◆手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱が増加しています

【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.303(2017年06月30日)

いわゆる"夏風邪"の原因に、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱の3つがあります。
ワクチンはなく、ウイルス性ですので抗菌薬は効きません。そのため、感染予防には、感染者との濃厚な接触・タオルの共有を避け、手洗い・うがいを徹底しましょう。

●手足口病
手足口病は、主にコクサッキーA型ウイルス、エンテロウイルスによる感染症の一つです。その名の通り手や足、口(口の中、唇)に小さな水疱ができる病気です。主に子どもの病気ですが、特に乳児では経口摂取できなくなった結果、脱水症に陥ることや、ときに髄膜炎を引き起こし、稀ですが脳炎や新生児での心筋炎など重症化することもあります。複数のウイルス型が存在するため、何度もかかることがあります。

<感染症法に基づく医師の届出について ~手足口病~>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-20.html
<国立感染症研究所 手足口病とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/hfmd.html

●ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナの名前の由来は主に乳幼児が罹患する、主にコクサッキーA型ウイルスによる感染症です。
ヘルパンギーナの由来は、ドイツ語で「水疱(ヘルペス)」と「喉の炎症(アンギーナ)」であり、その名の通り、熱と口腔粘膜に水疱性の発疹があらわれることを特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。
小児では発熱時に熱性けいれんを伴うこともあります。また、特に乳児では経口摂取が不良となった結果、脱水症に陥ることがあり、まれですが髄膜 炎や心筋炎などを起こして重症化することもあります。

<感染症法に基づく医師の届出について ~ヘルパンギーナ~>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-25.html
<国立感染症研究所 ヘルパンギーナとは>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-herpangina.html

●咽頭結膜熱
咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる発熱、咽頭炎、結膜炎などをおこす子どもに多い急性ウイルス性感染症です。以前はプールを介して感染することもあったことからプール熱とも呼ばれました。咽頭結膜熱は毎年夏に流行しますが、報告数は引き続き増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
<咽頭結膜熱について>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html
<国立感染症研究所:咽頭結膜熱とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/adeno-pfc.html

公開日:2017年07月03日

カテゴリー: 感染症