【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.269(2016年10月21日)
~発熱後にしつこい咳が続くときには要注意!~
発熱や全身のだるさに伴って、徐々に出てきた咳がしつこく治らない。発熱も続くので念のため、病院へ。胸のレントゲンを撮ってもらったら、はっきりした異常な陰影があり、マイコプラズマ肺炎と診断された!などの経過をたどるマイコプラズマ肺炎の患者が全国的に増えています。
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという細菌が肺に感染しておこる病気です。多くが外来治療で治ります。しかし、近年では、マクロライド系というこれまでの第一選択の薬が効きにくいマイコプラズマ肺炎も話題となっています。
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎」と呼ばれる割には、聴診器で呼吸音を聞いても異常がなく、元気なことも多い病気と言われています。
しかし、重症肺炎となったり、無菌性髄膜炎やギラン・バレー症候群などの合併症もありますので、注意が必要です。通常、学童から青年を中心に、秋から春にかけて報告数が多くなります。患者は引き続き増えることが予想されます。
潜伏期間2~3週間と潜伏期間の長い感染症です。周囲にマイコプラズマ肺炎の確定診断を受けた人がいる場合には特に注意しましょう。流行期には手洗い、うがいなどの励行と、患者との濃厚な接触を避けることが有用となります。
<国立感染症研究所:マイコプラズマ肺炎とは>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/503-mycoplasma-pneumoniae.html