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本ページでは現在連載中の、健康局結核感染症課の浅沼一成課長によるコラムを掲載しています。
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◆「あさコラム」vol.20「そして神戸」(2016年9月9日)
こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
シンガポールやマレーシアなどの東南アジアで国内感染が確認されるなど、ジカウイルス感染症への留意はまだまだ必要です。
9月になりましたが、蚊の駆除や虫刺され防止など、引き続きお願いいたします。
さて、先日、神戸市で開催された「第32回世界医学検査学会(IFBSL)」にお伺いいたしました。
この学会は、臨床検査に携わる世界中の臨床検査技師の方々が、新たな検査手法などを発表する場として開催されたものです。
我が結核感染症課もこの学会に参加、AMR(薬剤耐性)対策のパネル展示を行うことで、AMR対策のアピールをさせていただきました。
ただ、このパネルを発表するだけならば、遠く神戸に出張することを躊躇しかねますが、実はこの出張には大事なミッションがありました。
この日、秋篠宮ご夫妻がこの学会をご訪問され、式典でごあいさつをされました。
その後、展示ブースもご視察され、学会を主催する日本臨床衛生検査技師会の宮島喜文会長からご説明を受けられました。
皆様、気づかれましたね!
結核感染症課の責務として、秋篠宮ご夫妻にAMR対策のパネルのご説明を行うことが、私の大事なミッションだったのです。
仕事柄、公益財団法人結核予防会の総裁たる秋篠宮妃紀子殿下にはお目にかかったことがございますが、秋篠宮文仁親王殿下にお目にかかるのは生涯初めて。
しかも、ご挨拶だけならともかく、AMR対策という立て込んだ話をご説明させていただくことになるとは、それはそれは大いに緊張いたします。
大丈夫か、私。
ご説明の事前準備を、IDES(感染症危機管理専門家養成プログラム)の船木医師、鎌田医師の両君とともに取り組み、説明の順番をお待ちしていると、羽織袴姿の宮島会長を先導に、仲睦まじく秋篠宮ご夫妻が我が結核感染症課のパネルの前にいらっしゃいました。
まさに大一番です。
粗相のないよう、声の大きさと言葉の速さに万全の注意を払いながら、AMRの現状や課題、アクションプランなど、秋篠宮ご夫妻に対して心を込めてAMR対策についてご説明させて頂きました。
その時間、5分。
ご説明後、秋篠宮殿下からは
「抗菌薬を使いすぎると、耐性菌ができるんですね。適正使用が大事ですね。」と、お言葉を優しくかけて頂きました。
また、「結核でも、不適切な治療から耐性菌が生まれてしまいます。」と、ご説明した際には、紀子妃殿下は笑みを浮かべ、その後、国立感染症研究所がご用意したAMRの資料をお持ちになられました。
さすがは結核予防会 総裁でございます。
私どもの隣のパネルで、同様に秋篠宮ご夫妻にご説明された国立感染症研究所細菌第2部長の柴山恵吾先生も、「国際学会の発表よりも緊張した!」と発せられたほど、得がたい体験でした。
しかし、このAMR対策、感染症対策の中でも地球規模の課題であり、まさに国家をあげて取り組んでいかなければならない課題だと、意を強くしています。
特に、わが国のアクションプランの数値目標について、この学会で他国の方々から「Challenging!」と揶揄されましたが、これが達成できなければアジアのリーダーにはなれません。
そのためには、抗菌薬の適正使用について、医療関係者はもちろん、患者サイドとなる国民の皆様のご理解とご協力なくしては目標達成には及びません。
心を込めて、ご支援よろしくお願いいたします。
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<バックナンバー>
会場入口にて(左から、船木医師、浅沼、鎌田医師)
パネル前にて