【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.260(2016年08月19日)
2014年8月に約70年ぶりにデング熱の国内感染例が発生しましたが、今夏もデング熱やジカウイルス感染症などの蚊媒介感染症の国内発生の対策を備えておくことが重要です。その対策などを連載でご紹介します。
自治体の皆様におかれましては、国内発生が起きた際には、下記手引きに基づいて適切に対応をお願いします。
○積極的疫学調査の実施
患者から発症14日前~発症5日目の期間の屋外活動の詳細を聞き取り、推定感染地の絞り込み及び感染拡大の可能性の確認をしてください。
○推定感染地の検討
ヒトスジシマカの成虫密度は5~8月に急増してピークに達し、その後9~10月にかけて激減します。蚊媒介感染症が、蚊の増加期に起きた場合は、幼虫と成虫の両方への対策を実施する必要があります。
この場合、緊急対策として、まずは成虫調査を実施し、生息密度が高い場所から優先的に成虫対策を実施することが重要です。そして、幼虫対策としては、平常時の対策に準じて、小さな水たまりをなくすなど発生源対策を実施してください。
○駆除作業
即効性の高い成虫駆除方法は、殺虫剤の散布ですが、駆除作業の前と後で生息密度調査の結果から駆除効果を判定することが重要となります。
感染症は予防対策とともに、感染症の発生に対し、迅速かつ的確に対応できる体制を整えておくことが重要です。
引き続き、蚊媒介感染症対策にご協力お願いします。
<厚生労働省:デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・対策の手引き>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000131652.pdf