第5回医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催されました

参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000186792.html

平成29年12月4日
【照会先】
医薬・生活衛生局総務課国際薬事規制室
室長 中島 宣雅 (4223)
専門官 高梨 文人 (4224)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)2431

報道関係者各位

 

 

第5回医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催されました

 

平成29年11月11日から16日まで、ジュネーブ(スイス)において、第5回医薬品規制調和国際会議( ICH)が開催されました。本ICH会合では、主に以下の進捗がありました。

1.総会、管理委員会の各議長・副議長の改選が行われ、日本が両会議の副議長のポストを引き続き確保

2.新規のICHガイドラインとして、

(1) E17(国際共同治験の計画及びデザインに関する一般原則)ガイドライン

(2) S3A(非臨床安全性試験)マイクロサンプリングに関するQ&A採択。両文書の作成には日本が主導的に貢献。

3.パブリックコメント手続を実施する文書として、Q12(医薬品のライフサイクルマネジメント)ガイドライン案を合意

次回会合は、平成30年6月2日から7日まで、神戸において開催される予定です。 

 

(参考)医薬品規制調和国際会議(ICH)について

  医薬品規制調和国際会議(ICH, International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for human use)は、平成2年に始まった日米EU医薬品規制調和国際会議を基礎として、平成27年にスイス法に基づく非営利法人として新たに設立された組織です。新医薬品の品質・有効性・安全性の評価等に係る技術的なガイドラインを作成し、各国の規制の調和等に貢献しています。

ICH新法人の設立について(平成27年10月26日付け厚生労働省プレスリリース)


http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102412.html

 

以下では、本会合の進捗について詳細を説明します。



1.新規メンバー、オブザーバーの参加

本会合では、シンガポール保健科学庁(HSA)が新規の規制当局メンバーとして承認されました。また、コロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(B&MGF)が新規のオブザーバーとして承認されました。

これにより、ICHメンバーは15団体、オブザーバーは24団体となりました(参考1に一覧を掲載)。

 
2.総会、管理委員会の議長・副議長の改選

ICHは、全団体が参加する総会と、主要メンバーにより総会の議論の準備やICH法人の運営を担う管理委員会、ガイドラインを作成する専門家作業部会等から構成されています。

今回会合では、総会、管理委員会の各議長・副議長の改選が行われ、下表のとおり選出されました。(改選による変更なし)
○ ICH総会、管理委員会の議長・副議長の構成

議長

副議長

選出手続

総会

レニータ・リンドストーム( EC - DG
SANTE)

富永俊義(PMDA
上席審議役(国際担当))

投票により選出、任期
2年(2019年秋まで)

管理委員会

テレサ・ムーリン(
FDA - CDER - OSP)

富永俊義(PMDA
上席審議役(国際担当))

投票により選出、任期
1年(2018秋まで)



3.
ICHガイドラインの作成

専門家作業部会(WG)によるICHガイドラインの作成で、下表のとおり進捗がありました。

(1)本会合中にステップが進捗したもの

ステップ

WG

文書の形式

内容

(ICHでガイドライン案の合意・今後各国でパブコメ手続を実施)

Q12
(医薬品のライフサイクルマネジメント)

新規ガイドライン案

医薬品の製造方法等の変更管理を計画的に行うための手法(一変承認手続が必要となる事項の明確化等)

(ICHでガイドラインの採択・今後各国で通知)

E17(国際共同治験の計画及びデザインに関する一般原則)

新規ガイドライン

国際共同治験の有用性、地域差の考慮、被験者数の配分等

S3A(非臨床安全性試験)

既存ガイドラインのQ&A

マイクロサンプリング(微量採血技術)の定義、利用の留意点等

M8(電子化申請様式(eCTD))

既存ガイドラインのQ&A

eCTD v4.0の利用に関する留意点等

E2B(症例報告の電子的送信)

既存ガイドラインの付属文書(ユーザーガイド)

EDQMが作成した用語集の利用に関する手引き

 ※ 日本がWGの議論の中心(ラポーター)となってガイドライン等を作成したWG

(2)本会合後、次回会合までの間にステップの進捗が見込まれるもの

ステップ見込み

WG

文書の形式

内容

(ガイドライン案の合意・今後各国でパブコメ手続を実施)

S11(小児用医薬品開発のための非臨床試験)

新規ガイドライン案

幼若動物試験の実施が必要となる基準、試験デザイン等

(ガイドラインの採択・今後各国で通知)

S9(抗悪性腫瘍薬の非臨床試験)

既存ガイドラインのQ&A

S9ガイドラインの適用範囲等を明確化

 

(参考1)ICH参加団体一覧(平成29年11月時点(下線:今回承認))

【メンバー(15団体)】

○ 創設規制当局メンバー (3):厚生労働省・医薬品医療機器総合機構(MHLW/PMDA)、米国医薬品食品庁(FDA)、欧州委員会・欧州医薬品庁(EC/EMA)

 ○ 創設産業界メンバー (3):日本製薬工業協会(JPMA)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)

○ 常任規制当局メンバー (2):ヘルスカナダ、スイスメディック

 ○ 規制当局メンバー (4):ラジル国家衛生監督庁(ANVISA)、中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)、シンガポール保健科学庁(HSA、韓国食品医薬品安全処(MFDS)

 ○ 業界団体メンバー(3):バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会(IGBA)、世界セルフメディケーション協会(WSMI)

【オブザーバー(24団体)】

 ○ 常任オブザーバー(2):世界保健機関(WHO)、国際製薬団体連合会(IFPMA)

 ○ 規制当局オブザーバー(9):インド中央医薬品基準管理機構(CDSCO)、キューバ国家医薬品医療機器管理機関(CECMED)、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)、コロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA、南アフリカ医薬品管理審議会(MCC)、カザフスタン国家医薬品医療機器専門機関、ロシア連邦保健・社会発展省(Roszdravnadzor)、台湾食品薬物管理署(TFDA)、オーストラリア医療製品管理局(TGA)

○ 地域調和イニシアティブ (6):東南アジア諸国連合(ASEAN)、アジア太平洋経済協力(APEC)、東アフリカ共同体(
EAC)、湾岸協力理事会(GCC)、汎アメリカ医薬品規制調和ネットワーク(PANDRH)、南部アフリカ開発共同体(SADC)

○ 業界団体オブザーバー(1):医薬品原薬委員会(APIC)

○ 医薬品関連国際団体(6):ビル&メリンダ・ゲイツ財団(B&MGF、国際医学団体協議会(CIOMS)、欧州医薬品医療品質理事会(EDQM)、国際医薬品添加物機関(IPEC)、医薬品査察協同スキーム(PIC/S)、米国薬局方(USP)

 

(参考2)ICHウェブサイトにおける本会合結果のプレスリリース(英語)

Press_Release_ICH_Geneva_November_2017_Final.pdf