◆タンザニア連合共和国及び赤道ギニア共和国でのマールブルグ病の発生について(終息)(2023年6月15日)

【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.489(2023年6月15日)

 
 【タンザニア】
 2023年3月21日(現地時間)、WHOアフリカ地域事務所は、タンザニア連合共和国北東部のKagera州において、同国初となるマールブルグ病患者の確定例が確認されたと発表しました。
 厚生労働省は、3月23日に、自治体、日本医師会、各検疫所、国土交通省に対し、事務連絡を発出し注意喚起の協力を依頼し、厚生労働省検疫所では、海外から日本へ帰国・入国される方に対し、ポスターやリーフレット等で注意喚起を行ってきました。

 新しい情報:2023年6月2日(現地時間)、同国保健省は、42日間、新たな症例が発生していないことを受け、マールブルグ病の終息を宣言しました。
 3月21日から5月31日までの間、計9例(確定例8例、可能性1例)、うち死亡6例(確定例5例、可能性例1例)が報告されました。Kagera州以外からの発生はありませんでした。

 ・世界保健機関(WHO)Disease Outbreak News, Marburg virus disease - the United Republic of Tanzania (2023/6/2)
    
 ・世界保健機関(WHO)アフリカ, Marburg Virus Disease outbreak in Tanzania declared over (2023/6/2)
  
 ・タンザニア連合共和国保健省Twitter(2023/6/2)
  
 ・世界保健機関(WHO)Africa, Tanzania confirms first-ever outbreak of Marburg Virus Disease(2023/03/21
  
 【赤道ギニア】
  2023年2月13日、赤道ギニア共和国保健省及びWHOアフリカ地域事務所は、同国北東部のKie-Ntem県で、同国初のマールブルグ病患者の確定例を報告したと発表しました。
  厚生労働省は、2月14日に、自治体、日本医師会、各検疫所、国土交通省に対し、事務連絡を発出し注意喚起の協力を依頼し、厚生労働省検疫所では、海外から日本へ帰国・入国される方に対し、ポスターやリーフレット等で注意 喚起を行ってきました。
  新しい情報:2023年6月8日(現地時間)、WHOは、42日間、新たな症例が発生していないことを受け、マールブルグ病の終息を発表しました。
  計40例(確定例17例、可能性例23例)、うち死亡35例(確定例12例、可能性例23例)が報告されました。

 ・赤道ギニア共和国保健省Twitter(2023/5/16)
  
 ・ 赤道ギニア共和国保健省疫学データ(2023/5/4)
  
 ・世界保健機関(WHO)Africa, Marburg Virus Disease outbreak in Equatorial Guinea ends(2023/06/08)

 【マールブルグ病とは?】
  マールブルグ病は感染性の高いウイルス性出血熱で、エボラ出血熱と同じフィロウイルス科のマールブルグウイルスによって起こります。
  マールブルグウイルスはコウモリ(フルーツバット)からヒトに感染すると考えられており、感染者の血液や体液等への直接接触等によりヒトの間で感染が拡大します。
  高熱、強い頭痛、倦怠感で突然発症し、多くの患者は7日以内に重症の出血症状を呈します。致死率は、過去の流行において、ウイルス株や臨床管理の状況により、24%から88%となっています。

 ・世界保健機関(WHO). Marburg virus disease, Fact sheets, 7 August 2021
    
 ・厚生労働省検疫所FORTH マールブルグ病-赤道ギニア共和国およびタンザニア連合共和国 (2023/05/11)
  
 ・国立感染症研究所 マールブルグ病とは
   
 ・世界保健機関(WHO)Disease Outbreak News, Marburg virus disease - Equatorial Guinea and the United Republic of Tanzania (2023/05/08)

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公開日:2023年06月16日

カテゴリー: 感染症