【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.514 (2024年6月8日)
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)の全国での定点当たり報告数は5.03(第21週)と3週連続で増加し、過去5年間の同時期の平均と比較してかなり多くなっています。
溶連菌感染症は、乳幼児では咽頭炎、年長児や成人では扁桃炎が現れ、発しんを伴うこともあり、発赤毒素に免疫のない人は猩紅熱といわれる全身症状を起こすことがあります。
リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの二次疾患を起こすことにも注意が必要です。
溶連菌に感染した患者で、稀に引き起こされる劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)は、国内外で増加傾向にあり、STSSの今年の報告数は、第21週まで935人報告されています。
引き続き感染拡大防止のため、手指衛生や咳エチケット、傷口の清潔な処置などの感染対策の実施や周知の徹底を今一度お願いします。
・ 感染症発生動向調査 感染症週報(IDWR)2024年第21号
・ 厚生労働省「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」
・国立感染症研究所 「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは」(2024年1月22日改訂)
・国立感染症研究所 「劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは」(2013年2月8日改訂)