【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.311(2017年09月01日)
RSウイルスは急性呼吸器疾患を起こすウイルスです。2~8日の潜伏期を経て、典型的には発熱、鼻汁などの上気道炎症状が数日続きます。下気道症状が出現し重症化する場合もあります。本年は第33週の時点で報告数は5,389例に達しました。
RSウイルスは飛沫感染により、特に家庭内で高い確率で伝播するため、屋外からウイルスを持ち込むことにより乳児に感染させ、肺炎や細気管支炎になってしまうこともあります。生後まもなく感染することもあり、低出生体重児や心臓の病気のある乳幼児で重症化のリスクが高いことが知られています。
治療は酸素投与、吸引などの呼吸管理が中心で特異的な治療はなく、感染予防が重要です。まずは、手洗いや咳エチケットを徹底しましょう。
生まれたばかりの乳児がいる家庭では特に注意が必要です。
医療機関の皆様におかれましては、注意喚起のご協力をお願いします。
<国立感染症研究所:RSウイルス感染症とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html