◆「あさコラム」vol.11: 「ハードボイルド検疫”16」(2016年7月1日)

参照元URL : http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=222849

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◆「あさコラム」vol.11: 「ハードボイルド検疫"16」(2016年7月1日)

梅雨の谷間のとある一日、成田空港検疫所の視察に、課員2名ととも
に行ってまいりました。
成田空港検疫所には、過去に何度か行ってはいるものの、結核感染症
課に異動してからは、初めての訪問です。
日程調整が付かず、なかなか実現しなかったのですが、七夕を前に
ようやく願いが叶いました。

今回の視察の目的は、夏休みの渡航ラッシュや、リオデジャネイロ
オリンピックを目前に控えた水際対策の確認です。

まずは衛生関係。
流行地から到着した航空機内はもちろん、空港区域内に仕掛けをかけ
たり(トラップ)、調整池から水を採取するなどで、蚊の幼虫やネズミ
を捕まえ、外来種や感染症の調査に取り組んでいます。
昨年も外来種であるネッタイシマカの幼虫が1件、確認されました。
検疫所では蚊の駆除のため、広大な成田空港敷地内の排水溝への薬剤
投与などにも対応しています。
今年はジカウイルス感染症や黄熱の海外流行を踏まえ、早めに薬剤投
与に取り組んでくれたそうです。

次に検査関係。
衛生課では、確保した蚊の幼虫をふ化させて、蚊の種類を調べたり、
ネズミを解剖したり、付着しているダニを検査して、感染症の確認など
をしています。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応検査)も整備されていて、渡航者の血液
検査にも迅速に取り組めるとともに、輸入食品の検査も実施しています。
顕微鏡で大きく立体像で写された蚊を見て、課員たちはビックリ。

そして検疫関係。
飛行機で入国する年間9万件もの渡航者の検疫を実施するとともに、
イザという時には感染者の方に対応できるよう、機材等が整備されて
いました。
検疫ブース・健康相談室では、サーモグラフィー(数年前に見たもの
より、さらに高性能化していました!)が整備され、必要に応じて血液
検査を実施することができます。
今回は、LCC(格安航空会社)用に昨年新設された、第3ターミナルの
検疫ブースも見学することができました。

ちょっと残念だったのは、出国相談カウンター。
「知識は最高のワクチン」とのことで、渡航者の方々に対する感染症
予防の普及啓発の拠点となるべき場所なのですが、派手なネオンサイン
の各種免税店さんに囲まれて、ひっそり、地味〜な一角になっています。
負けずにネオンを置くとか、ゆるキャラに立ってもらうとか、何か
上手い手立てがないものでしょうか?

ということで、普段は我々が立ち入れない区域内まで見せて頂いた
今回の視察でした。
輸入感染症は、水際対策「だけ」では防げませんが、水際対策「も」
重要な予防策のひとつです。
「Gメン"75」のように滑走路を歩くわけにはいきませんが、感染症に
立ち向かうため、熱い心を強い意志で包んだ検疫所の職員の皆さんたち。
海外との交流がますます盛んになっている昨今だからこそ、検疫所、
大いに注目です。

では、次回もどうぞよろしくお願いします。

<成田空港検疫所HP>
https://www.forth.go.jp/keneki/narita/

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幼虫調査(水域)

ねずみ調査

成田空港検疫所の皆さんと

公開日:2016年07月04日

カテゴリー: 感染症