【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.264(2016年09月16日)
RSウイルス感染症(毎年11月~1月に流行)の報告数が増加しています。
RSウイルス感染症の特徴や対策についてご紹介しますので、今後の発生動向も含めてご留意ください。
RSウイルスの「R」は呼吸器(Respiratory)、「S」はウイルス感染後の細胞の形態(合胞体:syncytial)を意味しています。その名の通り、呼吸器の症状が多く、軽症の鼻汁や咳などの感冒様症状から、重症の喘息様のゼエゼエした咳になる細気管支炎や肺炎まで様々です。乳幼児期のお子さんや高 齢者において、重症化を起こすこともあります。
家族内では感染伝播しやすいと言われています。乳幼児から成人まで全年齢層で感染の可能性があります。医療機関では未熟児など特に重症化しやす い方にはパリビズマブでの予防が推奨されています。
ウイルス自体は適切な濃度のアルコール消毒などで無力化しますが、ウイルスが原因の疾患なので、抗菌薬は効きません。治療法は対症療法のみです。
ワクチンもありませんので、予防のためには、患者のだ液や鼻汁から感染するため、それらがついたものは適切な濃度のアルコールで消毒することが必要です。また咳等の呼吸器症状がある場合は、マスクを着用することが大切です。
<国立感染症研究所:RSウイルス感染症とは>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html
<厚生労働省:RSウイルス感染症Q&A(平成26年12月26日)>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
<国立感染症研究所:IDWR 2016年第34週(8月22日~8月28日)>
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/latest.pdf