規模:
患者被害報告数:42名
死亡者数:0名
原因物質:耐熱性ウェルシュ菌 Hobbs血清型NT エンテロトキシン産生株
キーワード:ウェルシュ菌、仕出し弁当、食中毒、エンテロトキシン

背景:

概要:
2001年7月4日前橋保健福祉事務所に、7月3日に開催されたグランドゴルフ大会で提供された弁当を食べたところ、下痢、腹痛等の症状を呈した旨の連絡があった。同事務所で調査した結果、飲食店(小料理)で調整した弁当(さばみそ煮、卵焼き、ハンバ-グ、野菜の煮物等)を喫食した92名のうち42名の発症者が確認された。疫学調査の結果、発症者らの共通食事は同店の弁当のみであった。

原因究明:
原因菌検索の結果、食品残品1件(にんじん、さといもの煮物)と患者便8件及び従事者便3件からエンテロトキシン産生ウェルシュ菌が分離された。食品中のウェルシュ菌菌数は約7.0×105cfu/gであった。分離されたエンテロトキシン産生ウェルシュ菌の血清型はHobbs型別不能であった。さらに、患者下痢便4件について便からのウェルシュ菌エンテロトキシンの検出を実施したところ、便2件からエンテロトキシンを検出した。以上の事から本菌が原因物質と決定した。

診断:

地研の対応:
保健所からの依頼に基づき、施設のふき取り5件、食品残品7件、患者便8件、従事者便3件について食中毒原因菌検索を実施した。

行政の対応:
営業停止3日間

地研間の連携:
東京都衛生研究所に分離されたウェルシュ菌の血清型別を依頼したが、型別不能であった。

国及び国研等との連携:
特になし

事例の教訓・反省:
特になし

現在の状況:

今後の課題:

問題点:

関連資料:
食品中のウェルシュ菌の発育動向、平成14年度全国食品衛生監視員研修会、197-198(2002)